超絶忍者
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20XX年、アメリカ合衆国
日本から渡ってきたニンジャ、ソラはあらゆる殺しを専門に野良傭兵をしていた。
今日も仕事の依頼が来た。
ミッション テキサスの殺し屋集団 サイコロジカルデスクラブ の全員の抹殺
用意された空襲ポッドに乗り込み、発射を待つ。
「腕がなるぜ、この刃に今日も幾人もの血がこびりつく。楽しみだねぇ」
ポッドが発射される。ポッドは弾道ミサイルのように正確に飛んで行き、目的地にピンポイントで突き刺さる。
飛行時間は約15分。敵の拠点、廃工場の入り口にポッドは突き刺さり、開いた。
「ミッション、スタート!」
ソラは手始めに門番の喉をかっ裂く。
「オラオラ、どうしたぁ〜」
ニンジャらしからぬ正面突破。隠れる気など微塵もないようだ。
異変に気付いた殺し屋たちが続々と駆けてくる。
「ヒャッハー!少しは手応えのありそうなやつが来たな。せいぜい楽しませてくれよ〜」
言うと、近くの壁を足場にして超速で飛び掛かる。
日本刀を逆手に持ち、正確に首を狙って振り抜く。
重力に逆らうかのように飛び回り、敵を血祭りにあげていくソラ。
マシンガンの弾が飛んでくる。
「無駄無駄ァ!」
剣をファンのように振り回し、弾を全て弾く。
「おらよっと」
腰元のスタングレネードのピンを抜き、敵に投げつける。
特殊なゴーグルを付けているソラはスタングレネードの影響を受けないので一方的に攻撃できる。
喉を切り裂く、切り裂く、切り裂く。
「まだまだァ!」
「自己流忍術!斥力発生、そしてフライングバタフライキル!」
ソラの履いている靴の反重力装置が作動し、重力に逆らって飛び立つとともに、体を捻って回転させながら刃を振り回す。
ザシュ! グジャァ‥ドプドプ
次々と倒れ行く。
ある一人の仮面の男がソラの刃に槍をヒットさせ、留まらせる。
「あんた、手慣れだな。」
「‥‥‥‥‥」
男は何もしゃべらない。しかし、語らずとも実力はハッキリしていた。ソラと互角の相手だ。
仮面の男(以下、仮面)は槍を滑らかにしならせ、連続で突いた。
ソラは持ち前の素早さで避ける。
反撃。刀を順手に持ち替え、勢いよく袈裟斬りをする。
仮面の槍の長い柄で受け止められる。
「チクショー、拉致があかねぇ。こうなったら、‥‥必殺!斥力装置フルスピード展開!ブラック・グラスホッパー!」
ソニックブームと共にまるで飛蝗が飛ぶように跳ね、ソラの刃が槍ごと仮面を貫く。
仮面の男は一突きされて倒れた。
大量の血が流れだし、ソラはご満悦だ。
「いいねぇ、血の紅。ゾクゾクするぜぃ」
あとはめぼしい敵はいなかった。ソラ流忍術奥義、ブラック・グラスホッパーの前には誰もが敗れた。
目の前には血の海。
得た物は勝利と殺戮の快感。
ソラはいつも渇いていた。血に飢えていた。ミッションの終わりは毎回その渇きを潤す事象だった。
「ハハハハ、アッハハハハハァ!!」
血に塗れた体は有頂天に達していた。
「さてと、連絡連絡♪‥‥あーもしもし?例の件だけどもう片付いたよ〜。後片付けよろしゅう。」
ソラは迎えのヘリを待ちタバコを吸う。
「あぁ、仕事の後のタバコは旨いねぇ。メンソールがたまらんわ。」
これにてソラの今日のミッションは終了。明日はどんな依頼が舞い込んでくるのか、ソラは楽しみで仕方なかった。
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†終わり†