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無心少女  作者: 霧雨
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第7話 少女と教室

 教室に着くと、案の定机の上には汚く醜い落書きの塊とどう見ても意図的に置かれた紙くず、椅子の上には画鋲が容易に取れないようにテープで止めてあった。


 こんなことして先生にバレたらどうするんだ…って常人なら思うだろうが、これには先生も関わっている。臆病でめんどくさいのが嫌いなのかなんなのか知らないが、見て見ぬふりを決め込んでいるのだ。


 椅子だけは持っていたカッターでテープを断ち切り座れるようにしたので座ったら、いじめの主犯格、水無月小明(みなづきあかり)と取り巻き数人が私の机の前に来た。毎回毎回その労力を使うくらいなら、他のことに充てればいいのにと思う。


「あっれ〜、また来たの?懲りないねぇ。先週あんだけやったんだから、もう引きこもって出てこないかと思っていたのに。」


 懲りないのはどっちなのだろうか。まぁ、こんなことを言ったらかえって怒りを買い、事態が悪化するだけだから黙っているが。


「あとさぁその机の汚れ、始業前に片付けておけよ?もし、わたしに疑いがかけられたらどうするのぉ?」


 あと、お気づきだろうか。取り巻きがいるのに誰一人として賛同意見も、笑ってもいないことに。実は皆、水無月小明が怖いから、自分がターゲットにならないように必死なのである。このクラスには臆病者しかいないのだろうか。


 おそらくだが、この机も椅子も水無月小明がやったものでは無い。彼女の〈指示〉のもと取り巻きがやったものだろう。そして、仮にバレたら実際にやった者を犯人に仕立てあげ、その人を悪者にする…。典型的な弱者のやり方だ。


 取り巻き以外も自分と絡めば、ターゲットにされると思い込み無視や見て見ぬふりをする者ばかりだ。クラス全員でいじめをしてるのと変わらない状況に酷い吐き気を覚えながら、廊下へ雑巾を取りに行き、ゴミを捨て、落書きを綺麗にし一通り綺麗にしたところで席に着き、チャイムを待つことにした。


 やはり、この空間は異質で気持ちが悪い。今日はこれ以上何も起こらなければいいんだが…。やっぱりここ(学校)は好きになれそうにない。







 このときは思わなかった。今日のホームルームがこの後の私の人生を大きく変える出来事になることを。

同姓同名の方がいらっしゃいましたら、とても不快な思いをさせてしまうと思います。申し訳ございませんが、お許しくださいませ。

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