記入日 A,C, 27/02/28
硬い地面に、薄い寝袋を敷いただけの寝床。彼女の体調に変化がないかとしっかりと視たが、特に変化はない。彼女の体は健康そのもの。体が頑丈というより、使い方を知っているといった感じだ。
野宿は問題なさそう。
彼女は余り夢を見ないらしい。だけど、今日は夢を見る日だった。
夢の中で彼女は、私と一緒にアイスを食べていた。向こうの世界で、彼女と一緒に。
そこで私はー―彼女と、食べさせ合いをしていた。彼女からアイスが差し出され、食べ。私が彼女にアイスを差し出し、食べ。
彼女の夢……私も、それをしたいと、思った。向こうの世界では無理かもしれないけど、いつか、この世界で……っ。
今日の行程としては、彼女の魔法の確認と王都の説明だ。移動が主で、特に変わった事は無い。
マリスタザリアも、今日は出なかった。私達以外の人と合わなかったからだろう。動物すら見ていない。
でもきっと、他の所で出ている。彼女が知らない所で、犠牲が出ている……。彼女はきっと、それに思い当たれば、傷つく……っ。
彼女の夢が夢のままにならないように、頑張る。実現してみせる!
今日も、彼女は私に……抱きついて眠ってくれるだろうか。そうして欲しいと、思う。私の感情抜きにして、彼女が安らげるのなら、いくらでも抱いて欲しい。
今日やっと、気付いた事がある。
彼女は私に、日記を書いている所を見せない。
今、彼女は……少し遠くに離れて、ひっそりと日記を書いている。彼女は、私に日記を書く所を見せたくないようだ。
その理由が……分かった。彼女の震える肩が、教えて、くれた……。
彼女はこの世界を、純粋に、真剣に、本当に楽しんでくれている。でも、日記を書く時……ふっと、現れるのだ。これから先への不安や、この世界を進む以上避けられない戦いが、現れる。それに、直面してしまう。
私にだけは絶対に知られたくないと思っている、彼女の秘密。一番支えたい時に私は、見る事しか、感じる事しか、出来ない。
だから今日は私が、彼女を抱き締めようと思う。自分からは理由が無いと出来ないけど、今だけは私から出来ると思う。
貴女さまの傍には常に私が居る。どんなに体が離れようとも、私の心は貴女さまを抱き続ける。
ですからどうか……安心して? 安心して、眠って、ね。




