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第二十五話 幕間 速水会の人たち(その1)

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 魔法使いたちの憂鬱


 第二十五話 幕間 速水会の人たち。

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/1.速水会定例会議(鐘木セフィナ)



「今回の魔力交換会では特にトラブルはありませんでした。次回は二日後。速水君も了解済みです」

「そう。ご苦労様」

 淡々とした口調で告げられる事務連絡に、私もまた淡々とした口調で頷いて、報告してくれた女の子に着席を促した。

 放課後の空き教室。締め切ったカーテンの向こうから漏れ零れてくる夕日に照らし出される部屋の中に、私を含めて数人の生徒の姿がある。本来無人であるはずの教室に陣取って、私たちがいったい何をしているのか、と言われれば、「速水会の定例会議です」と答えることになる。速水会。要するに速水龍也君との魔力交換を希望する魔法使い達の集い。もっとぶっちゃけると速水龍也君ファンクラブ。その速水会の運営メンバーが集まっての定例報告会が今、行われているのだった。

 

「鐘木会長」

「ん? なに?」

 先ほどの報告をしてくれた女の子が、私に向かって呼びかける。「会長」とは他でもない、速水会の会長である私、鐘木セフィナのこと。つまり私は、速水君を慕う学生達の中で、最も速水君に近い存在と言っても過言ではないのだった。

 ……って、胸を張って言えれば良いんだけどなあ。実際の所、現実は中々に厳しく、実際は速水君との魔法交換の調整が一番大きな仕事だし。会長なんて役職だけど、別に魔力交換の回数に優遇制度はないし、それどころか「回数に不正があるんじゃないか」って言い掛かりをつけられることもあるし。それでもまあ会長職を辞したいか、と言われればそんなことはないわけで。だって「速水会会長」というのは、やっぱり速水君との特別な関係にあるわけだし、速水君から「鐘木さん。いつもありがとう。ごめんね、迷惑かけて」なんて微笑まれたりすると、それだけで世界樹の向こう側に旅立てそうな心持ちになれるので、やっぱり会長職は止められないのだった。



「……鐘木会長。聞いてますか?」

「あ、ごめん。ちょっと考え込んじゃった。何だっけ?」

「なんだっけ、じゃないですよ。今回の報告は以上ですって言ったんです」

「そう。ご苦労様」

 私の隣に座る女の子(彼女は速水会の副会長なんだけど)のふくれっ面を小さく笑って宥めてから、私は改めて教室に集まっている一同を眺めやった。速水会運営メンバーは主に高等部の学生が中心になっていて、今この場にいるのは高等部一年生から三年生までの女子生徒ばかり。ちなみに今は参加していないが、運営メンバーには二人ほど男子生徒も居たりする。速水君の人気は幅広いのだ。まあ、それだけに競争相手が多いと言うことにもなるのだけれど。



「他に気になることがある人はいる? 無ければこれで解散するけれど」

「鐘木会長。宜しいですか?」

 何もないだろうと期待して呼びかけた私に、しかし、手を挙げて答える声があった。視線を向けると、手を挙げているのは三年生の運営メンバーだ。年上なのに「鐘木さんは会長だから」といって敬語を使ってくれる几帳面な人で、なおかつ、いろいろと気配りができる先輩だった。要するに無視して良いような人ではない。



「はい。何でしょう」

「漠とした事で申し訳ないのですが、気になることがあります」

「漠としたこと?」

「ええ。その……最近、速水君がちょっと寂しそうに見えるんです」

 確かに本人の言うとおり、異常の報告というにはあまりにも漠然とした曖昧な表現。でも、その先輩の台詞に、運営メンバーの中に軽いざわめきが広がっていく。何人かは「やっぱり」という呟きを零しているので、どうやらこの先輩一人の思い違い、という事ではないらしい。

