Prologue
何故、こんなにも早く。
俺を置いて逝ってしまったのだろう。
あの時の言葉は嘘か真か。
ただ神のみぞ知る。
俺が17歳のとき、彼女は俺を差し置いて、そのあまりに短い生涯に突如幕を閉じた。
そして、それから8年の歳月が過ぎようとしていたころ。
俺は、未だに彼女のことが忘れられなくなっていたんだ。
忘れ去ろうとするために必死で勉強し、有名大学に入ったところでその葛藤が消えるわけじゃない。
彼女――――幼馴染みで、高校に入ってから付き合い始めた――――は、不慮の交通事故によって、その17年の生涯を終えた。
それが俺が高校2年生だった年の、大雪の降る日のことだったってわけさ。
さっきも言ったとおりだが、国立大を出て、メガバンクに破格の条件で就職。
正直に言おう。俺は今、社会的に見て成功者だと思うね。
これではまるでエゴイスティックなエリートの台詞じゃないか、というのはよく分かる。
現に、言い出した俺もそう思うしな。
俺は永井 裕樹。25歳にして年収は800万ってとこだ。
まぁまぁ金銭的には恵まれてると思ってる。
でもな。もう8年も経つと言うのに、やっぱり俺はアイツの事が忘れられないみたいだ。
時々ふと思ったりするんだ。
あいつがひょっこり帰って来てくれないかなーとか、手紙の一通でもよこしてくれないかな、とかさ。
でも。そんなことはありえない。そう思ってたさ。
昨日まではな。
はい。突発的にはじめたね。
連載とは言っても、短編の集合体になる事請け合いだろうとは思います。
いいんじゃないの?SSの書きやすさも大事よ。