花④
二件目の一般依頼である、加工場のお手伝いを行う為に牧場にやってきました。マリスタザリアが一度出ていますし、”巫女”への依頼として組み込まれているのですから、護衛も兼ねてのお手伝いなのかもしれません。
『牧場かぁ。あの日から私、何も学んでなかったんだなぁ……』
ご自愛して欲しいと頼んだのですが、結局の所牧場では深入り出来ずに、改善とはいきませんでした。その後港でやっと、私の気持ちを少しだけ話せましたが……もし、ライゼさんが居なかったら、私はリッカさまに……素直に話せたでしょうか。
(多分難しい……ですね)
「加工場、ですか。あの時を思い出します」
まだ、ちゃんと戦えると想っていた時です。実際は全然足りませんでした。”光”の強さも、”盾”の選択も、”拒絶”の設定も、どれも甘かったと痛感しました。私は根本的に、戦士になりきれていなかったのです。
「そうだね……あの時よりは、ちょっとは成長できてると思う」
「えぇ、リッカさまはちゃんと成長してます」
「うん……ありがとう」
微笑み合いながら、私はこう想うのです。私はちゃんと、成長出来ているのか、と。あの頃よりも私は、戦士で居られているでしょうか。貴女さまにだけ、強いていないでしょうか……。
牧場に到着しましたが、加工場に向かう事が出来ませんでした。何故か酪農家の方達が全員で、牧場の入り口で待っていたからです。
「ようこそ、いらっしゃいました。巫女様方」
一応、一般依頼という形で私達は来ています。”巫女”である事に変わりはないのですが、依頼側がここまで畏まる必要は、ないはずです。というより元々……”巫女”に畏まる必要はないのですが……。
「本日は、加工の手伝いをしていただけるとのことで、ありがとうございます」
(本当に、加工場のお手伝いという依頼だったのでしょうか)
アンネさんの様子から考えるに、加工場の依頼は調整出来ない物だったはずです。ですからこの依頼は、重要度が高い事になります。だから護衛も含んでいるものと思ったのですが……。
「お手伝いというのは建前でございまして。本当は……あの時のお礼をしっかりしたいのです」
やはり……建前、でしたか。お礼はあの時受けた物で充分と、お伝えしたはずです。
(それに、今のリッカさまにお礼を言うのは――)
「お二人は、当然の事と仰りました。冒険者の試験で偶々だったからとも。ですが、我々が救われたのは事実なのです。巫女様が盾を作ってくださらなければ、誰かが死んでいたでしょう。赤の巫女様が迅速に倒してくれなければ、マリスタザリアが増え、更なる被害が出ていたでしょう。我々だけでなく、多くの命が失われたかもしれないのです」
迅速な対応が出来たのは、酪農家達の経験もあったのだとも……お伝えしていたはずです。
「感謝と共に、謝りたいこともございました。赤の巫女様を、剣士様とお呼びしてしまいました。申し訳ございませんでした!」
『剣士なのは、間違いじゃないから……謝らなくても、良いのです、よ?』
「我々一同、ずっと感謝と謝罪をしたかったのです!」
本当に真っ直ぐな、感謝と謝罪です。普段であれば、誇らしく、嬉しいと……素直に受け取る事が出来ました。
『ああ――私はなんて……身勝手で不誠実なんだろう……。勝手に解決した気に、なって……』
ですが……私が過去を悔いていたように、リッカさまもある事を悔いているのです。
「リッカ、さま」
私はリッカさまの頬を、撫でます。溢れてきているものを拭いますが――止まりません。
「あ、れ……? なんで――っ」
自身の瞳から零れているものが信じられず、リッカさまは隠すように顔を両手で覆いました。それでも……リッカさまの頬には――涙が、見えています。
「あ、あの……巫女様。赤の巫女様は」
「申し訳ございません、説明することはできません」
突然泣き出したように見えてしまい、酪農家の方達は驚いた事でしょう。ですが、詳細を話す事は……出来ません。私の口からは、言えないのです。
