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第118話 【新生活・2】


 訓練場所を移して最初の方は、グレンや幹部達が班に一人ついて安全面を確保したうえで訓練を始めた。

 上の階層では無かった緊張感を持った戦闘訓練が始まった。

 元々、上位ランクの冒険者達は久しぶりの強い魔物に適度な緊張感を持ち訓練を始めたが、リックやニアといった下位の冒険者達は少し辛い戦闘訓練となった。


「やっぱり、あいつ等には少し辛い環境だな……」


「まあ、だけど良い成長の起爆剤になると思うぞ」


 ガリウスは心配そうにリック達に見つめ、グレンは逆に成長の良いアシストになるだろうと考えていた。

 それから少し時間が経ち、休憩を取る事にした〝シルバーナイツ〟は各班で別れて休憩を取る事にした。

 グレンはその休憩時間に、体調の確認と今の気持ちを聞く為に下位の冒険者達が集まってる班の所へと向かった。

 そうして話を聞きに来たグレンに対し、リック達は自分達の今の気持ちを伝えた。


「そうですね。今まで戦って来た魔物とは、格段に強さが上がってる感じがします」


 話を聞きに来たグレンに、まず最初に言ったのはリックだった。

 リックに続いて他の冒険者達も自分達の今の気持ちを伝え、殆どの者達が慢心していた気持ちを壊されたと同じような事を言った。

 冒険者達の今の気持ちと体調確認を終えたグレンは、リック達に「午後の訓練も頑張れよ」と一言言ってからガリウス達の所へと戻って来た。


「あいつらの様子はどうだった?」


「怪我を隠してる奴は居なかったよ。後、今の訓練の事に関しても自分達の慢心を壊されていい機会だと言ってたな」


「慢心か……確かに最近のあいつ等は上の魔物達と対等以上に戦えていて、少し油断してた時もあったからな。良いタイミングで場所を移れたみたいだな」


 ガリウスはグレンからの報告を聞いて、問題は無いみたいで安心してそう言った。

 その後、午後の訓練も始まり特に問題も無く、訓練場を移った初日の訓練は無事に終わった。

 グレンは訓練後、リック達の訓練に一時間程付き合ってから帰宅した。


「グレン、ご飯出来てるけど食べる?」


「ああ、食べるよ。いつも、ありがとな」


「ううん、これが私の仕事だし、グレンには良くして貰ってるから」


 グレンのお礼にニアはそう返すと一緒にリビングに移動して、ニアは料理を取りに台所へと向かった。

 ニアが向かって直ぐに、グレンの前にフレイナが現れた。


「グレン、ニアちゃんが来て本当に食事の時間を楽しむようになったわね。風呂の時以外、殆どそんな嬉しそうな顔見せなかったのに」


「やっぱり人に作って貰うのと自分で適当に作るじゃ、料理の満足度も違うんだなって再認識したんだよ」


「でも別にグレンも料理が下手なわけでは無いでしょ? 妖精界に居た時も作ってたよね?」


「自分の分だけしか作らないから適当に作ってしまうんだよ。別に不味くはないと自分でも思ってるが、ニアの料理には負けてるんだよ。それにあいつ、日に日に俺の好みの味付けに寄せて来てくれてるみたいだしな」


 フレイナの言葉に、グレンは台所へと視線を向けながらそう言った。

 それから直ぐにニアは料理を持ってきて、グレンは配膳の手伝いをして食べ始めた。

 今日の料理も最高の出来だと、グレンは口に入れた瞬間に思い食べ進めた。

 パクパクと勢いよく食べるグレンの姿に、フレイナとニアは笑みを浮かべた。

 

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