第136話 【調整・2】
帰宅後、ニアに夕食を頼んだ俺は先に風呂に入る事にした。
久しぶりの戦闘と、慣れない魔力調整をした俺は普段より少し疲れ、早く風呂に入りたいという気持ちだった。
「ふぅ~」
湯船に浸かった俺は全身から力が抜け、そのまま顔を半分湯船に入れた。
今日の調整で分かったが、魔力の威力が上がると魔法剣の強度も上がっているのが分かった。
以前まで強度に関して、そこまで気にしてはいなかった為、新しい発見をする事が出来たのは良かった。
「まあ、そもそも強度が上がっても元が高いせいで今まで打ち負けた事は無いんだけどな……」
「あら、でもこれからは悪魔との戦いも増えると思うし、強度が強くなったのは結果的に良かったんじゃないの?」
「あ~、そう考えたらそうかもな……」
フレイナの言葉に俺はこの間の戦いを振り返り、普通の状態で戦っていた時の事を思いだした。
「悪魔はかなり硬かったし、あのくらいの強さがあった方が逆に良いのかな……」
「ええ、あって損はないと思うわよ。後は、今の力にグレンがどれだけなれるかの問題ね」
「そうだな、まあ今日の感覚的に直ぐには慣れると思うな……素材の事を気にしないならな」
その後、俺は30分程風呂に入り、上がった後はニアの美味い飯を食べて寝る事にした。
翌日、今日はクランの訓練に久しぶりに参加する事になり、ニアと共にクランハウスへと向かった。
「それじゃ、俺はガリウスの所に行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」
ニアはそう言うと、仲良くなったクランメンバーの所へ歩いて行った。
ニアを見送った俺は、リーダー室に入ると今日は先に他のメンバーが居た。
「珍しいな、俺より早く来るなんて」
「まあ、今日はグレンに用があったからの」
俺より先にリーダー室に居た人物。
そいつの名は、ドルトム。
鍛冶師のリーダーをしているドワーフ族の男だ。
「お主の装備の事なんじゃが、今後悪魔という得体のしれない者達と戦うんじゃろ?」
「ああ、そうだな」
「うむ、それで儂等で話し合ったんじゃが、グレンの新しい装備に〝竜〟の素材を使おうと思うんじゃ」
「竜種の素材? まあ、確かに耐久力は上がるよな、でも何でそれを態々俺に言って来たんだ?」
竜種の素材なら別に高ランクの冒険者なら珍しく無いし、なんなら前の装備にも使われていたよな?
「前の装備に使っていたのも竜種じゃがワイバーン種の物じゃ、今回使おうと思うのは竜種の中でも耐久性に優れた竜。地竜の素材を使おうと思うんじゃ」
「地竜? ……いやいや、流石にそれは俺みたいな冒険者がもつような代物じゃないだろ? それに今から地竜を探すのも時間がないだろ?」
地竜の装備と言えば、竜種の素材の中でも一番高価な物だ。
「あるんだよ。うちに地竜の素材」
「……はっ? いやいや、そんな」
そう俺が言おうとしたら、ドルトムは部屋に置かれていた箱を開けて中にあった何かを取り出した。
「ほれっ、地竜の素材じゃ。お主なら、見ただけで分かるじゃろ?」
そう言われた俺は、渡された物に対して鑑定をすると間違いなく、地竜の物だった。
「何で、こんな物が?」
「賢者がお前に褒美じゃと言って、渡しに来たんじゃよ」
「ま、マーリンが?」
た、確かにあいつなら地竜の素材を持っていてもおかしくないな……。
それから、俺は地竜の素材を使う事に動揺しながらも返事をして、後でマーリンにお礼の連絡を入れようと決めた。
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