第152話 【休日・4】
帰宅後、グレンは先に帰って来ていたニアとキャロルに出迎えられた。
「ニア、すまんな俺が誘ったのに途中で居なくなって」
「お仕事なら仕方ないよ。それにキャロルちゃんと色々喋ってて楽しかったから、大丈夫だよ」
家を出る際、自分が誘ったのに途中で居なくなった事を謝罪したグレンにニアはそう伝えた。
そんなニアの言葉に、ニアの横に座ってるキャロルの方をグレンは見た。
「キャロルもありがとな」
「にゃっにゃ? グレン君が素直にお礼を言ったにゃ? 雨でも降るのかにゃ?」
素直にお礼を言ったのにそんな態度を取られたグレンは、馬鹿にしてきたキャロルの首を掴み部屋から追い出そうとした。
「ご、ごめんにゃ! グレン君、そんなに怒らないでにゃ!」
キャロルは追い出されまいと抵抗し、謝罪をして何とか許しを得て席に戻った。
それから少し雑談をしていると、グレン達とは違い外に出ていたクリスが帰って来た。
クリスが帰ってきた事で少し前から夕食の準備をしていたニアが、キャロルの分も合わせて用意して4人で食事する事にした。
「そういや今日、聞いた話だけど帝国で少し問題が起きたらしいぞ」
「帝国が? 内容は?」
食事を食べ終えたタイミングで、クリスがそう言うとグレンはそう聞き返した。
「詳しい内容はまだ分かってないが、大勢の人が倒れてるってのを同じ日に何ヵ所で発見されて、ちょっとした騒ぎが起きてるみたいだ。キャロル、グレンに言ってなかっのか?」
「それあたしも聞いたにゃけど、まだ詳しく調べてられてにゃいから言ってなかったにゃ」
「……大量に人が倒れるね」
不自然なその内容に、グレンは頭を悩ませた。
その後、少しその話題について話した後、クリスは風呂にキャロルは帰宅したのでグレンも自室に戻る事にした。
「フレイナ、さっきの話聞いて、どう思った?」
「まあ、悪魔が関わってるのは間違いないでしょうね。一人二人倒れてる程度なら、お酒の飲みすぎとか疲労でって騒ぎにはならないけど、大量に人が同時に倒れるっておかしいと思うわ」
フレイナの返答が自分と同じ意見だったグレンは、その言葉を聞いて更に考え込んだ。
悪魔が関係してるのは間違いない、ただそれがどういった関係しているのか上手く結びつかない。
そんな事を考えていたグレンは、家の周りに張ってある結界にある者の魔力を感知した。
「ッ! 何でここに!」
グレンはその魔力が居る場所が玄関だと気配を見て分かり、急いでその場所に向かった。
そして勢いよく玄関の扉を開けると、扉の先には血で体を真っ赤に染め、片腕が無くなってるグラムの姿があった。
「兄さんッ!?」
魔力から弱っている事は分かっていたグレンだったが、ここまで酷い状態だとは思っておらずグラムの姿を見て慌てて駆け寄った。
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