 そう考えて、私は脳裏に速水君の顔を思い浮かべる。いつも優しげな微笑を湛えている速水君だけど……確かに、ここ最近はその表情に憂いのような影がさすことがあったかもしれない。ああ、でも愁いを帯びた速水君の表情は、それはそれでたまらないモノがあるのだけど……って、話を戻そう。



「えーと、速水君にちょっと元気がないって思う人はどのぐらい?」

 私の問い掛けに、少しの間を挟んで、ぱらぱらと手が上がる。結局、挙手をした人数は、メンバーの六割を超えた。なら、やっぱり先輩の勘違いということもないのだろう。



「ふむ。……じゃあ、何か心当たりのある人はいない?」

「はい」

 続けて問い掛けた私の声に、元気の良い声が即座に答えた。今度は先の先輩ではなく、別の女の子。一年生で、ある意味での要注意人物だった。特に問題を起した経歴があるわけではないけれど、これから問題を起してくれそうだという意味において注目しているのだけど……さて。そんな彼女に対する想いを顔に出さないように、私は努めて優しい声で彼女に言葉を向けた。



「何か思い当たることがあるの?」

「はい。速水先輩じゃなくて、神崎先輩の周辺に異変があるんです。それが回り回って速水先輩の元気のなさに繋がっているのではないかと」

「……神崎君?」

 一年生が口にした名前に再度、ざわり、と教室内にどよめきが広がった。聞き覚えのない名前だったから……という訳じゃない。速水会のメンバーにとって、神崎良という生徒の名前は知れ渡っているのだから。速水君のクラスメートであり、一番の親友と目されているし、なんといっても速水会設立の立役者なのだ。ついでに私のクラスメートだけど、まあ、それはどうでもいい。



「神崎君がどうかしたの?」

「最近、頻繁に神崎先輩の家を女の人が尋ねているんです」

「女の人? それ、桐島さんじゃないの?」

「桐島先輩もその一人ですけれど、会長さんも……あ、生徒会長さんもです」

「……ふーん?」

 生徒会長こと紅坂セリア先輩と、神崎君。縁のない組み合わせ……という訳ではなく、むしろ、去年の速水君の件を考えれば「因縁」という言葉で繋がる二人ではある。だけど、生徒会長さん直々に神崎君の家を訪れるとは果たしてどういう訳か。

 その思いに私が首を捻っていると、ふと二週間ほど前の出来事が頭に浮かんだ。



「ああ、そう言えば……最近、生徒会長と神崎君って、一緒に登校していたような気がするわね」

「するわね、じゃないですよ」

 私の呟きに、傍らの副会長(ちなみに彼女も私と神崎君と速水君のクラスメートだ。まあ、どうでもいいけど)が、呆れたように息をついた。



「結構な騒ぎになってたじゃないですか。今だって時々、仲良く登校しているみたいですよ。知らないんですか?」

「知らないわよ。だって速水君の話題じゃないもの」

 だから、関心が薄くなってしまうのは仕方ない。そう嘯いてから、私はこれ見よがしに苦笑する副会長を尻目に、視線を一年生の方に戻す。



「あなたは、もっと詳しい事情を知ってるのかしら」

「はい。多分」

「じゃあ、話してくれる?」

「はいっ」

 促す私に、彼女は興奮気味に頷いて、ここ最近の神崎君の周辺で起きているらしい出来事を矢継ぎ早に話してくれた。

 それによれば、生徒会長だけでなく、桐島さん、速水君、そして篠宮先輩や、一年生の女の子、と言った面々が、放課後にほぼ日替わりで神崎君の家を訪れているらしい。特に会長さんに至っては、週二回ほど家を訪れ、そして朝も頻繁に神崎君と一緒に登校する、とのこと。もっとも朝の登校は二人っきりというわけでもなく、妹さんたちとも一緒に登校しているらしいけれど。でも、放課後は二人っきりになっているらしい、というのが報告結果だった。



