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第126話 【王族と旅行・3】


 そうしてやって来たのは、港から近い所にある王家御用達のちょっと洒落た店にグレン達は訪れた。

 店内の雰囲気から高そうな雰囲気を感じ取ったグレンは、小声でアルに声を掛けた。


「なあ、ここって俺達みたいなのが入っても良いのか?」


「大丈夫だよ。グレンは今は王家の護衛だし、そもそもここは普通の人も入れる場所だからね」


 アルはそう言うと、馴染みの店員に奥の部屋に案内するように頼むと店員はグレン達を奥の部屋へと案内した。

 そうして案内された部屋に入ったグレン達は、アルとラフィのおススメを聞きそれと同じものを注文した。


「グレン、どうだ肉も良いと思うけどこの街の魚の味は?」


「最高だ」


 おススメされた料理は普段滅多に食べない魚料理で、グレンは注文する際に肉料理が良かったのにとアルに文句を言っていた。

 しかし、注文した魚料理が届き一口食べると、その美味しさに自分の言葉を否定して満足そうにグレンは料理を食べ進めていた。

 そんなグレンを笑みを浮かべて質問したアルは、満足いく言葉が返って来て嬉しそうにしていた。


「ニアちゃんはどうかしら? 帝都出身だと、魚はあまり馴染みが無いと思うけど口に合ったかしら?」


「美味しい。グレン、この魚家でも食べられないかな?」


「異空間に入れて帰れば、異空間の中は時間も止まってるから新鮮なままで食べれるな……よしっ、休憩時間に市場の方に魚を見に行くかニア!」


「うん!」


 グレンとニアは魚料理の美味しさにハマり、帰宅後も食べる為に魚を買う事を決めた。


「そう言えば、アル。あれから魔法剣の調子はどうだ? すこしはコツ掴めたか?」


「一応、少しは掴んだかな? 元々、グレンに憧れて魔法剣の訓練していたおかげだな」


「俺が言うのも変だが、一人で魔法剣を習得しようなんてよくやろうとしたな……王族には専属の教師が居るんだから、そいつらに頼めばよかっただろ?」


「あの人達は普通の剣術や、魔法しか教えてくれなかったんだよ。だから、独学とキャロルに依頼してグレンがどうやって魔法剣を使っているのか調べたりしてたんだ」


 アルのその言葉に、隣で黙々と自分の魚料理を食べていたキャロルをグレンは見た。


「何にゃ? これはあげないにゃよ?」


「別にそれを取りたくてみたんじゃねえよ。ただお前が一時期、やけに俺を付け回していた理由を知って驚いてみただけだよ」


「ああ、成程にゃ。そうにゃ、その頃から王族から依頼が来ていたにゃから、グレン君の事を聞きたいってアルヴィス様が言ったから調べてたにゃね」


 キャロルは堂々とそう言うと、グレンとの話が終わったと思い再び食事へと戻った。


「まあでも、独学で覚えてたお陰で思っていたより早くに覚えられるのは良かったな、護衛任務が終わっても一人で頑張れるな」


「えっ? 何で一人でやるんだ? グレンと一緒にすればいいだろ?」


 グレンの言葉に、アルは何おかしな事を言っているだと言わんばかりにそう言った。

 そのアルの言葉に対して、ニアと会話をしていたラフィも会話に参加して来た。


「そうですよ。私の魔法に関しても、まだ教え始めたばかりじゃないですか? 別に護衛任務が終わった後でも、教える事は出来ますよ」


「いや、だから俺は普通にクランのやつらの訓練とかもあるし……」


「それは丸一日ですか? 調査では、朝から始めていますが陽が落ちる前には帰って来てますよね?」


「……何でそこまで調べてるんだ?」


「大切な事ですから、私達と言いますか母様も父様もグレン様の行動は大体知ってますよ」


 王家全員からと言われたグレンは、デュレイン国自体好きだが王家から自分の情報を集められていると聞き、少し寒気を感じた。

 その後、飯屋を出たグレン達は別荘へと帰宅した。

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