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第三十一話 幕間 研究者達の追憶(その2)

/2.紅坂カウル

「主幹。今度はなにやらかしたんですか」

「うん?」

「これ警察から書類でしょう? いよいよお縄ですか」

「いきなり失礼だねえ、君は」

 紅坂カウルの研究室。書類と機材の中に埋もれるように作業に没頭していたカウルは、部下の挨拶代わりの暴言に、大きく伸びをしながら振り向いた。

「何の躊躇もなく上司を犯罪者のような目でみるもんじゃないよ」

「じゃあ、なにもやましいことはないんですか?」

「そんなのあるに決まってるじゃないか。足が着くようなことはやっていないって事だよ」

「相変わらずぎりぎりの発言を……」

 いったいどこまでが本気なのか。全く悪びれる様子もなく問題発言を繰り出す上司にため息をつきつつ、助手はカウルの机にお変えれている資料を指さして尋ねた。

「それで、何の資料なんですか、それ」

「んー? 事故の記録だよ。えーと何年前になるのかな。まあ、ともかく東第二展望台の事故の記録」

「東第二展望台って……どこにあるんです? それ」

「知らない? ああ、今は東ユグドラシル第二観測所って名前になってたかな、確か」

「あ、そこなら知ってます。昔は展望台だったんですね、あそこ」

「そうだよ。随分前に経営に行き詰まって、紅坂が買い取ったんだよ。市民の憩いの場所が、今じゃ紅坂の怪しい研究所に成り果てたってことだね。いやはや、金持ちのすることは浅ましいねえ」

「またそうやって悪態をつく……って、ひょっとして、これは紅坂傘下の研究所の古傷って奴ですか」

「古傷か。上手いこと言うね」

「別に上手いこといったつもりはないです。ただ、主幹」

「んー?」

「またキナ臭いことをやろうとしているんじゃないでしょうね」

「ははは、そんな訳ないじゃないか。この事故自体は紅坂が絡む前に起きたものだしね。助手君が心配しているようなことはないって」

 紅坂本家の魔法使いでありながら、本家に楯突くような真似を平然と、かつ再三にわたってやってきたカウルである。当然のことながら、彼を見る助手の視線には不信の念が充ち満ちていた。

「本当でしょうね」

「本当だってば」

「今度、何かやらかしたら予算止められますよ? 本気で」

「だから、なにもしないってば。きな臭い事なんて本当にないんだから」

「主幹がきな臭くないというほどに、きな臭く感じるんですけど」

「信用されてるなあ、僕」

「逆ですよ、逆!」

 諌める言葉に全く悪びれないカウルに、助手は諦めたようにため息をついて首を振る。

「それで、どんな事故があったんです?」

「気になる?」

「そりゃ、なりますよ。あの場所で起こったのなら、どちらにせよ、世界樹絡みですよね」

「うーん。まあね」

 東ユグドラシル第二観測所。世界樹に「近い場所」として、現在、紅坂の魔術師たちに利用されることが多い。その場所に関する事故と言えば、興味をそそられて当然だろう。少し失敗したな、と内心で息をつくカウルだったが、上司のそんな内心には気付かないまま助手の意識は事故の資料へと向いていた。

