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六花立花巫女日記 外伝  作者: あんころもち
12.因縁
97/952

譲れないモノ

A,C, 27/03/07



 昨日の疲労を少しばかり引き摺っているようです。瞼が重いと感じるのは、初めてかもしれません。とはいえ、リッカさまより先に起きてしまいました。今日はもしかしたらと、思ったのですが。


「ふふ……。もう少しお預け、ですね」


 今日も私が、リッカさまの寝顔を堪能させて貰います。ライゼさんが居ない分、私達が駆りだされるでしょう。ゆっくり、お休み下さい。




 日課を終え街に出ます。”神林”で行っていたものより、ずっと質の高い瞑想が出来ています。やはり、想像だけでは限界がありますね。実態を知り、明確な想いが生まれた今でないと、効果がなかったようです。


 日課の反省も程ほどに、街に目を向けましょう。街中に居る冒険者の数が少ないように感じます。最近は特に、出動が激しいようですね。となると、ドレッドが言っていた、マリスタザリアが少ないという言葉が引っ掛ります。


「忙しい、みたいだね」

「その様です。しかし今の慌しさは何処か、別の物を感じます」

「うん。マリスタザリアが出たっていうより……」

『何だろう。お祭り前、みたいな』


 今の時期にお祭りはどうかと思いますが、実際そんな感じの慌しさです。私はお祭りというのがどういった物かは知りませんが、慌しさの中に『楽しみ』といった、胸を躍らせるような雰囲気があるのは分かります。


 マリスタザリアが増え、ギルド――私への強襲が行われたばかりなのです。そんな中でお祭りを行いたいというのであれば私は、街から出るべきなのかもしれませんが……。


(私狙いならむしろ、待ち構えた方が防衛しやすいです)


 人の往来が増え、通りが活発になります。そんな時私がうろついていたら、余計な被害が出るかもしれません。王都内ならばマリスタザリアが出る事はありません。そうなれば人を送り込むしかありませんが、人相手ならどうとでも対処出来ます。


(まだ確定した訳ではありませんが、『感染』重篤者も、”浄化の世界”ならば浄化出来そうですから)


 魔王産と思われるマリスタザリアは魔法を使えるかもしれないのです。牧場で見たあの、”炎の壁”。あれを来場者に向けられるのだけは避けないと。


「ただでさえ人手が足りないのに、この冒険者減少……私達が頑張るありませんね」

「そうだね。ライゼさんが担ってた部分を、私達でやろう」

「はいっ」


 私達が居るから安心。そう思って貰えるくらい、頑張るのです。今まで以上に忙しくなるでしょうが、完遂しましょう――。

 


 そう息巻いたのですが、ギルド内に不穏な空気が漂っていました。もしやまた襲撃かと思ってしまうくらい、重苦しい物です。


「なんだ餓鬼。俺は売られた喧嘩は全部買うぞ」

「はァ、これだから野蛮人ハ。お兄さんが先にぶつかって来たんじゃないですカ。謝るのはそっちでス」

「小せぇから見えなかったすまねぇ、っつっただろうが」

「それで謝ってるつもりなんですカ?」


 見覚えのある二人が言い争いをしていました。性格の問題なのか、根本から合わないのか、どちらも譲れないようです。

 

「お二人共、お辞めください。そろそろ巫女様たちが来ますから」


 アンネさんは、私達の到着でもってその場を収めようとしているようです。であればすぐにでも声をかけましょう。本当はあまり、近づきたくないのですが。


「アンネさん。おはようございます」

「おはようございます」

「おはようございます。お二人共」


 アンネさんの安堵した表情が、この場の険悪さを象徴しています。一体どれ程の間、喧嘩し続けていたのでしょうか。


「あぁん? なんだ、おめぇらも選任だったのか」

「えぇ、アンネさんが担当です」


 ライゼさんの弟子が、私達に怪訝な視線を向けています。誰にでも噛み付く獣のような人ですね。とりあえず、”魔女”との喧嘩を止めてくれたようなので、それでよしとします。


「挨拶の前に、アンネさん。昨日診察した大男の男性。彼が敵に全く会わないと言っていたのですけど。何があってるんです?」


 喧嘩は止めても、”魔女”の言い分は終わっていません。その流れを止めるように、リッカさまがアンネさんに尋ねました。もしあの子が”魔女”ならば、この話がどれ程重要か分かってくれるはずです。


(まだ話は終わってないんですけど、お馬鹿やってる場合ではないですね。共和国情報部からマリスタザリアが増えていると聞いています。なのに減っているという人が居る。昨日も出動した身としては、信憑性に欠けますね。であれば、出現に何かしらの規則性があるのではないでしょうか。例えば――魔王による威力偵察、とか)

