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第132話 【戦いの後・1】


 悪魔襲来事件から、三日経った。

 あの日、突然悪魔が表に正体を現し、王族を襲ったのは既に王国全土更には他国にまで情報が広まった。

 情報提供したのは襲来を受けたデュレイン国で、更にそこには事前に協力関係を結んでいた聖国も情報は真実だと伝えた事で、その話は直ぐに広まった。

 そしてその事件をたった一人で解決した者、グレンの名もまた更に広まった。


「……数日振りに起きた相手に、この仕打ちは酷いんじゃないか?」


「仕方ないにゃ。あそこまで悪魔が堂々と現れるにゃんて、思ってもいなかったんだにゃ」


「だからって、俺を盾にするのは必要ないだろ?」


 3体の悪魔をたった一人で倒したグレンの名は、人々の動揺を止める為に使われた。

 元々、3体の悪魔を一人で倒したという時点で凄い事だが、その内容をグレンが圧勝しただの、苦戦する事は無かったという風に伝えられた。

 実際、露天風呂を壊され怒り状態となったグレンは、3体の悪魔を余裕で倒していた。

 なので情報としては合ってはいて、グレンも文句を言いようにも言えないという状態だ。


「……それで、表の話は大体分かったけど、それ以外はどうなってるんだ? 主に帝国とかの動きは変わってるのか?」


 あの日、戦いを終えたグレンは三日間眠っていて、あの後からの情報を一切知らない。

 その為、王家やマーリン達より忙しくないキャロルを呼び出して、三日間の情報を聞き出していた。


「帝国は今の所動いては無いにゃ。グレン君のお兄さんから連絡も来てたにゃけど、特に変わった所はないって言ってたにゃ」


「そうか。そこまで動揺してないとすれば、俺が相手した悪魔達は下っ端の悪魔だったのかもしれんな」


「その可能性は十分あるにゃ。お兄さんの話にゃと、悪魔憑きは沢山いるって言ってたしにゃ」


「ああ、それに水の悪魔のウェルって奴が最後消える間際に〝アルマ様〟って言って消えたから、あの3体の悪魔は下っ端の悪魔の可能性が高いな」


 グレンがそう言うと、キャロルは「あの時の記憶、ちゃんとあるにゃ?」と聞いて来た。


「ああ、戦いが終わって力が抜け落ちる所までちゃんと覚えてる」


 キャロルの質問に対してそう答えたグレンは、ニアに頼んでいた食事が届き話を一旦止めて食べ始めた。

 三日間眠り続けたグレンは、起きた時まず最初に空腹で死にそうになった。

 直ぐにニアに食事を頼み、一度目の食事を終えたが、それでも腹は減っていて追加で作ってくれとグレンは頼んだ。

 そして追加分を食べ終えた際にキャロルが来て、一旦話をする事にして更に追加で作っていた食事が届き、話を止めてグレンは3度目の食事を始めた。


「……グレン君がここまでの大食いになってるにゃんて、知らなかったにゃ」


 キャロルはグレンの大食い能力に再会してから知ったが、ここまでとは思っておらず驚いた様子でそう言った。


「流石に普段はこうじゃないぞ? 三日間飲まず食わずで寝続けた今だから、こんなに食べてるだけだ」


「そうかしら? 私から見たら、普段と変わらない気がするわよ? ねぇ、ニアちゃん?」


「うん、グレンいつもと変わらないよ?」


「えっ、マジで?」


 普段の食事でも、おかわりをするグレンは自分でも気付かない内に、胃のキャパが増えていた。

 フレイナとニアからそう言われたグレンは、今後食事に気を付けようと思った。

 その後、取り敢えず今用意してもらった分は完食すると言って、三人からの視線に耐えつつ食べ進めた。

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[一言] ・起きたの相手に →起きた相手 ・俺を盾にするのは必要ないだろ? →盾にする必要はないだろ?
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