「ですけれど、皆様のせいではございません。リッカさまは決して、皆様の行いに傷つき涙を流しているわけでは、ございません」
謝罪や感謝をされて、傷ついた訳ではありません。嬉し涙かと言われると、そうでもありません。リッカさまは――恥じているのです。悔いているのです。
あの日、牧場で……リッカさまは私を守る為だけに剣を振るってしまった、と。怒りに任せ、最善の一手を行えなかった事で、無用な混乱を招いた、と。私との反省会でそれは終わりと思ってしまった事を……恥じているのです。
酪農家の方達も、もしその場にライゼさんやシーアさんが居ても、何も疑問に思わないはずです。大切な人の為に奮う剣こそ、二人にとって最も輝かしいもの。リッカさまがあの時見せた怒りと技は、興奮する事はあっても呆れる事はないでしょう。
ですがリッカさまは、それではいけないのだと、思っています。私が、そうさせてしまいました。
”巫女”とは”人”の為に在るのだと。”巫女”として”お役目”を果たし、世界に平和を、と。リッカさまはその言葉を重く受け止め、そう在ろうとしてくれています。
だから、一人の為に剣を奮った所為で……戦闘が長引いた事を悔いています。酪農家の方達が危険に晒された事を謝罪せず、むしろ感謝と謝罪までしてもらった事を恥じています。自分は不誠実なのに、それを受ける資格はないと……。
恐怖心を誰よりも知るリッカさまは、他者の恐怖心にも敏感です。そして、それを取り除きたいという優しい想いも強いです。私はそれを……リッカさまの深奥を理解しきれず、早まってしまったのです。
「――……なさい。ごめ、んなさい。ごめんなさいっ」
リッカさまが謝罪を繰り返します。溢れてくる涙が、リッカさまの秘密を抉じ開けようと、しているようです。リッカさまが謝る事はないのです……。そんなに、自分を追い詰めないで……。
多くの人が一切気にしないであろう事です。”巫女”に人助けをする役目なんて、元々ありませんでした。私達が最初の一人。いえ、一組になろうとしています。しかし人助けをするのは選任含む冒険者です。そして多くの冒険者は給金を求めて命をかけています。
中にはライゼさん達のような方も居ますが、ライゼさん達の根底にも、大切な人の命や想いを守りたいという個人的な考えがあるのです。リッカさまの行為は間違えていません。
私が、変えてしまったのです。私がそう在ろうとしたが為に、リッカさまもそう在ろうと、してしまったのです。しかも私よりもずっと、自分を追い込む形で……。
(であれば私が元に、戻すしかありません)
そう気付くまで、こんなにも時間が掛かってしまいました。
私達は確かに、世界の為に動いています。”お役目”を完遂させるには、個ではなく全体を見なければいけません。ですが――事を成そうと想うのなら、私達はお互いを尊重して良いのです。
『倒す事でしか、守れないのに……それすらまともに出来ずに……っ……。私に、感謝を受ける資格なんて……』
「リッカさま」
崩れそうになっているリッカさまを抱き締め、間違いを正します。今度はちゃんと、私の口から言いましょう。ライゼさんや他人に任せません。私がしっかりと、リッカさまの心を救うのです。私が作ってしまった、リッカさまの重圧を解すのです。
「それで、良いのではないでしょうか」
他者の為に、命を懸けることを躊躇しないリッカさまは、高潔です。尊敬出来る方です。ですがそれを、他者が求めるのは違うのです。リッカさまが己の意志で行うからこその物です。他者に求められて行う救世は、犠牲です。
ではリッカさまの行為は何と言うのか、ですが。私は貴女さまの行為を、献身と想っております。私が助けて欲しいと、願いました。ですがリッカさまは、選んでくれました。そして、自らの意志で私を守ると、誓ってくれました。