「あの方がそんなことを? 昨日も何体か確認できています。小型のものであった為、他のチームだけで対応出来ましたが……」

「そうですか、ありがとうございます」


 ドレッド以外は出会っている――という訳でもなさそうですね。単純に探す場所が見当はずれだった、という事でしょうか。何にしても……マリスタザリアの動きには細心の注意を払うべきでしょう。”悪意”があれば何処であっても、動物さえ居ればマリスタザリアは出ます。そんなマリスタザリアの出現を操れるとすれば、魔王以外ありえませんから。


「赤のお姉さン、巫女さン。始めましテ」

「昨日の子ですね。始めまして、アルレスィア・ソレ・クレイドルです」

「六花 立花です。はじめまして」


 試すような視線です。私達が信頼出来るかどうか、吟味しているのでしょう。それは私も同じなので、流れに任せます。


「ご丁寧にありがとうございまス。私はレティシア・エム・クラフトでス」

『れ、れて……れち……』

「よ、よろしくお願いします。れて……しあさん」


 リッカさまの気懸りは、これもそうでした。発音練習の時間を取りたいと当初から考えているのですが、中々……。しかし、久しぶりに聞くとやはり……かわいい。


(リッカさまの可愛さに心奪われてしまいましたが、やはり”魔女”レティシアさんでしたか)


 共和国に伝わる『エム』という言葉は、『ソレ』と同じく特別な意味を持ちます。私の名前に入っている『ソレ』とは”巫女”を表す言葉で、『エム』は”魔女”という意味を持ちます。


 『ソレ』は”巫女”になった瞬間名乗る事になるのですが、『エム』は共和国王から任命されると聞いています。歴史は浅く、先々代の共和国王が任命したのが最初らしいです。


 初代『エム』は、他国への威嚇でしかなかったとアルツィアさまは言っていました。土地的に豊かとは言えず、人も物資も少ない共和国が攻め込まれないように、強力な魔法使いが居るという話を流したというのが始まりです。


 ただでさえ少ない物資を奪われぬよう、費用対効果を考えさせるような情報操作の一環であったらしいです。偽装や諜報という、情報戦の面で共和国が優れていたお陰でしょう。


 ただ、今の『エム』は嘘ではありません。大っぴらに警戒される事はありませんが、西の大国――グルレル連合国がフランジール共和国に攻め込めない理由が、レティシア・エム・クラフトの存在なのです。


 もし”魔女”の伝説がなければ、連合は共和国を攻め込んでいたでしょう。特に今の共和国は、王国に匹敵する大国ですから、喉から手が出るほど欲しいはずです。


「リッカさまは、この世界の名前の発音が苦手なのです。どうかご容赦を」

「違う世界から来たってことですシ、気にしてませんヨ。赤のお姉さン。どうぞ、シーアとでも呼んでくださイ。女王様は私をそう呼びまス」

「ありがとうございます。シーアさん……。女、王?」


 ”魔女”という名を持ち、世界各国の軍と情報、諜報部が恐れるレティシアさん――シーアさんは、噂の大きさに反して心優しく、配慮の出来る方のようです。


 リッカさまの舌足らずが何故起きているのかを理解し、すぐさま対策を取ってくれて、感謝しかありません。お陰でリッカさまの羞恥も、そこまでの広がりを見せませんでした。


(どこぞのお師匠さんとは大違いです)

「女王様については後ほド。呼び方ハ、巫女さんは巫女さんですけド。赤いお姉さんははなんと呼べばいいですカ」


 私の呼び方は自由で構いません。ただ――アリスという名は、両親がつけた愛称という認識でしかありませんでしたが……今では特別な意味を持っていますので、ご遠慮下さい。


「リツカが名前ですので。そちらでお願いします」

『リッカは、アリスさんだけのモノであってほしいと、想ったり』


 特別な呼び方、やっぱり嬉しいって思って――。


「はイ。リツカお姉さン。今日から合流しますネ」

『お姉さん、って呼ばれるのは初めてかも。姉っぽい人は身近に居たけど、妹っぽい子は居なかったし。ちょっとむずかゆかったり』


 お姉さん……。シーアさんは、リッカさまに何か特別な物を感じているのかもしれません。でないと、お姉さんという呼び方をしませんから。


「――はい、心強いです」

『巫女さんの様子がおかしいですね。もしや? このお二人、ただの巫女仲間という訳ではなさそうですね』


 しかし、お姉さん……。リッカさまを、お姉さんと……。平静を装って返事をしましたが、シーアさんの目が光ったところを見ると、私の感情の揺れに気付いたようですね。


 やはり侮れません。魔法の腕、政治手腕、状況判断能力、そして観察眼。共和国の神童は、別格のようです。ですが、私の全てを覗く事は出来ませんよ。私を見通せるのは、リッカさまだけです。


 リッカさまがお姉さん呼びに言及しないので、私も言いませんが……()()()()になった時は、止めますからね!


