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第123話 【顔合わせ・3】

 そうして話し合いも大分進み、グレンはある程度王子達との絡み方も分かった。


「グレン、旅行の間で良いから魔法剣を教えてくれないか? クランの者達に教えていると聞いて、私も教えて貰いたいと思っていたかだ」


「別に良いけど、アルの教育係から許可貰ってくれよ? 変な教え方したって後で怒られるのは嫌だからな」


 同い歳であるグレンとアルヴィスだが、立場が全く違う二人だがこの少しの間で敬語が無くなりグレンは愛称でアルヴィスの事を呼ぶようになっていた。

 呼ぶようになったというより、そうさせられたと言った方が正しい。

 グレンを慕うアルヴィスは、グレンから「アルヴィス様、王子様」と呼ばれる事に対して不満を感じた。


 そしてその事をグレンに伝え、自分の事は〝アル〟と愛称で呼び敬語では無く、友達と話すような口調で話して欲しいと頼んだ。

 勿論、グレンはその願いを断ったのだが、そこで王妃であるリシアナが「グレン君、お願い」と王妃からも頼まれてしまった。

 挙句の果てにその会話を聞いていたラフィーナも、自分は歳下である事と自分もグレンを慕っているから敬語は無しで〝ラフィ〟と愛称で呼ぶようにお願いされた。

 王族三名から囲い込まれたグレンは、断るに断れない状況となり渋々承諾する事にした。


「アルの教育係には私から言っておくわ、だからグレン君。アルに魔法剣を教えてあげてくれるかしら?」


「……まあ、リシアナ様がそう言うなら良いですけど」


 王族の我儘は断れないと大体察したグレンは、拒否する事を諦めてそう返事をした。


「私もグレン様から何か教わりたいです」


「何かって、ラフィは剣術は得意じゃないのか?」


「女の子は剣を扱ってはいけないと、お父様が許してくれないのです」


 むっと頬を膨らませて、ラフィはそう言った。

 ラフィの言葉にグレンは、意外にもあの国王様は親馬鹿なんだなと少し感じた。


「まあ、でもそうなると俺が教えられる事は殆ど無いぞ?」


「グレン様は魔法も、得意だとお聞きしてますよ?」


「魔法に関しては国が教育係として雇ってる奴の方が、教え方とかは上手いと思うぞ」


「それでも良いので、グレン様が得意とする魔法を教えていただけませんか?」


 やんわりと断れないかと試したグレンだったが、ラフィは一歩も譲るつもりは無かった。

 そして結局、また断る事が出来なかったグレンだった。


「ああ、もうなんだが今日一日でどっと疲れたんだが……」


 王城での王子達との顔合わせから帰宅したグレンは、我が家のリビングのテーブルに突っ伏してそう文句を言った。

 王城での出来事をグレンの愚痴で聞いたニアは、「お疲れ様」と労いの言葉を掛けた。


「でも、本当に私ついて行っていいのかな? 何も出来ないよ?」


「今日話してみた感じ、国王も合わせて話しやすいからそこまで気負いする事は無いぞ……ただまあ、距離の詰め方が異常な事位だな」


「だ、大丈夫かな……」


「ああ、それとニアの事をアル達に話した時に俺が絶賛する程の料理が作れるって言ったら、ニアにも興味を湧いてたみたいだから、頑張れよ!」


 グレンのその言葉に、ニアは「えっ!」と驚いた顔をした。

 自分が犠牲になった事で、誰か道連れにしてやろうとしたグレンは一緒に来るニアを犠牲にしたのだ。

 その事に気付いたニアは、どうしてそんな事をしたの! とグレンに反論した。


「俺だけがあんな思いをするのは嫌だったからな、キャロルは最初にアル達に若干嫌われた事で意気消沈しててやる意味無いなって思って、的をニアに決めたんだよ」


「うう、私この間までただの孤児だったんだよ?」


「大丈夫だ。俺も元は教会育ちだからな」


「そうだった~……」


 グレンの言葉にニアは、若干泣きそうになりながらそう言った。


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― 新着の感想 ―
[一言] 王族距離感近すぎるだろ 身分差別とかが少ない国なのかな?
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