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第103話 【発散・3】


 それから俺は、ガリウスから迷宮でどんな戦闘をしてきたのか聞かれたので、取り敢えず魔法剣の訓練ついでに色んな魔物と戦って来たと伝えた。


「ふむ、戻って来てから顔つきが大分スッキリしてたから、良い感じに発散出来たんだろうなって思ってたけど、随分と暴れて来たみたいだな」


「犯罪者を捕まえる時とかはどうしても殺さない様にって、加減をしてたから思う存分戦えてなかったが、今回はそれが無くて思う存分好きなように戦って来たからな」


 実際、あんなに気分よく戦闘が出来たのは久しぶりに感じがする。


「それで、そのスッキリした頭で今後どう動くのかはもう考えたのか?」


「……まあ少しはな、ティアさん達にも話をしてから動こうとは思ってる。色々、心配させてすまんな」


「それもリーダーとしての務めだからな、また何か困ったら何でも言えよ。お前は、直ぐに溜める癖があるからな」


 ガリウスからそう言われた俺は、思い当たる節というかルドガー達にも言われた事があってその言葉に反論出来なかった。



 その後、グレンはリーダー室から退出してクランの倉庫へと移動した。

 そこで待っていた鍛冶師達の前に、グレンはボロボロの状態で取り敢えず回収をした魔物達の素材を渡した。


「グレンさん、これならまだ使えますよ! 持ってきてくださり、ありがとうございます!」


「そうか、それなら回収して来た甲斐もあったな」


 鍛冶師のリーダーである男は、素材を確認すると笑みを浮かべてそう言った。

 それからグレンは、倉庫へと素材を全ておいてから、鍛冶師達に感謝されながら帰宅した。

 帰宅後、いつにも増して疲労が溜まっていたグレンは、妖精に頼み風呂を沸かしてもらい、いつもなら食事の後に入るのだが今日は少し早い時間帯に風呂に入る事にした。


「ふぅ~……やっぱ体を動かした後の風呂が一番気持ちいいな~」


 グレンは湯船に肩まで浸かり、足を伸ばしながらそう言った。


「グレン、それでこれからどうするの? まだ王都の調査を続けるの?」


「一応、門の出入り状況はこれまで通り調査を続ける予定だけど、王都内を調査するのはもうやめるよ。結局、アジトらしき所はあの家だけだったし、人の出入りさえちゃんと見て居れば大丈夫だと思うからな」


「そう。それじゃ、次は私達は何をしたら良いのかしら?」


「ああ、一応ティアさんに許可は貰う予定だが、一回帝国に行こうと思ってる」


 フレイナの質問に対して、グレンがそう答えるとフレイナは驚いた顔をした。


「戦争するつもりなの?」


「それはするつもりは無い。何も関係ない人も巻き込む事になるからな、本当に調査に行く予定だよ。名目は、帝国にある迷宮の探索ってすればいいしな」


「……それで本当には入れるのかしら? 帝国が抱え込んでる組織に喧嘩してる相手よ?」


「ああ、だが向こうには俺達が気づいてる事はまだ知られてない筈だし、仮に知られていても俺一人で行った所で事を起こす事は無いと思うんだよ」


 グレンの言葉を聞いたフレイナは、難しい顔をしたままだった。

 その後、1時間程が経った頃に風呂から上がったグレンは、夕食を食べて体を動かしたせいか睡魔に襲われ、いつもより早い時間帯に眠りについた。

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