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第139話 【調整・5】


「こりゃ、凄いな……」


「そうだろ? 魔力もそこまで出して無くて、これだからな」


 驚くガリウスにグレンはそう言うと、魔法剣を解いて剣を鞘に入れた。


「剣の強さは分かったけど、防具の方はどうだったんだ? 使い心地とか」


「まあ、ドルトムが作ってくれたのもあって最高だな。一度、わざと魔物の攻撃を受けたが痛くも無かったし、流石地竜の素材だなって感じたよ」


 防御力があると聞いてはいたが実際に何処まで耐えれるのか、グレンは実際に魔物に攻撃されるという実験を行った。

 その結果、オーガの攻撃さえも耐えきり、逆に装備に攻撃をしたオーガが痛みを感じていた。

 そう楽しそうに新装備の良さを話したグレンは、それから家に帰宅してニアにも装備の良さを語った。

 それから数日間、グレンは新装備に慣れる為、戦闘を行わない訓練日にも着用して参加していた。


「グレン、気に入ってるのねその装備」


「ああ、今まで使って来た装備の中で一番自分にしっくり来てて、来てるだけで楽しくなるんだよな」


 そう嬉しそうに言うグレンに、フレイナはクスッと笑った。

 そんな楽しい数日間を送ったグレンの所に、楽しい日々の終わりを告げる者が現れた。


「……帰れ、何も聞きたくない」


「グレン君、我儘言わなにゃ。準備期間は呼び出さないって約束はちゃんと守ったにゃ」


 玄関の扉越しにキャロルと話すグレンは、そう言われた渋々と扉を開けてキャロルを中に入れた。


「これが一応、最初のメンバーにゃ。グレン君も確認しておくにゃ」


 キャロルがそう言って、テーブルに置いた資料の一番上には〝悪魔対策部隊〟と書かれていた。

 グレンはその資料を手に取り中を確認すると、自分の名前が〝幹部・指導者〟と書かれているのを確認した。


「幹部は分かってたが、この指導者ってのは何だ? こんな話、聞いてないぞ?」


「それはあれにゃ、グレン君がクランの人達に教えてるのを調べて、指導の仕方が良いって上が判断したんだにゃ。それで、部隊の者達にも技術を教え込ませるにゃってリシアナ様が言ってたにゃ」


「また勝手な……」


 知らぬ間に仕事が増えていた事を知ったグレンは、ガクッとテーブルに突っ伏した。

 この数日間、グレンがやけに無理にでも楽しそうに暮らしていたのは、先日の式典の際に聞いた内容が嫌すぎて現実逃避していたからだ。

 式典が行われた日、全ての行事が終わった後に呼び出されたグレンは、悪魔対策の為の部隊を作ると王から聞かされた。

 何となく自分も参加させられると察していたグレンは、嫌々ながらも返事をすると自分をその部隊の責任者クラスにすると言われた。

 何度も断ろうとしたグレンだったが、結局断る事が出来ずに渋々承諾して、今日まで現実逃避を続けていた。


「早速にゃけど、今から王城に行くにゃ。もう既にガリウス達も来てるにゃ」


「……分かったよ」


 キャロルの言葉に逃走出来ない事を悟ったグレンは、そう返事をしてニアを連れて王城へと転移した。

 

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ここで取り敢えず、第二部・完という事になります。

文字数がバラバラで自分でも良いかな~と思ったんですが、一度この文字数を立て直すという意味も込めて、ここで区切ろうと思います。

第8章からは第三部が始まり、内容としては二部最後の〝悪魔対策部隊〟から物語は始まります。

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― 新着の感想 ―
[一言] いい加減あんまり筋も通さずいいように使われてばっかで読むの疲れたきたな 敵ならスパッと斬り捨てて終わるけども味方側じゃあな~
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