いくつもの約束を重ね、複雑に入り交ざってしまい……リッカさまの想いは難易度を上げています。それは私にとって悲痛ではあるのですが……私は確かに、嬉しかったのです。それを犠牲と吐き捨てたりしません。貴女さまの想いは間違いなく、この世界への献身です。
「完璧な人間なんて、居ません。ですから、間違えることもあります」
リッカさま。貴女さまの想いに一切の間違いはありません。貴女さまの行動は私の――皆の救いになっています。ですがもし、間違いがあるとすれば……完璧を求めている事、です。
あの場の最適解は、私が言った事です。ですが、リッカさまは私の苦痛に耐えられず、怒り、攻撃してくれたのでしょう? でしたらそれは、リッカさまの想いです。当然、私は嬉しいです。
だから、次は気をつけようという話をしました。私も、リッカさまが安心して敵だけ見られるように、”盾”の強度上げようという意味を込めて……。ですがやはり、言葉が必要です。心で通じ合っていても、誓いは告げなければなりません。
「リッカさま。ですから、今まで通り……私を守ってください……。あの港の丘で、言ったではありませんか」
「ぁ…………っ」
リッカさま。貴女さまがあの時行った手順の所為で一番困ったのは、リッカさま自身のはずです。酪農家の皆さんは、困っていませんでした。むしろリッカさまの到着で安堵したと、救われたと感謝してくれています。
「リッカさまが守りきれないものは、私が守ります。ですから、私を守ってください。そうすれば……後悔なんてさせません」
お互いがお互いを護りましょう。そうすれば守れる人が増えます。私達は二人で一人ともいえる”巫女”。一人で背負い込まないで下さい。
「私が、守ります。後悔なんてしないでください。リッカさまが助けた命は、ちゃんと生きているのですから」
「――っ」
やっと、顔を見せてくれました。
「涙、止まりましたね」
「ごめんなさい……。ごめん、なさい」
涙の跡を拭い、撫でます。貴女さまの涙は暖かいです。貴女さまの苦悩を否定しません。貴女さまの後悔と恥は、尊いものなのです。他者の為に必死だからこそ、貴女さまは最善があったのではないかと後悔し、自身の行いを恥じたのですから。それは、貴女さまの輝きに他なりません。
貴女さまが真剣に向き合ってくれていると、皆分かってくれます。ですから、泣かないで下さい。貴女さまはちゃんと、皆の心に勇気を与えています。誰よりも誠実で、義理堅く、責任感の強い、ちょっと不器用な乙女の貴女さまの頑張り。ちゃんと、伝わっていますよ。
「ごめんなさい。急に……あの時のことで私は、謝らなければいけません」
数回深呼吸したリッカさまは、今度こそ真っ直ぐに酪農家の皆様に向き直りました。
「あの時、私は……アリスさん、巫女様を守るためだけに、戦いました。怒りに任せ、巫女様を蹂躙せんと盾を殴り続けていた、マリスタザリアに対して、投げを選択しました」
酪農家の方達からすれば、既に終わった事であり、何が問題か分からない事です。人によっては、リッカさまの行動は自己満足と言う事でしょう。
「一撃で首をとるべきでした。そのほうが、皆様をより安全に守ることができたにも関わらず、私は……苦しむ巫女様の顔を見て、我を忘れてしまいました」
ですが、これは所謂――決意表明です。未だに王都での評価が宙に浮いてしまっているリッカさまが行う初めての……己の言葉による宣誓なのです。
「私に皆さんを守る為の盾はなく、皆様を守るには、倒すことしかできません。それにも関わらず……最善を尽くすことができませんでした。本当に、申し訳……ございませんでしたっ」
深く頭を下げたリッカさまに、酪農家の方達は悲痛な面持ちで声をかけあぐねています。それは、今更謝られても、という困惑ではなく――リッカさまの人柄を勘違いしていた事への、痛恨のようでした。
「……顔を、上げてください。赤の巫女様」
代表の方がリッカさまに声をかけました。それ以外の方はどうにも、声をかけられずに居るようです。
