第149話 【休日・1】
訓練に模擬戦を取り入れてから、一週間が経った。
初日にカグラとた戦い、次の日も打診されたグレンは「三日に一回にしてくれ」と逆にお願いするように言い。
それから、三日に一度カグラと戦っているグレンは、毎回前回よりも成長して挑んでくるカグラに驚きつつ、自分もまた負けられないと思い。
カグラに呼応するように、自身も成長をしていた。
そのおかげで悪魔戦以降、上がり過ぎて制御が難しくなっていた魔力制御も割と出来るようになっていた。
「さてと、今日は久しぶりの休みだけど何しようかな?」
他の部隊は休みもあるのに対して、グレンの所は毎日訓練を続けていた。
その事を指摘されたグレンは、休みを完全に忘れていたとメンバーに謝罪して、急遽予定を変え、二日間の休みを取る事にした。
それにはメンバー達も喜び、休み前の訓練は初日の時の様に元気だった。
「フレイナ、何かやりたい事とかあるか?」
「やりたい事ね……特に思い浮かばないし、今日は休むことに集中するのが良いんじゃないかしら?」
「それも良いんだが、最近色々と動いてて休んでたら逆に違和感を感じるんだよな……」
その後、特に予定もないグレンはただただ家にいるのも苦痛だと感じ、同じく暇なニアも連れて散歩に出掛ける事にした。
「グレン、何処か行くのか決めたの?」
「いや、ただ家にいるのは勿体ないと思って外に出ただけだからな……丁度いいし、家で必要な物でも買い足しておくか?」
「足りない物ってあったかな? グレンからお金預かって、買ってたし」
そうニアが言うと、グレンは「ん~」と悩みながら、取り敢えず商業区へと向かった。
「食料もあるんだよな?」
「うん、グレンが大事だからって調味料も沢山残ってるよ?」
「服とかも別に破れたりしてないんだよな?」
「大切に使ってるから、それに少し穴が空いてても直せる位だったら直して使ってるよ?」
話し合いの結果、本格的に何も必要が無いとなった。
来た意味無いなと感じていたグレンは、ふと横目にニアと出会った時も食べた串焼屋が目に入った。
「ニア、腹減ってるか?」
「減ってないけど、少しなら食べれるよ」
尋ねられた意味を察したニアは、グレンの言葉にそう返すと二人は串焼屋へと向かい数本串焼きを購入した。
そして歩きながらだと邪魔になる為、近くのベンチに座って食べる事にした。
「これ食べるとニアと出会った時の事を思いだすな」
「あの時は匂いに釣られて、グレンにお願いして良かった思う。あの時の私、本当にいい行動した」
グレンと出会った事で、貧しい生活から抜けたニアはあの時の自分を褒めた。
その後、あの時のニアの様に絡まれる事も無く、食べ終えた二人は散歩に戻った。
「にゃっ? グレン君とニアちゃん? 何してるんだにゃ?」
そのまま商業区を特に予定も無く歩いていると、前方からキャロルが現れグレン達に声を掛けて来た。
「暇だったから散歩してる。家にいても特にやる事が無くてな……」
「にゃるほどにゃ、グレン君最近忙しくしてて、いざ休みってなったら何やればいいか分からなくにゃった感じかにゃ?」
「今の会話で何でそこまで見抜けるんだよ……まあ、当たってるけどな。お前こそ、何してるんだ?」
「あたしも暇で散歩してただけにゃ」
「お前もか……でも、クリスは朝から何かやる事あるみたいで出掛けてたぞ?」
「こっちの部隊はグレン君達みたいに、固まって動いてはないんだにゃ」
グレン達、戦闘班は基本的に固まって訓練をしている。
しかしキャロル達の様な情報班は、基本的に集まって活動では無く個々で活動しているとキャロルは説明した。
「成程な、んでキャロル。その仲間に入れて欲しそうな目は何だ?」
「そのまま意味にゃ、このままにゃとあたしは一人寂しく過ごす事ににゃるにゃ。グレン君、仲間に入れてにゃ!」
どうせ拒否した所で勝手についてくるか、言い合いになるなと思ったグレンは「問題事は起こすなよ」と注意して一緒に来る事を承諾した。
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