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短編

耳鳴り

作者: 小沢琉祢

耳鳴りがうるさい。

原因は分からない。

ストレス?

自律神経の乱れ?

どれも当てはまらない気がする。

だって私は恵まれてる方だと思うから。

だとすると残る可能性は耳の病気だけど、私はこの家から出れないから、耳鼻科に行くことは出来ない。

いつからだろう。

外がこんなにも怖くなったのは。

学校に行けなくなったのは。

家から一歩出るだけで息ができなくなってしまうようになったのは。

耳鳴りがうるさい。

いっそのこと耳を切ってしまえばこの耳鳴りも消えるだろうか?

でもそんなこと怖くてできない。

包丁程度で切れるかもわからない。

というより、耳の内側が取れないと耳鳴りは収まらないのではないだろうか?

見える部分の耳だけでは本当に耳を切ったとは言えないのではないだろうか?

そんなくだらないことを考えて今日も一日を過ごす。

ずっとネットサーフィンをしていて、無駄な時間を過ごした。

耳鳴りは音楽を聞いてもずっと聞こえていて、凄く煩わしい。

いつまでもいつまでも付きまとってくる音をどうにかしたい。

でもどうにもできなかった。

情けなくて、涙がこぼれた。

「あーうるさいうるさい」

声に出してみても、変わらなかった。

悲しかった。

こんなことで躓いている自分が。

自分と言う存在がいなければ。

この耳鳴りも消えるだろう。

でも実行には移せなかった。

だってここには何もない。

パソコンと机とベッド。

それだけ。

なんて退屈なのだろう。

そう思っても何も変わらなかった。



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