「私たちの気持ちは、変わっていません。命を救われたのは事実なのです。最善手があったのかもしれません。ですが、我々は全員生きています。犠牲は全くありません。あの事件の後もそうです。巫女様方の活躍は常に我々にも届いています」
これもまた、港の一件があった日に話した事です。犠牲はどこかで、必ず出ています。ですがせめて、私達の手の届く範囲は、守りきろうと。何とか凌げているという状況でしかありませんが……。
「あなた方のお陰で多くの人が救われています。結果論でしかないと思われるでしょう。ですが、生きるか死ぬかは、結果でしかないのです。私たちは生きています。巫女様方のお陰で、生きているのです」
今回の依頼が、謝罪の為であったと知った時……止めて欲しいと、思いました。ですが私は、軽んじていたようです。今回この時間を取る事が出来て、良かったと考えを改めています。
「巫女様を守るだけでも、いいのです。赤の巫女様。あなたも、一人の人間なのです。大切なものを優先していいのです」
「一人の……人間……」
「我々は、何も出来ません……お二人に任せるしかありません。お二人のお役目は知っております。どうか、気になさらないでください。気落ちせず、そのまま真っ直ぐ進んで欲しいのです。我々一同、応援しております」
何故、酪農家の方達が……痛恨の表情を浮かべたのか、リッカさまが呟いた言葉が全てです。
私とアルツィアさまが言った事です。”巫女”とは”人”ではないと。リッカさまは……一人の人間という所で、ハッとした表情を浮かべたのです。
”巫女”で在ろうとしたが為に……自身が”人”で在る事も、忘れかけていたのでしょう。それが、自己犠牲となった港の一件に繋がるのです。
私はある程度、割り切っています。”人”ではないと言っても、人間です。出来る事は少ないのです。ですがリッカさまは、完璧を目指します。何故なら”巫女”として完璧にならなければ、人を救えないからです。
私とアルツィアさまは、覚悟していました。魔王を倒すまでに多くの命が犠牲になるという事を、です。ですが私達はそれを……リッカさまに伝えていませんでした。そんな状態で私とアルツィアさまの想いに触れてしまったのです。
ですがリッカさまは――”人”の為に全てを犠牲にするつもり、だったのです。『六花立花』という存在を投げ打って、世界の為に……私の、為に己を捧げようと……したのです。
「ありが、とうっございます」
再び涙を流し、リッカさまは頭を下げました。この時ばかりは、重力が邪魔です。リッカさまの涙が、零れてしまいますから。
リッカさまの完璧主義は、後付です。アルツィアさまですら読みきれなかった、”巫女”として目覚めたリッカさまの深奥。新に付与された部分が、かみ合ってしまったのです。
本来のリッカさまは、妥協と諦念を綺麗に使い過ごしてきました。それもまた、『恐怖心』故にです。この妥協と諦念を顕著に表しているのも、『恐怖心』です。どうにも出来ないから、”蓋”を作って我慢するという妥協をしました。
(本来のリッカさまならば、自身の想いと出来る事を考え、妥協点を見つけて立て直せたでしょうけど……)
自分に出来る範囲で行動するのは今も変わりませんが、向こうの世界では六割程度で完遂出来るようなものばかりでした。
ですが今は……出来る範囲の全てを行おうとしています。能力の高さ故に常人よりもずっと出来る範囲が広いのに、です。そしてこちらの世界では、逃げる事も諦める事も許されていません……。リッカさまの持てる力全てを使って尚……足りないのです。
(リッカさまは完璧にならざるを得なかったのです。新に付与された……私を守りたいという想いを遂げる為に……)
それに気付いていながら、私には何も出来ませんでした。負い目もありますが、救う側の私が……救われた側の心境を代弁する事は、出来ないからです。