「お二人ハ、そこのお兄さんと違っテ、私を子供とは侮らないんですネ」

「見た目は確かに私たちより幼いですけど、魔力や佇まいを見ると、私より実戦積んでますよね」

「そうですね……。私たちが実際に戦ったのはまだ数回ほど。シーアさんほど戦いに慣れていません」


 リッカさまはシーアさんが”魔女”という事を知らないだけでなく、”魔女”という存在も知りません。ですが、シーアさんがどれだけの戦闘経験を積んでいるか、一目見れば分かります。


 私達の戦場はマリスタザリアを想定し、それに特化しています。とはいえ、リッカさまは全ての状況に対応出来る技術を持っていますが……実戦経験はマリスタザリア数体のみです。私に至っては、まともに戦った事がありません。


 ですがシーアさんは、対人もマリスタザリア戦も、私達の比ではない程に経験しています。経験がどれ程重要か、ライゼさんとの修行で痛感してしまっている私達としては、シーアさんを侮るなんてありえません。むしろ戦場で助言を乞う事も多々あるでしょう。

 

「アンネさン、すごくやり易そうでス。お二人と一件ほど任務に就きたいのデ、お願いできませんカ」

「はい。それは構いませんが、お二人もよろしいのですか?」

「ええ、ぜひお願いしたいです。リッカさまもよろしいですか?」

(リツカではなくリッカ呼びですか。親密な人にのみ許された呼び方――ではなさそうですね。()()()()()と私みたいな、特別な繋がりを感じます。これは()()()()()ね)


 作為的な流れを感じますが、お互いの実力は早めに確認しておきたいというのは事実です。実戦経験の差はあれど、私達は戦力になると見せておきたいです。ライゼさん同様、シーアさんも魔王を想定して此処に居るはずですから、信頼関係を築けるかもしれません。


「うん。よろしくお願いしますね、アンネさんシーアさん。ところで女王様って――」

「おい、ライゼの知り合い」


 リッカさまは、シーアさんと女王陛下の関係が気になっているようです。シーアさんのプライバシーに関わる事ですし、私から話す事ではない、のです。本人が居るので、本人に尋ねるのが一番なのですが――ライゼさんの弟子が話を遮りました。


 先程からずっとリッカさまを睨んでいたのを、一生懸命、心を無にして無視していましたが、リッカさまにちょっかいをかけるようであれば、”光”を撃ち込みます。その気性の荒さ。”悪意”かもしれませんから。


「はい、どうしました」

「ライゼは今日も来ねぇのか」


 ここまでライゼさんに固執しているのを見てしまうと、関係ないと切り捨てるのは難しいですね。少々気になってしまいます。


 軟派な所がありますが、ライゼさんは理想的な指導者です。観察眼と考察力に優れ、過ちを指摘する言葉は清清しい程に短直。しこりを残すような言動ではありませんから、恨まれる事は少ないはずですが。


「私の武器を作ってくれてます」

「あん? てめぇの?」


 リッカさまの腰を視ながら――と言ってしまうと語弊がありますね。剣を見ながら訝っているようです。「立派な剣があるじゃねぇか」ですか。初日の武器屋の店主を思い出しますね。


「この腰の剣も大切なものですけど、私が欲しいのは斬れる刀ですので、それを作ってもらってるのです」

「……ライゼみてぇにこっちの先をいきやがる。気にいらねぇな」


 考えを読まれた事が気に入らなかったようです。視線や目、瞳、口等の動き全てが物語っていました。それで読むなという方が難しい程、分かりやすかったです。随分と、気難しい方ですね。


 リッカさまは初めから、刀を作る為に鍛治師を探していました。集落の剣が大切な物になってしまった経緯を思うと複雑ですが……そこに込められた想いを考えると、胸の奥が熱くなってしまいます。リッカさまの、強い覚悟……なのですから。


 お弟子さんの諸々は気になりますが、個人的な事情でしたら待ってもらう他ありません。

 

「今は私を優先させてもらいます。魔王がいつ攻めてきても良いように」


 どんなに複雑で、一分一秒を争う因縁が師弟の間であろうとも、世界を背負っている私達を優先させる事に後ろめたさはないのです。


「あぁ、四日後っつって身を引いたからな。それは守ってやる。だがそれ以降は俺の好きにやらせてもらう」


 自身の立場を明確にしながらも、理性的な判断を所持しています。”悪意”はありません。こんなにもメラメラと闘志を見せ、誰彼構わず噛み付かんとする性格を持っていながら、今の王都で”悪意”に『感染』していない、のですか。


(まだまだ、”悪意”の研究が必要みたいですね)

「ありがとうございます。よろしければ、お名前を教えて頂けませんか」

「あぁ、いいぜ」

(これはまた、一波乱ありそうですね……。リツカ様にこの方の名前は……)