「ということで、今、神崎先輩の周りが大変なことになってる見たいなんです。それに伴って速水先輩と神崎先輩が一緒に帰宅する回数も激減しています」

 そう言って報告を終えた一年生に、速水会のメンバーは「おおー」というどよめきと共にmまばらな拍手を送ったりしていた。彼女の報告は新情報であり、速水会の会員の誰もが掴んでいなかったものだから、確かにある意味では賞賛に値する。……まあ、ここにいる女の子は、基本的に速水君以外の異性に対しては関心が薄いので、神崎君の周辺を嗅ぎ回っているこの一年生が異例と言えば異例なのだけど。しかし残念ながら、この場合は賞賛に値するからといって、賞賛しっぱなしという訳にはいかないのだった。



「……なるほど。そういう状況になってたのね」

 浴びせられた賞賛に誇らしげに頬を紅く染める一年生に頷きながら、私は副会長を始め、何人かの運営メンバーに目配せをした。そして素早く、報告してくれた彼女に視線を戻して軽く微笑んだ。



「ところで」

「はい」

「どうしてあなたは、そんなことを知っているのかしら」

「え?」

「ちょっと知りすぎよね。少なくとも学院内だけの行動では知りようがないことだもん」

「え、え、え?」

 私の指摘に、一瞬の戸惑いを浮かべる一年生。そんな彼女の硬直と動揺を見逃さず、私はパチリ、と指を鳴らす。それを合図に、運営メンバーが彼女の周りをぐるり、と取り巻いた。



「あ、あの……?」

「速水会会規、第三条。禁則行為!」

 戸惑い狼狽える彼女に構わずに、副会長が朗々とした口調で告げる。



「速水君のプライバシーをみだりに犯してはならない!」

「特別な理由無く、魔法院の外での追跡行為は行ってはならない!」

「盗聴・盗撮およびこれに類する行為を行ってはならない」

「ようするにぶっちゃけると、あなた、ストーキングをしているわね!

「え、あ、う、その……っ」

 口々に役員の口から告げられる指摘に、得意げだった女の子の顔がにわかに青ざめていく。よしよし、良いリアクションだ。



「ち、違うんです! これは、その……」

「あなた、最近、高性能なカメラを買ったそうね。超望遠機能付き」

「う、何故それを……っ」

「語るに落ちたわね」

 私の指摘に絶句するストーキング少女、もとい、一年生。その彼女の態度が自白の証拠だと確信して、私は再度、パチンと打ち鳴らし、告げた。



「連れて行きなさい」

「はっ」

「いやあ!」

「おとなしくなさい」

「抵抗しても無駄よ」

「まあ、抵抗された方がそそるけど」

「うわ、あなたそういう趣味なの?」

「違うわよ!……まあ、興味が全くない訳じゃないんだけれどね」

「あ、私も私も」

「実は私も」

「いやあああっ!」

 なにやら不穏当なことを口走る三人ほどの運営メンバーに腕をひかれて教室から姿を消す一年生。腕を組み、その様子を満足げに見送る私の傍らで、再び副会長がもの言いたげにため息をついた。



「……相変わらず、こういうノリが好きですよね、鐘木会長」

「いいじゃない。別に」

 わざわざ会長職なんて承っているんだから、このぐらいの悪のりは許容して欲しい。



「というか、あなただって乗ってたじゃない」

「鐘木会長に合わせただけです」

「それは、ありがと。それで、今の子はどこに連れていかれたの?」

「あなたが知らないのに私が知るわけ無いでしょう。そもそも鐘木会長が「連れて行け」って言ったんじゃないですか」

「そんな昔のことは忘れました」

「……本当に、速水くん以外のことにはアバウトですよね。会長ってば」

「そうでしょう。そうでしょう」

「褒めてないですから、嬉しそうにしないでください。って、あ、戻ってきた」

 呆れたような(いや、実際呆れているのだろうけれど)副会長の声に、顔を向けると確かに連行されたばかりの一年生が、連行したはずの運営メンバーと一緒に帰ってきていた。まあ、多分、飽きたんだろう。基本的にノリだけで生きている運営メンバーが多いから。まあ、いいけど。

