表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無心少女  作者: 霧雨
8/10

第8話 少女と再会

キーンコーンカーンコーン…


 周りの蔑むような目と気色の悪い笑い声がこの音と共にピタリと止む。学生は授業中は苦手という人がほとんどだと思うが、私はこの時間が好きだ。


 幸い…と言ってしまったら違う気もするが、友達も居なく、自由時間にはあんな感じなため、授業中にしか自由になれる時間が無い。そのため、勉強は好きな部類に入る。その上、壊滅的に頭が悪い訳でもないし、むしろいい方なので勉強は楽しい。


 教科書を読んでいると教室のドアが開き、担任の先生ともう1人先生が入って…は?


「おー!咲命やないか。朝ぶりやなぁ!」


 いや、なんであんたがここにいる。あと、さっきからうちの担任の目がハートになってる気がするのだが……。


「あっらぁ!咲命さん、こんなイケメンが居たなら教えてくれても良かったのに〜。」


 忘れていた。このおば……いや、担任が無類の面食いであることに。明教さんは普通の人から見ればイケメンの部類に入る。間違いなく。


「じゃあ、田中先生。自己紹介お願いしますぅ。」


 おい、声伸びて猫なで声になってるぞ、担任よ。気持ち悪い……。周りの様子を見てる限りでも、呆れた目で担任を見ている生徒がほぼであった。


「あ、改めて、田中明教って言います。そこにおる咲命は俺の従姉妹やから、仲良うしたってくれると嬉しいわ!俺は日本史の担当だからな!みんなよろしく!」


 ――最悪だ。なんでこの人はそんな事を言っちゃうのかなぁ……。視線が一気にこっちへ向いたような気がした。はぁ、私はいい意味でも、悪い意味でも目立ちたくないのだが……。


「じゃあ、自己紹介はこのくらいにして……1限目は数学IIだからねぇ。準備してよ〜?」


 この系統の上機嫌のときの担任は決まって私にしか当ててこない。なんで喋らなきゃいけない?なんで…みんなの注目を浴びなければならない?良い意味での注目なら幾分かマシなのだろうが、私の場合は嫌な目線で見られるだけ。不快でしかない。


 この後、めんどくさい展開になるってことが嫌でも分かり、深い溜息を吐いたと同時に、1時間目の授業開始のチャイムが鳴り響いたのだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