第116話 【帰国・3】
それから俺は、ニアを連れて家に帰宅した。
宿に泊る程、お金に余裕が無いと言ったニアは俺の手伝いをする代わりに俺の家に住ませて欲しいと頼んできた。
帝国から連れて来たのは俺だし、家の部屋は有り余ってるから良いかと思い連れて来たが、ニアは俺の家を見上げて固まった。
「ぐ、グレンってお金持ち?」
「まあ、Sランク冒険者だしな。金は正直持ってる方だな、取り敢えず家に入るぞ」
驚き固まってるニアを連れて家の中に入った俺は、妖精にお茶の用意をしてもらい今後の話を始めた。
「取り敢えず、クランに加入は出来たからこれからはクラン内で一緒に活動してくれる奴を探す事だな」
「ぐ、グレンも手伝ってくれる?」
「……ここまでやったし、別に良いが。本来は自分でする事なんだからな?」
「わ、分かってる。で、でも私今まで仲間を作った事が無いから、どう声を掛けたら良いか……」
「お前よくそんな性格で俺に物乞いしてきたよな……」
「あの時は本当に餓死しそうだったから……」
人が死にそうになると性格も変わるのか、そう思いながら俺はお茶を一口飲み誰にニアの事を頼むのか考えた。
そういや、リック達ってニアと殆ど変わらないランクだったが、ニアの性格で男だけのパーティーに入れるのは難しいだろうし……。
「取り敢えず、明日クランの奴等に声を掛けてみて仲間を探してる所があったら一度ニアを入れて話し合いの場を設けるから、その時はちゃんと自分で話すんだぞ」
「は、はい」
その後、ニアに家でやってもらう事の話になり、その際にニアに初めて妖精達の事を話した。
一緒に暮らすうえで絶対、会う事になるだろうから先に言ったのだが、ニアは初めて見た妖精達に「本当に妖精さんっているんだ!」と興奮した様子で妖精達を見ていた。
「グレン、紹介するのが遅いわよ。もうちょっと、早く紹介してよね」
ニアの前では隠れているようにといっていたせいで、紹介して直ぐにフレイナからそう愚痴られた。
それから話は戻り、ニアの手伝いの話に戻った。
「風呂は妖精達がしてくれるし、料理も基本俺が出来るしな……ニア。料理はした事あるか?」
「お手伝い依頼でやってたから、得意って程じゃないけどそれなりには出来るよ」
「そうか、それなら今日の夕食はニアに任せるから、それで味を見て決めるか」
「はい。あっ、それと装備の手入れも手伝い依頼でやってたから、グレンが使ってる装備の手入れも出来るよ」
「装備の手入れね。グレンって、あまり武器とかの手入れしてないし良いんじゃない?」
ニアの言葉にフレイナがそう言ってきて、俺もそれは有難いなと思い頼むことにした。
そうして結局、話し合いで決まったニアの仕事は料理当番(味を見て)、装備の手入れ、そして日用品の確認を頼むことにした。
最後に関しては俺が適当にバッと倉庫に入れたり、異空間に入れて無駄遣いしているとフレイナに言われ、付け加える事にした。
自分ではそこまで、無駄遣いしているつもりは無いんだがな……。
「それじゃ、料理作って来るね。材料は、適当に使って良いの?」
「ああ、保存の魔道具で肉も沢山あるから、適当に作って良いぞ」
そう俺が言うとニアは返事をして、数名の妖精と共に台所へと向かった。
そして30分程が経ち、妖精達共に料理を運んできたニアは、俺の前に美味しそうな料理を並べた。
肉が好きだと最初に聞いたニアは、俺の好物である肉を使った料理を用意してくれたみたいだ。
「美味しそうだな」
俺はそう言って、口に料理を運ぶと自然と「美味いな」と言っていた。
その言葉を聞いたニアは、ホッと胸を撫でおろした。
その後、俺は夢中で料理を食べ進め気付けば食べ終えていた。
「ど、どうだった?」
「ニア、料理当番採用だ。お前の飯、凄く美味かったよ」
「よ、良かった~」
改めて俺から美味しいと聞けたニアは、嬉しそうに笑みを浮かべた。
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