 ともかく、責められた疲労と、何事もなかった安堵と、本当にこれ以上何事もないのだろうかという不安感でぐったりとしているストーキング少女に、私は軽く咳払いをしてから改めて声かける。



「あなた」

「は、はいっ?!」

 私の声に、先ほどのストーキング少女はやや怯えた眼を向ける。少し脅しが過ぎたかな、なんて思いつつも私は平静を装って彼女に罰を告げた。



「ともかく会規違反は違反だからね。これから一週間、空き教室の掃除しなさい」

「うう、わかりました」

「わかればよろしい」

 とてもボランティア精神にあふれる罰だと思われるかもしれないが、放課後に勝手な活動をしている私たちとしては、こまめに清掃活動とかでポイントを稼いでおく必要があるのだ。いわゆる一石二鳥という奴なのだった。



「さて」

 ストーキング少女が反省した様子で頷いたのを見てから、私はそろそろ本題に移りましょう、と軽く手を叩いた。



「方法はともかく、彼女の報告は事実のようだけど、皆はどう思う? 速水君の元気のなさは、神崎君といる時間が減っているからだって思う人、居る?」

 改めて問い掛ける私に、今度は即座の反応は返ってこない。銘々が考え込むように腕を組んでみたり、顔を見合わせてみたり。ひそひそと小声で「どう思う?」なんて声をかわしている人たちも居る。だけどみんなの様子を見ている限り、件のストーキング少女の仮説を否定するような雰囲気はどこにも無いようだった。

 どうやら皆、多少なりとも神崎君の出来事が速水君に影響を与えているのではないか、とは思っているらしい。



「……ふむ」

 一応、ここで断っておきたいのだけれど、速水会の運営メンバー全員が、速水君と神崎君が「怪しい関係」だと思っている訳じゃない。まあ、実際問題、速水君と神崎君の「関係」を邪推というか、勘ぐったりする女の子が多いのだけども、私自身は、男同士の関係というには抵抗がある方だ。いや、まあ、全くその手の話に興味がないわけでもないけれど、ああいうのは空想だからいいのであって、身近な人間同士で想像してしまうのはちょっと生々しすぎるというか、なんというか。……コホン。話を戻そう。

 ともあれ、別に私はあの二人が性の壁を乗り越えている間柄だとは思っていない。いないのだけど……速水君にとって、神崎君が特別なんだろうなっていうのは、わかっている。

 なんというか……そう! 神崎君と話をしているときの速水君は、こう、可愛いのだ。もの凄く。あの時の速水君の目の輝きと来たらどうだろう。ああ、思い出すだけでご飯三杯はいけます! というか、たまにはそのポジションを私に変わりなさいよ、神崎君っ!



 ……失礼。ほんの少し、取り乱してしまった。ともあれ、私たちも伊達に「速水会」なんて名前を冠している集団ではないのだ。速水君が神崎君に向ける視線が、ほんの少し特別だって事ぐらいはわかっている。問題はそれが友情なのか、愛情なのかなのだけど、そこの所は、正直、わからない。だから、私自身も今の疑問にはっきりとした考えを出せない。



「あの、鐘木会長」

「なに?」

「そもそも生徒会長は、速水君から神崎君に乗り換えたんでしょうか」

「どうかしら」

 副会長の疑問に、私は首を捻る。確かに去年の騒動は、生徒会長の速水君に対する執着が引き起こした訳で、今の生徒会長の行動を見ているとその執着の対象は神崎君に移ってしまっているようにも思える。そんな副会長が呈したその質問は、煮詰まっていた皆の想像を刺激してしまっていたらしく、運営メンバーは本題もそこそこに生徒会長さんについて口々に言い始めた。



