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終、 3月16日(翌日)・えぴろーぐ

 その日の朝は出発前の日常に比べ、ずいぶん早く目を覚ました。今まで、さすがに昼夜逆転とまでは言わないが、かなり生活習慣を乱していたので昼過ぎに起きるなんてよくあることだった。この旅行のおかげで少しはマトモになったらしい。

 それもあくまで、比較の話。目が覚めたのは朝9時頃。やっぱり早起きとは言い難い。

 机の上を見るときょーこはまだ眠っているようだった。モアイヌは‥‥いつも通り過ぎてわからない。

 くらうはとりあえずシャワーを浴びて昨日までの汚れをこそぎ落とし、さっぱりして再びベッドの上へドサリと倒れる。

「‥‥腹減った」

 そういえばあれだけ無茶をしておいてまともな食事をしていないのだから、当然だろう。

 のっそりと起き上がり、冷蔵庫を開け――

「‥‥‥‥っ!?」

 息をのんだ。

 元々この旅行は2週間の予定だった。それだけの期間家を空けるのだから、当然かなり保存のきくもの以外は置いておくわけにはいかない。

 つまり、冷蔵庫の中はほぼ空っぽだった。冷蔵庫の中だけではない。くらうの腹を満たせそうなものは、部屋の中のどこにもなかった。

「し、しまったああ‥‥」

 せめてお菓子とか、カップ麺とか買い置いておけばよかった。くらうは普段カップ麺を食べないという引きこもりの希少種なのだが、まさかこんな時に不便を感じることになるとは。

「仕方ない、買いに行くか‥‥」

 出かける準備をしていると、机の上のきょーこがようやく目を覚まし、おおきなあくびを1つ。

「ふああ‥‥なんだくらう、出かけんのか? 今日くらいゆっくりすればいいのに」

「オレもそうしたいけど、食いもんがなーんもない。買いに行かないと」

「あたしも行く!」

 買い物というときょーこは嬉々としてくらうの頭に飛び乗った。お菓子代が余計にかかりそうだ。

 向かうのは高知でも一度立ち寄った、ドラッグストア・コスモスだ。ここから自転車で5分ほどの場所にある、くらうのお気に入りの店である。

「とりあえず牛乳と、メシは面倒くさいからパンでいいかなあ」

「あとお菓子な!」

「はいはい」

 そして自転車をこぎ出し――

「‥‥‥‥っ!?」

 再度、息をのんだ。

「う、うおお‥‥脚が、脚がなんかやヴぁい‥‥」

 昨日休憩後に脚がまともに動かなかったのとは若干感じが違う。けれどそれよりももっと重症な雰囲気だ。ペダルを踏み込む足に全くといっていいほど力が入らず、何kmも全力で走った後のような、まるで膝が笑っているような感覚。このペースなら走った方がよっぽど速いかもしれない。早歩き程度の速度しか出せない。

「おいおい、だいじょーぶ?」

「あ、あんまり大丈夫じゃない‥‥」

 昨日までの勢いはどこにいったのやら、四国一周を達成したはずの男は、近所のスーパーにいくことすら難儀という予想外の後遺症を残し、数日間は本当に引きこもりになってしまうこととなるのだった。

「もう10時間も走るのはこりごりだよ~」

 などという、ちょっと理由が異常でちょっと情けない後日談もあったりする。

 そんなこんなで、くらうの旅行記は最後まで締まらない形で、完全に幕を閉じることとなるのだった。


 おしまい。

 はじめまして、くらうでぃーれんと申します。この度は私の小説に目を通していただき、ありがとうございます。

 概要でも述べさせていただきましたが、この物語は私が実際に行った自転車旅行の出来事に、旅のお供であるきょーこ(とモアイヌ)との掛け合いを想像して作り上げたフィクションとノンフィクションの中間、ハン(半)フィクションの作品です。

 ハンフィクション‥‥聞き慣れない造語ですが、だからこそ自分がきっかけでこの言葉が広まれば嬉しいですよね。具体的な目標としては、ハンフィクションという言葉をウィキ○ディア先生にお尋ねすると、記事の一部にくらうの名前が載ることでしょうか。まあ、その前にくらうの記事が作成されることを目指さなければなりませんが。先は果てない‥‥。

 さてこの小説についてですが、作中でも自ら述べている通り、当初はこの旅行を小説化するなんて全く考えていませんでした。あくまで趣味と経験、そしてネタ探しのための旅行のつもりでした。しかしある時ふと、「きょーこやモアイヌがしゃべって動いたら楽しいよね」、ということを考え、「だったら実際に動かしちゃえばいいじゃん」、という発想へとつながり、この作品を書き始めることになりました。これがいわゆる妖精さん降臨の瞬間です。我々がなによりも心待ちにしている瞬間だといって間違いないでしょう(断言)。

 そしてストーリーは実際の出来事を基にしているわけですから、悩む必要などありません。考えるのはきょーことのアホなやり取りだけ。というワケで執筆作業が進む進む。今まで書いてきたどの作品よりも執筆がはかどりました。製作期間はおよそ1ヶ月ほどでしょうか。もちろんそれには推敲も含まれているので、実際の執筆期間はおそらく2,3週間だったと思います。我ながらすごい速度だ‥‥。おかげで最後まで楽しんで書くことができましたが。

 実はこの自転車旅行旅行、四国一周の後にさらに2回ほど行っております。つまり、あと2回ネタを残しているわけです。ということは、かのフリーザとも対等に渡り合えるということですね。強い。

 プロフィールにも書いている通り、くらうの本命は新人賞です。ですので投稿ペースはかなり遅くなるとは思いますが、息抜き程度に少しずつ次回作も書いていきたいと思います。そしてなにより、読んでもらえると嬉しいです(チラッ。

 次回はいつになる事やらわかりませんが、早いうちに新作をお披露目できると嬉しいです。どのくらいのスパンで投稿できるかは妖精さん次第です。

 もし新人賞の選考でこの無駄に長いペンネームを見かけても、落選する呪いをかけることはおやめください。全力でくらうを叩くスレを立てることもおやめください。あらぬ疑いをかけて通報することも、おやめください。

 またお目にかかれる日を楽しみにしております。ではでは~

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