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第129話 【港の決戦・2】


 先程の轟音にアーノルド含めた近衛騎士達、そしてキャロルとニア達も外に出て来た。

 王族が出てきてないのを視認したグレンは、アーノルドに王族はどうしたのか聞いた。


「別荘宅の地下に隠れて貰ってる。そっちに、防御魔法に秀でた者達を残してきてる」


「分かった。アーノルド、気を引き締めろよ。今の魔力の感じ、相手は悪魔憑きかもしれん」


 グレンのその言葉にアーノルド含めた近衛騎士団、そしてキャロル達の顔が強張った。

 そんなグレン達は上空に視線を上げると、3人の人影が映った。

 全員男で一人の男は、何処か見覚えのある顔だった。


「……アレイン?」


 3人の内一人の顔をジッと見つめたグレンは、その男が幼馴染であったアレインだと気付いた。

 そして次の瞬間、3人の男が結界に近づくと無理矢理結界を割って中に入って来た。


「ッ! アーノルド、相手は悪魔憑きで確定だ。やれるか分からんが時間稼ぎはする。だから、お前らは王家と市民の避難を優先しろ」


「3人の悪魔憑きを相手に耐えれるのか!?」


「厳しいけど、この状況はやらないとまずいだろ……キャロル。通信魔道具が使えるなら、直ぐにマーリン達に連絡をしてくれ」


「分かったにゃ!」


 グレンはそう指示を出すと、フレイナ達にも力を貸してくれと言って転移眼で悪魔憑き共へと近づいた。


「ほう。お前が噂のグレンか、中々強そうだな」


「……意思の疎通は出来るのか、それとその口振りだとお前はアレインの体を乗っ取った悪魔で間違いないか?」


 アレインの姿をした悪魔に話しかけられたグレンは、その男へとそう聞いた。


「ああ、そうだぜこの馬鹿な男は悪魔の力を自分の物だと勘違いして馬鹿ばっかりしてたみたいだけどな、最後まで足掻いて馬鹿な男だったよ」


 ニタニタと笑みを浮かべてそう言った男に、グレンは舌打ちをした。

 そしてグレンは剣を抜き、魔法を付与して臨戦態勢を取った。


「お前らは、ただ見学に来ただけじゃないんだろ?」


「まあね。新しく手に入れた肉体の調整、グレンの戦力を見て来いって上から言われてるんだわ。だから、よろしく頼むぜ。まあ、死ぬ奴に名乗るのも変だが。俺様は、炎の悪魔フレムだ」


 フレムと名乗った悪魔に続いて、アレインの体を乗っ取った悪魔は風の悪魔ブラス、そして最後の悪魔は水の悪魔ウォルと名乗った。

 そして悪魔達は名乗りを終えると笑みを浮かべながらグレンへと近づき、グレンは初めての悪魔憑きとの戦いが始まった。



「っち、厄介だ。ただでさえ悪魔の力はきついのに、3対1って不利な状況かよ……」


 3体の悪魔憑きを相手に俺は、距離を取りながらなんとか戦えていた。

 一体一体の強さが尋常じゃなく、一瞬でも気を許せる瞬間が無い。

 頼むから、マーリンかティアさんが駆けつけて欲しいな……


「おいおい。噂のグレン君、この程度かよ!」


「っ!」


 一体の悪魔の攻撃を避けた瞬間、別の悪魔憑きに攻撃をされ判断が一瞬遅れ頬に傷が入った。

 戦闘開始からフレイナや妖精達には、市民達を守る為に結界を張るのに集中させてるおかげで下に被害は無いけど、いつまで俺の体が持つかだな……。


「はぁ~、上の人達がグレんは強いから警戒してろって言ってたけど、これなら別に警戒しなくても良かったんじゃないか? 態々、3人で来なくてもよ」


 ヘラヘラと笑みを浮かべながらブラスがそう言ってる間に、俺は切れかけていた集中を深呼吸して整えた。

 この場で逃げる事は出来ない、それに下はフレイナ達が全力で守ってくれている。

 ……ここでやるしかないか。

 俺はそう思い、一度3人の悪魔憑きから距離を取った。


「おっ、何だ?」


「今度はなにをみせてくれるんだ?」


「まっ、どうせ俺達には通用しないけどな」


 笑っているのも今の内だぞ。

 俺はそう思いながら、最強の魔法を付与した魔法剣を発動させた。


「ここからは今までの様にはいかないぞ、このクソ悪魔ども!」


 俺はそう言い放ち、最強の魔法剣での戦闘を始めた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 3人いるとはいえ下っ端の雑魚悪魔でこの強さってやばくない? それにこんなのが沢山いるとか人間もう終わってない?
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