今回、酪農家さん達の言葉は……リッカさまにとって、祝福となるでしょう。リッカさまに話しかけてくれた少女のように、救われた側の言葉でなければ……私の言葉だけではまた、重責となってしまったでしょう、から。
リッカさまが落ち着くのを待ち、一応牧場のお手伝いをしました。加工場は流石に、衛生面や手順等の問題で素人には無理でしたが、牧草の整理やブラッシングは私達でも出来たので。
『贖罪じゃないけど……。あんなにも素敵な言葉を、かけてもらったから、贖罪の気持ちで行うのは失礼だから、これは……ただの感謝』
感謝したいだけだったらしいので、お手伝いを申し出た時は断られそうになりました。ですが、少しでも感謝の気持ちを伝えたかったのです。
『私は、立ち止まることは許されていない。何があろうとも。だけど、皆のお陰で……もっと前に、自分で進める。使命でも運命でもなく、ただ自分の意思で』
私達の出会い。使命。どれも運命として決まっていたのではないか、というくらい共通点があります。ですが、進む道は自分達で決めているのです。運命ではありません。私が――リッカさまを愛しているのも、運命で決められていないように。
「リッカさま」
「なぁに? アリスさん」
「どんどん、私に頼ってください。何でもですよ」
「――うん。いっぱい、頼るね」
港でも話しましたが、改めて伝えます。私が頼んでしまった道です。ですが、私を頼らないという選択肢を用意する必要はありません。共に歩みましょう。リッカさま。
「だからアリスさんも、頼りないかもだけど、私を頼って?」
「ご安心ください、頼りないなんてことはありません。リッカさまは誰よりも、頼りになります」
頼りにならないなんて……それを言うのなら、私の事です。”盾”は脆く、”光”と”拒絶”は弾かれてしまいました。”治癒”は未だに触れなければ発動せず、使い勝手が悪いです。
そんな私に比べれば、リッカさまは……私の為に最大限の力を発揮し、私を助けてくれています。
「――ありがとっ」
「えぇ、リッカさま」
あちらの牧草は、ホルスターンの好みではなかったようです。交換しましょう。リッカさまの手を取り、移動を開始します。
「足場悪いから、走ると危ないよっ。アリスさんっ」
「ふふ。これでも”森”育ちですから、これくらい平気ですよっ」
『この世界は……こんなにも暖かい』
えぇ、暖かいです。私は今でもどこかで、人を信じ切れていません。ですが……信じてみたいという想いはちゃんと、生きています。人の暖かさに触れる事でしか大きくなれない、風船の様に脆い想いではありますが……どこまでも高く飛べる可能性がある、想いです。
『ずっと、アリスさんを優先してた。”巫女”が個人を守っちゃいけないって、勝手に思ってたのに、変える事が出来なかった。でも――それで、良いんだ』
私は誰よりも――何よりも、リッカさまを信じます。貴女さまの歩む道こそが私の道です。世界の平和。人々の安寧。アルツィアさまの想い。貴女さまの想いで紡がれる道こそが最善手です。
『だからって、他を蔑ろにしちゃいけない。私が守れるのは、剣が届く範囲だけ……だから――』
ただ、私の想いもしっかりとあります。”巫女”の”お役目”は当然ですが、貴女さまが只管に前を向いていられるように――後悔が生まれないように、私は私の能力の全てを使いたいという想いです。
『港で、自分で頼んだのに。やっぱり、ダメダメだなぁ。私』
「アリスさん」
「はい、リッカさま」
「一緒に、守ろうね。」
「えぇ……もちろんです」
昔に比べて使い勝手の悪くなってしまった能力ですが、貴女さまの心を視る事が出来て良かったです。
貴女さまが隠したい事まで視えてしまうのは申し訳なく思いますが――貴女さまの心を守る為、最大限活用させていただいきます。
避けられぬ未来を、最良のものにする為に……皆の笑顔を守りましょう。その笑顔に、貴女さまの笑顔も含まれるように。満面の笑みを、再び見られるように。
この繋いだ手を、離したくありません。