「見ても良いでしょうか」

「そんなに興味ある?」

「ええ」

「でも、駄目」

「……」

 殴りたい。その衝動を沈黙で押し殺す助手に、カウルは小さく笑いながら軽く手を振った。

「それ蓮香さんに頼まれた奴だからね。個人情報が絡むし、勝手に開けると後が怖いよ?」

「え? ひょっとして蓮香さん、今日、来られるんですか?!」

「来ないよ」

「何で来ないんですか!」

「何でって、君ねえ。わざわざご足労を願うまでもないでしょうが。もう資料の複製を送っちゃったよ」

「なんて余計なことを……っ!」

「……君は、割と気が多いねえ」

「だって、蓮香さんって素敵じゃないですか」

「まあ、綺麗な人ではあるけどね」

 熱っぽい息を吐く助手に、やや冷ややかな笑みを投げかけながら、カウルはやや意地の悪い質問を投げかける。

「それより君はセリアちゃんの信者じゃなかったの?」

「勿論です。ですが、蓮香さんも素敵です」

「臆面もなく言い切るなあ。まあ、そういうのは嫌いじゃないけどね」

 肩をすくめるカウルだったが、ふと何かに気づいたように「ああ」と大きく頷いた。

「なるほど。そうなのか」

「何を一人で納得してるんですか?」

「いやいや。要するに、君はきついの女性が好きなんだね」

「きつい?」

「サドっけのある女の子が好きなのかってこと」

「そんなことありませんよ」

「セリアちゃんや蓮香さんに、踏まれてみたいとは思う性癖なんだね。いやあ、知らなかったなあ」

「あのですね」

「なんなら頼んでみてあげても良いんだけど」

「……本当ですか?」

「嘘だよ」

 一瞬、助手の目に覗いた「本気」の光に、苦笑しつつ、カウルは手にした書類を軽く叩いた。

「ま、観測機器……ようするに望遠鏡の暴走の記録だよ。あまり気にすることもないさ」

「望遠鏡の?」

 拍子抜けした、と声の調子で示しながら、助手は軽く首を傾げる。

「なんだか思ったより地味な事故ですね」

「そうかなあ」

「主幹がわざわざ掘り返しているんだから、てっきり、もっとえげつない事故だと」

「……君は本当に遠慮がなくなってきたね。本当に蓮香さんに踏んでもらおうかなあ」

 冗談とも本音ともつかない口調でため息をつくと、話は終わり、とばかりにカウルは助手に向かって手を振った。

「ほらほら、いつまでも無駄話してないで仕事仕事。論文の締切りが近いんだから」

「そうですけど。でも、あとは実験機のデータを流しこめば大体終りますから―――」

「ちなみに実験室の魔力成形機が、警報音だしてたよ?」

「マジですか?!」

「ああ、そう言えば火を吹いてたかもしれないね。あれ、耐熱性だっけ? 中身はどうなってるのかなあ」

「ええええ?! さらっと、とんでもないことを言わないでくださいよ!?」

 悲鳴を上げながら、部屋を飛び出していく助手を視界の端にとらえて、カウルは「若いって良いなあ」などと嘯きながら肩をすくめた。

 実際、実験装置は異常停止しただけで、火など吹いてはいない。大方、入力変数の設定ミスでもしたのだろう。あまり慌てるような事態ではないのだが、殊更、大げさに不安を煽ってやったのは、ただ人払いをしたかったからだ。

「……思ったよりも地味な事故、か」

 助手が口にした何気ない一言。事情を知らない彼には悪気など何もなかったのだとわかっている。それでも、その言葉を繰り返すカウルの表情には、隠しきれ無い苦い感情が浮かぶ。

「まあ、実際、そうなんだけども」

 実際、視覚的な意味で言えば確かに地味な事故ではあったのだろう。施設が全体が吹き飛ぶような大規模な事故だったわけでもなし、爆発が生じたという記録も残ってはいない。ただ……それでも、その事故において二人が命を落としていた。

 世界樹を観測するための望遠鏡。そこに込められた魔力が暴走し、まさに望遠鏡を使用していた見学者たちに流れ込み、その魔力構造をズタズタに破壊したのだ。魔力、という観点だけでみるのならば、それこそ爆発事故と言っても間違いではない。ある意味、凄惨な事故とも言えた。

 普段のカウルなら、それでも「お気の毒だね。運が悪かったね」と飄々と嘯いていたかもしれない。ただ、その事故の記録に記されている犠牲者の名前が、彼にそんな軽口を叩かせてはくれなかった。

「誠司君と、美弥さん……まさか、死んじゃってたなんてねえ」

 つぶやきと共に、過ぎ去った学生時代の記憶がカウルの脳裏に浮かび上がる。

 色あせた記録と、色褪せない記憶。事故の犠牲者である神崎誠司と、神崎美弥の二人の名前は、色褪せない記憶の中にあった。

 紅坂カウルは、友人と言える友人は作らない。

 それは今も昔も変わらない。けれど、それでも神崎姉妹と、そして神崎誠司だけは、カウルが本心を垣間見せることができた数少ない人間だったのだ。

「誠司君。いい奴だったんだけどなあ……」

 出会う人に鮮烈な印象を残した蓮香と美弥の神崎姉妹。いつも、その側に居たおかげで、目立たないという評価を受ける青年だったけれども、カウルは彼の印象を忘れられなかった。控えめな笑顔が似合う、誠実で、そして公正であろうと心がけていた青年。好青年、という形容がもっとも彼に似つかわしいようにも思う。

 魔法使いとしての才能は神崎姉妹や紅坂カウルには及ばなかったものの、それでも、その人柄にはカウルですら好ましいものを抱いていた。

 

 友達だったというつもりはない。

 事実、卒業後は連絡をとるどころか、その消息さえ知ろうとはしていなかった。遊園地での転落事故をきっかけに蓮香と再会しなければ、ひょっとしたら、カウルは生涯、二人の死を知らずに過ごしていたかもしれない。それでも……過去の記憶を辿るカウルの目元に、隠しきれない寂寥がはっきりとした滲む。

