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「それでは、バー降ろしまーす!」
20分ほど並んで、ようやく私たちの番となった。
20分ならそんなに待ってないと言えるかもしれないけど、あんまり待つのは好きじゃないし。
余計長く感じるんだよねー。
私達以外にジェットコースターに乗り込んだのは男子3人組と、カップルが2組。
カップル客をターゲットとしているのか縦は長くとも、横は2人までしか掛けられない。
男子1人、可哀想だなぁ。
なんて思いながら、ジェットコースターが動き出すのを待った。
「緊張するなぁ〜。」
はにかむ笑顔もサマになってる。
本当私が彼女でいいのかなぁ。
みたいな。
ふと、
「美玖には釣り合ってないよ‼︎」
そう、言われたのを思い出した。
言われたのは、逆の立場。
私の方が高レートだった。
みたいな話だけど。
こんな話しておいて、自分で言うのも何だけど、人間を天秤で測られてもねぇ。
そん時はそう思ったよ。
今もそれは変わってないけどさ。
確かに、話も上手じゃなかった。
どんだけ振っても相槌くらいしか帰ってこない。主体性はなかったなぁ。
あの時は10対3だよ、なんて会話したっけ。
まぁ、イケメンだった?なんて聞かれたら自分の彼氏だったとしても、違うよー。なんて答える。ルックスの話は終わり。
んー、センスか、服装はカッコよくもなかったし、髪もそうはっちゃけるようなキャラでもなかった。つまり良くない。
でも、でもね。ここまで下げておいて、上げる場所なんてあるのかよって思ったかもだけど。
本当に、居心地は良かったんだ。
あの人といる時が、気が楽だった。
中学校からの付き合いだしね。
あ、友達としてのだよ?
高校で別々になったとはいえ、元々互いによく知ってたんだ。気が楽じゃない訳がないじゃない。
色々あったけど。うん。
色々。
そうやって、考え事してたら。
周りの光景は空いっぱいに広がり。
地面はとても小さく映り。
頂上に辿り着いたみたいで。
いよいよだなー、と少し身構える。
ジェットコースターは緩やかに速度を上げる。
バーが上がる。
バーを掴んでいた私の手は虚しく空を切って。
ジェットコースターは下がる。
私は。
宙に。
空を舞った。
隣から手を必死に伸ばす彼氏の顔に、
やっぱりサマになってる。
なんて、そう思ったんだ。