 お弟子さんはニヤリと笑い、アンネさんはため息を吐きました。間違いなく、お弟子さんの名前には小文字が――。


「俺は、ウィンツェッツ。名字は言いたくねぇ。まぁ、好きに呼んでくれ。どうせ赤いのは言えねぇだろう」

「……」


 リッカさまが顔を押さえて項垂れてしまいました。


『また、言えそうにない名前。というより、明らかに私に対するあてつけ……』

「……ウィンツェッツさん。お戯れはそこまでにお願いします」


 リッカさまが発音を苦手としているという話、ちゃんと聞いていたようです。目の前で会話していたのですから当然と言えば当然ですが、変な所で機転の利く方です。


 ただ単純に発音が苦手という訳でも、人名が苦手という訳でもありません。アンネリスやライゼルトといった名前はしっかり言えます。リッカさまが苦手なのは人名の発音。アルレスィアやレティシアといった、小さい文字が入る人名の発音が苦手なのです。


 これは完全に、向こうの世界にない発音法だからでしょう。本当ならアルツィアさまの”翻訳”が効いて然るべきなのですが……何故か人名だけは”翻訳”を切っているのです。


(その理由に予想はついていますが、リッカさまが困っているので、融通を利かせて欲しいのです……魔法詠唱のように)


 詠唱はしっかりと、流れるように、歌うように出来ています。何度でも聞きたいくらいです。粛々と、力強く、想いを込めて告げられるリッカさまの詠唱はさながら――聖歌です。


 詠唱には個々人で癖が出ますが、リッカさまの詠唱は願うような言葉が発せられます。戦いを好まないリッカさまですが、使える魔法の殆どが戦闘向きです。そんなリッカさまが願うのは――平和な世界。


 その願いはどこまでも高く、貴いのです。一夜だけでしたが、詠唱を必要としない程の、想いの強さ。誰よりも平和を望み、創ろうとしているリッカさまを馬鹿にするのは、誰であっても赦しません。


『こんな、抜き身のナイフみたいな人とアリスさんを対立させる訳には……。アリスさんが危険になるかもしれない行為は、極力排除しないと……んんー……』


 お弟子さんにしっかりと反撃して、この場を収める最善手を探していたリッカさまの、手で覆われている瞳が光ったように感じます。


「アリスさん、大丈夫。改めまして、六花 立花です。ライゼさんの弟子に、先日なりました。よろしくお願いします。兄 弟 子さん」


 どうやら、ライゼさんの弟子と呼ばれるのが大嫌いなお弟子さんに、この呼び方。かなり効くのではないでしょうか。

 

「だから、弟子じゃねぇ。つーか、アイツの弟子だと……?」

「分かってます。兄弟子さん」


 どんどん不機嫌になっていっていますが、好きに呼べといったのは兄弟子さんです。間違いではないのでしょうし、兄弟子で固定しましょう。


「……リツカお姉さんっテ、根に持つのですネ」


 心底面白いといった様子で、シーアさんが笑いを堪えています。大人っぽく、落ち着いた雰囲気で、こういった事をするイメージのないリッカさまによる反撃ですからね。兄弟子さんの大人気ない行為くらい、余裕で流すと思ったのでしょう。


「えぇ、それが可愛いんですよ?」


 ライゼさんにも言いましたが、リッカさまは基本的に落ち着いています。ただ、百五十センチと少しの身長と、この世界の人達とは違う丸みを感じさせる顔は、幼さを強調してしまっています。それを覆す為の大人っぽい雰囲気が、リッカさまの普段の姿です。一線を越えない限りは、兄弟子さんのような物言いをしようとも流します。


 ですが、リッカさまの本当は今の姿です。お茶目で好奇心旺盛で、負けず嫌い。偶にしか見る事が出来ませんが、この姿が可愛くて仕方ないのです。


(大人っぽい姿も当然、ドキドキさせられますけどね)


 リッカさまがこの姿を見せるというのは、今この場は緊張する必要のない場、という認識になりかけている証拠と思って頂いて構いません。


 兄弟子さんからすれば面白くないでしょうけど、リッカさまの脅威になりえないのですから諦めて下さい。一線を越えれば、脅威の有無は関係なく制圧されるでしょうから、気をつけた方が良いとは思いますが。


『はわ……』


 兄弟子さんのイラつきが更に大きくなっていますが――何故か手に覆われたリッカさまの顔がみるみる紅潮していってました。


(面白いお二人ですね。特に巫女さんは、もっと堅苦しい方と思っていたのですが)


 クふふふ、と少し癖のある笑い声が聞こえました。どうやら、シーアさんから発せられたようです。今の状況でなければ、可愛らしいなぁとか、何故笑ってしまったのだろう、くらいの感想を持ったでしょうけど、リッカさまが中々表情を見せてくれないので、次第に私は焦り始めてしまいました。



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