「まさか展望台で死んだなんてね」

 どんな場所であれ事故や災害はつきものだ。生きている限り、災厄に出会う可能性は零にはならない。勿論、その可能性を下げることはできるが、それでも零にはならない。そんなことは百も承知だが、それでもカウルのように実験設備に挟まれて生きている人間よりも先に、平和でのどかなはずの娯楽施設で、あの二人が命を落としたことに、不条理を感じずには居られなかった。当たり前の幸せ、なんていう陳腐な言葉は好きではなかったが、あの青年は、きっと当たり前の幸せを気づいて生きているのだとばかり、カウルは思い込んでいたのだから。

「まあ誠司君らしいと言えば、らしいのかもなあ」

 少なくとも、紅坂の研究所のような、きな臭い場所で埋もれて死ぬよりも、見晴らし良い展望台で空に召される方があの穏やかな青年には似合っているだろう。

 胸にうずくそんな感傷的な想いを振り切るように、カウルは軽く頭を振って、殊更、飄々とした口調でそう笑って見せた。どこかまだ引きつった笑顔。そのことを自覚しながら、カウルは意識を感傷の沼から引き上げて、思索の海へと放り投げる。

「しかし、まあ、我ながら不注意だね。あの観測所には何度も行っていたのに」

 あの観測所、とカウルが口にしたのは、東ユグドラシル第二観測所のことであり、彼が助手に教えたように、かつては。東第二展望台と呼ばれていた場所である。

 展望台として機能していた時代には、単に見晴らしの良さ故に選ばれた。その場所が世界樹の魔力の影響をうけやすい場所だと知られるようになったのは、紅坂の買収が行われた後のことになる。より正確に言うのならば、「ある事故」が起きたおかげて、その展望台が世界樹の観測所として適していると判断された。ある事故、とは今更言うまでもない。東第二展望台で、神崎夫妻が命を落とした事故のことだ。

 東第二展望台での望遠鏡暴走事故。その事故原因の特定は難航し、事故の発生から一年を超える時間が費やされた。

 結論から言うのならば、事故の原因は、その立地と世界樹の相関性を測定できなかったことにある。元々、世界樹の姿を視認しやすい、という理由で展望台として選ばれた場所ではあったが、その場所は特定の条件下で世界樹からの魔力を異常増幅することが、研究の結果判明したのだ。

 件の望遠鏡暴走事故も、その異常増幅が招いたものだ。雲の彼方に浮かぶ世界樹の姿を捉えて拡大する望遠鏡。当時としては最先端に近い技術と術式を導入してはいたものの、その装置が含有していた魔力の量は決して多くはない。少なくとも、装置の魔力が周辺の魔法使いに流れ込んで、その人達の魔力構造をバラバラにするような事態を引き起こすなんてことは誰も予想できなかったほどに。

 故に「異常増幅」の現象が実際に確認されるまで、事故原因の追求は迷走を繰り返していた。カウルが手にした事故資料からも、当時の調査委員たちの混迷具合を読み取ることができた。

「まあ、望遠鏡が爆発するなんて思わないよねえ、普通は」

 世界樹からの魔力が異常増幅を引き起こす場所。現在では異常点、特異点あるいは接点(世界樹との接点との意味合いだろう)とも呼ばれる土地は、東ユグドラシル市には、二箇所あることが現在では確認されている。最も肝心の「特定の条件」は未だ、はっきりとは定義されていない。少なくとも世界樹の雨が条件の一つだろうと、思われている程度だ。だが世界樹の影響を受けやすい異常点を予測し、実際に世界樹の雨の際に、その場所での魔力増幅の有無を測定する技術は確立され、そして実用化されている。故に、望遠鏡暴走のような、安全と思われている装置が突如として魔力暴走を起こす、危険性は格段に減少したとされている。

 なお、異常点測定に関する基幹技術の確立を行ったのは「中央」に属する魔法使いだとされている。望遠鏡暴走事故の事故原因調査委員にも名前を連ねている人物だ。しかし、どうやら事実は異なるらしい。事故報告書から読み取れる調査委の迷走ぶりを見て、その魔法使いが異常点測定技術の確立をしたとは俄に信じがたかったカウルは、中央の知り合いに手を回してそのあたりの事情を探った。そして判明した事実といえば、実際に、その技術の殆どの部分を創り上げたのは中央ではなく東ユグドラシル魔法院の魔法使いであったらしい。それも事故後、中央から東ユグドラシルに移った魔法使い……つまり、東ユグドラシルの魔女、神崎蓮香その人が異常点測定に関する本当の功績者だというのだ。しかも、そのことは、中央の一部においてはほぼ公然の事実であるようだった。

 神崎蓮香が世界樹の異常点についてがいつから研究を行っていたのか。そして彼女はどうして自分の名前で研究成果を公表しなかったのか。そこまではカウルは知らない。あるいは、調べればわかることなのかもしれないが、そこまでカウルは踏むこむことをしなかった。本来、自身の興味のためならば、他人の都合を無視する傾向にあるカウルだが、やはりこの件に関しては、そこまで無遠慮にはなれなかった。

