第125話 【王族と旅行・2】
その後、特に問題も無く優雅な旅を過ごした。
初日こそ不機嫌だったグレンだったが、その後は機嫌も良くなり初日に泊った宿では王子に教える序に近衛騎士達とも楽しそうに話をした。
近衛騎士は団長であるアーノルド含め、合計30人居りその中には女性の騎士も居る。
また近衛騎士に選ばれている兵士は、実力と共に性格等も考えて選び抜かれている。
それ故に悪い噂を聞いていた筈の近衛騎士達は、初日からグレンに対して大分親しそうに話しかけていた。
それについて、グレンは団長であるアーノルドに聞くと。
「人の噂を信じ込む奴は、この団には居ない」
と真顔で言われ、グレンは流石国が選び抜いた騎士団だなと感じた。
そんなこんなで、王家一行は無事に旅行先として決めていた港街へと到着した。
「この間は組織の奴等を捕まえる為に来ただけだったから、今回はゆっくりと過ごしたいな」
「護衛の仕事はあるにゃけど交代制にゃし、そこまで拘束は長くないにゃ。あたし達も楽しめると思うにゃよ」
「そうだと良いな、ティアさんに言われたからって訳じゃないが何か本当に俺って問題事を巻き込まれてるような気がするからな……」
グレンのその言葉に対して、キャロルは「あ~……」と返す言葉が無かった。
その後、グレン達は王族と共に王家所有の別荘へと向かった。
別荘は港街の高台にあり、使用人用の部屋からも良い眺めだった。
そうして一度部屋を見た後、グレンはアル達と共に街へと出かけた。
「アル、あの船って王家所有の船か?」
「そうだよ。グレンは船に乗った事はあるの?」
「一応、何回か依頼で乗った事はあるけど、あそこまで大きいのには乗った事無いな……」
そうグレンがアルの言葉に返すと、ラフィは「でしたら、今から乗ってみますか?」と提案した。
「良いのか?」
「ええ、動かすのはお母様達の許可だったり船員達の準備が必要になるので難しいですが、中を見る程度でしたら大丈夫ですよ」
ラフィの言葉にグレンは「乗るだけでも十分だ」と言って、グレン達は王家所有の豪華船へと向かった。
王家の船は、遠くからでも分かるほど大きく、また豪華な造りをしていた。
「わわっ」
ニアは船に初めて乗る為、ちょっとした揺れに躓いてしまった。
そんなニアにグレンは「俺の服に捕まってていいぞ」と言い、ニアを自分の服に捕まる様に言った。
そんなグレンとニアを見たキャロルがわざとらしく躓くと、アル達も含めてガン無視で先に進んだ。
「どうしたキャロル?」
「にゃ、にゃんでも無いにゃ!」
船の中を見ていたグレンは、キャロルが黙っていた事が気になって声を掛けると顔を真っ赤にして反論され、首を傾げながら船の散策へと戻った。
その後、一通り見て回ったグレン達は船を出た。
「しかし、王家所有の船だからか俺が見て来た船の中で一番凄かったな」
「あの船で他国へと行ったりしますので、見栄の為あのように作っているのですよ。性能だけを考えたら、あそこまで豪華にしなくても良いですし」
「……ラフィって意外と無駄な事に対して、疑問を抱くタイプか?」
「そうですね。貴族には向かない性格なのは、自分でもよく分かってます」
笑みを浮かべながらそう言ったラフィに、グレンは兄であるアルの方を見た。
「妹の性格、貴族に向いてないんじゃないか?」
「一応、外では隠してるよ。グレンの前だから素を見せてるけど、学園や貴族の前のラフィは素の状態を知ってる人からしたら驚くよ」
その後、グレン達はお腹が空いて来た為、近くの飯屋に入る事にした。
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