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俺の番は ドラゴンメイドです。

 俺の番は基本、部屋に引きこもって出てこない。姿を見せるのなんて年に数回。それこそ片手で足りるほど。本人曰く、醜いものは周りを不快にさせるから、らしい。俺的にはそんな酷いものじゃないと思ってるけど。


 俺の番は純粋な魔物ではないらしい。元は人だったと聞いている。悪いことをしたから、呪いに掛けられたんだって言ってた。どんな悪いことをしたのか聞こうと思ったけど、やめた。あんまり良い記憶じゃないっていうのは流石に分かるし、嫌な思いはさせたくない。


 俺の番はこの島から出ちゃいけないらしい。なんでも、呪いをかけた奴の金銀財宝を悪いことをした罰として守らなきゃいけないとか。呪い掛けるだけで終わらせてやれよ、呪った奴・・・。


 扉越しに、番に俺の世界のお話を聞かせる。まあ、覚えているのは桃太郎とかシンデレラとかだけど。白雪姫のお話をしたら「私には素敵な王子様なんて現れないわね」って悲しい声で、それだけ言って。後は黙りだった。


 番に呪いをかけた奴がやって来た。一度も会ったことなんてないのに、何故か俺の名前を知っていた。ストーカーかよ、怖・・・なんて思ったら睨まれた。でも、呪いの解き方については一言だけ答えてくれた。んだけど、俺でも知ってる呪いの解き方って何だよ・・・。呪いをかけた奴は綺麗な弓をここから出してどっかに行ってしまった。


 俺の番に会いに来た奴がいた。男。イケメンだけど、良い感じはしない。いわゆる軽薄っていう感じ。番がいる部屋に入って数秒で男の悲鳴。扉を開けっ放しにして、情けなく逃げていった。

 扉の向こう側に入ると、俺の番がいた。緑色の鱗に覆われた肌、鋭い爪と爬虫類のような目、頭上から生えている二本の角。



ドラゴンメイド‐龍人と呼ばれることもあるが、その正体は呪いによって竜の特徴を持つ醜い姿にされた乙女である。



 俺の番は泣いていた。あの男、ちょっと締め上げておくべきだったか。なんて、思ってると番に出てけって言われた。醜い女の惨めな姿なんて見たくもないでしょうって言って。


 俺、アンタのこと不細工だなんて思ってねえから。って伝えたら、嘘つきと罵倒された。ムキになって、嘘じゃねえよ!って、つい怒鳴ってしまった。そこからはもう、怒鳴りあいの口げんかだった。


 そして何がどうなったのかよく覚えていないが、番とキスすることになった。キス位してやんよ!と返事をしたところで、双方冷静になった。というか、口げんかの内容を思い出して赤面した。俺のこと見捨てないで番のことも教えてくれて、契約してくれたアンタの優しさは魅力じゃねえのかよ、なんて。どこの少女漫画?


 そんでもって、呪いは真実の愛とキスで解けるって、美女と野獣かよ。役割が逆だけど。うん、まあ、取りあえず、



「お前の呪いが解けようが解けまいが、俺はアンタが好きだ」



 口げんかの途中なんて格好悪いのじゃない、ちゃんとしたプロポーズをさせてくれ。


異世界人:川島 春邦

ギフト:英雄の器

職業:英雄の卵

称号:乙女の呪いを解きし者

   真実の愛を送る人


(呪いが解けたら番人の仕事からも解放されるのか)

(うん。それだけじゃなくて、宝物も好きに持って行って良いみたい)

(え、いらねえ)

(え)

(なんか、持ってったらお前の為じゃなくて、宝物のためにキスしたみたいで嫌だ)

(・・・・・・なんでそーいうことをさらりというかな)



本編はコレで終わります。

番外編として魔物達の視点のお話を執筆中。

書きためが終わったら再び投稿していきます。

気長にお待ちくださいませ。

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