「なんとなくは想像付くけどね。蓮香さん、あれで感傷家だからなあ」

 蓮香本人の前では口が裂けても言えないような感想を口にして、カウルは小さく笑った。おそらくは、それが彼女なりの供養だったのだろう。妹夫妻が命を落とした事故が二度と繰り返されないようにと願い、作り上げた技術。そこに自分の名前を刻まなかったことに、それは自分のものじゃなくて、二人に捧げたものだ、という意図があるように思えてならなかった。ただの想像にしか過ぎないその考えが果たして当たっているのか、外れているのか。それを確かめる機会は生涯無いだろうな、と肩をすくめてカウルは表情を引き締めた。

「しかし、事故の原因はそれで良いとしても……色々と積み残しがあるなあ、この報告書」

 事故の原因は報告されている。それが正しいのかはともかく、ある程度、納得できる報告書ではあると、カウルにも思えた。確かに、異常点における魔力の異常増幅を引き起こした条件は、未だ研究途中であるものの、しかし、この事故自体が世界樹の魔力が引き起こしたある種の天災であったという結論には、カウルも納得するところではある。実際、望遠鏡のような装置に含まれている魔力が暴走するほどに増幅する理由として現状では、異常点に設置されていたということ以外の理由がない。しかし、この報告書が見落としている点がある。それは事故が起きた理由ではなく、二人の子供が生き残ることが出来た理由だった。

 勿論、その点について報告書に記載がないわけではない。報告書では、両親がとっさに二人の子供をかばったことが、その子の命を救ったと記載されている。事実、誠司と美弥の二人が子供をかばった痕跡は残っており、本来、子供達の魔力構造を破壊してしまうはずだった魔力の相当数が両親の体に流れ込んだことが事実として確認されている。両親の献身的な行為。それこそが子供たちの命を救った。そう言われれば、誰もが素直に納得してしまいそうだが、しかし、カウルは素直でも純粋でもない。

 誰もが予想もしていなかった、望遠鏡という安全なはずの装置の暴走。そんな事故が起きた瞬間に、本当に神崎誠司と美弥の二人は、咄嗟に子供を救うことなどで来たのだろうか。

「蓮香さんは、納得しているのかな」

 自身のその呟きに、しかし、カウルは「いや」と首を振った。この件に関して、神崎蓮香が冷静な判断をできていたという保証はない。

 最愛とも呼べる妹と、幼なじみでもあった義兄を同時に失った。その後には、残された子供たちを引きとって、慣れない母としての生活が始め、そして、その傍らでは望遠鏡の暴走原因をつきとめることまで行っていたのだ。いくらユグドラシルの魔女とは言え、当時、この件に対して果たしてどこまで冷静だったのかは疑問だった。

 あるいは本当に、彼女も二人の子どもが助かったのは、両親の決死の行為のおかげだ、と思っているのかもしれない。そう思うことは、感傷的ではあるのだろうが、少なくとも遺された人達の心にほんの少しの救いを生むだろう。それを理解しながら、しかし、カウルは「それでも」と首を横に振った。

「僕としては、この子が生きているのが信じられないんだけどねえ……」

 深い息を付きながら、カウルは報告書の内容を頭の中に展開する。確認するのは、事故が発生した際の被害者と望遠鏡の位置関係だ。二人の子供のうち、一人が望遠鏡を覗き込み、両親がその両脇になっている。最後の一人は、三人の背後で、次の順番を待っている、という体制だ。これが事故が発生したときの被害者たちの位置関係である。この状況で事故が起きて、子どもが助かったという結果を、やはりカウルは俄には信じられないでいた。

 実際に物理的な爆発事故が発生したわけではない。ただ、先にも述べたように魔力言う観点からみれば、爆発に等しいことが発生したのだ。これを爆弾などの爆発事故に置き換えて考えてみる。確かに、事故の瞬間、両親が異常に気づいて子供を身を呈して守ることはあり得るし、可能とも考えられる。しかし、それは「望遠鏡を覗いていない子」に対してのみだ。その時、望遠鏡を覗いていたもう一人の子供は、いわば、爆心地にいたのだ。爆発の瞬間、いくら両親が庇おうとしたところで、助けることなどできるのだろうか。いくら、東ユグドラシルの聖女といわれた神崎美弥であっても、それは不可能だというのがカウルの見解である。

 そう。何度考えても、何度検証しても。

 事故が起きた、その瞬間。まさにその望遠鏡を覗き込んでいた「神崎綾」という少女が、その生命を落とさずに済んだ理由は、紅坂の魔法使いの理解を越えて、未だ届かない。

 そして、その「届かない」という事実が、紅坂カウルにひとつの仮説を生み出させていた。

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