「雨降って地固まる、って奴なのかしら」

「でも、正直、生徒会長には神崎君より、速水君のほうがお似合いよね」

「あ、私は篠宮先輩の方がお似合いだと思う」

「私も、私も! やっぱり、あの二人の組み合わせは良いわよねー」

「えー。私は百合は抵抗あるなー」

「なによ。あんた、いつも速水君と神崎君は鉄板だって力説してるくせに。男同士はよくて、女同士は駄目だっていうの?!」

「あら、男同士はセーフよ」

「女同士だってセーフよ!」

 うん、ちなみに両方ともアウトだ。

 会員たちの雑談に心の中で突っ込みつつ、私はなおも続く会員達の話に耳を傾ける。



「そもそも「釣り合い」とか考えるのは不毛よ。この学院で、速水君に釣り合う人間なんて、生徒会長ぐらいしかいないじゃない」

「そうよねー。速水君、可愛いし、優しいし、成績良いし。生徒会長は綺麗だし、凛々しいし、成績良いし」

「ダメよ。去年の事、もう忘れたの?」

「あくまで外見と成績での釣り合いの事よ。性格的には合わないっていうのはわかってるってば」

「じゃあ、桐島さんは? あの人、速水君の幼なじみなんでしょ? 成績はそこそこだけど、綺麗だし、凛々しいよ?」

「うーん。でも、あの人、神崎君の事、好きなんでしょ?」

「え、嘘! そうなの?! 狙ってたのに!」

 どっちだ。どっちを狙ってたんだ、あんたは。

 尚も心の中で突っ込みつつ、黙っているといくらでも色んな事をカミングアウトしてくれそうだなあ、なんて期待しつつ、私は更に耳を傾ける。って、気付くと傍らの副会長も、何とも言えない表情で会話に注意を傾けている。そういえば、なんだかんだで噂話とか好きなのよね、この娘も。



「そうだ、神崎君の妹さんなんかどうかな? 一年生の」

「あー、それは私も釣り合ってると思うな。彼女、凄く成績良いんでしょ?」

「そうそう。可愛いし。優しいかどうかはわからないけれど、生徒会長に張り合える逸材らしいわよ」

「彼女も人気あるよねー」

「彼女、生徒会に入ったんだよね? しかも生徒会長に誘われたらしいよ」

「未来の生徒会長ってことかな? 凄いよね」

 おっと、ここで妹さんが登場か。うーん、神崎君、妹さんに負けちゃってるよ。頑張らないと。

 などと私が内心で、無責任に神崎君を応援していると(冷やかしているとも言うけれど)、同級生の一人が不意に「でも」と、神崎君を擁護する言葉を口にし始めた。



「でも、私はちょっと良いって思うけどな……神崎君って」

「あ、問題発言」

「何? あなた速水君から乗り換えるつもり?」

「裏切りね? 裏切りなのね?!」

「裏切り者には、裏切り者の烙印を刻むのよ。誰か焼きごての準備を!」

「はい!」

「はい、じゃないわよ! って、なんで本当に、焼きごてなんかあるのよ?!」

「いや、こんな事もあるかと思って、絶えず鞄の中に」

「そんなもの入れてるんじゃないわよ!」

「流石ね」

「そこも褒めてるんじゃないわよ!」

 ……ノリと勢いだけで生きているにしても限度があるんじゃないだろうか。流石に焼きごては理解と予測のの範疇を越えていた。大丈夫かな、この会。

 混沌としてきた会員たちの会話に少々呆れつつ、ふと傍らの副会長に視線を向けると、何故だが、より一段と呆れた視線が副会長から私の方に向けられていた。まるで「あなたがいい加減でノリだけで生きているから会員にも伝染するんです」と言わんばかりの視線。いや、それは流石に私の被害妄想だろうか。でも、視線で責められている気もする。まあ、いいけど。



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