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白い犬と黒い人【王道×巻き込まれ】


王道君と巻き込まれ君のお話。

王道君=わんこ

巻き込まれ=強気ツンデレ系受け? ちょっと腹黒系になるかも



一体全体なぜこうなった。



 周りにいるどっかの親衛隊たちは俺に嘲笑を向ける。

 そりゃあ、笑いたくもなる姿だろう。髪が長くて、眼鏡かけた根暗なやつが、水浸しのずぶ濡れでたたずんでんだからな。

 ポタポタと髪から滴が堕ちる。眼鏡は濡れたせいで、全く見えない。モザイクが、かかったような視界。その視界でかろうじて分かる、こちらに走って来ている物体。彼が今の俺の状態の原因であり、元凶だ。

 

 彼が転校してきたのは約2週間前。黒いもっさりとした髪(つーか、カツラ)と今時どこで売ってんだと思わせる瓶底眼鏡をつけたマリモ、それが彼だ。

 不潔極まりない、そしてカツラを付けたバカなマリモに何故か、学園の人気者である生徒会役員、一匹狼な不良、爽やかバスケ部エース、ホスト教師が惚れた。もう一度言おう、アレに惚れたのだ。

 あんなバカでかい声と、失礼極まりないマリモに惚れる気がしれないが、兎に角奴らはマリモに惚れ今ではマリモにべったりだ。

 そんな状況に取り巻きの奴らの親衛隊は激怒した。

 マリモの机や靴箱は汚物にまみれ、親衛隊からの呼び出しがあいついだ。そして、オレの机も靴箱も汚物まみれへ……。

 俺こと、雨宮 怜史は名前のわりに平凡だ。というかそういう風に認識されている。顔の大半は髪で隠れ、尚且つあまり人好き愛するほうではないため友達も少ない。自然『普通より根暗な人』になった。

 そんな俺を何故か気に入ったのが、マリモだ。どこに行くにしても一緒。どこの仲良し幼稚園児だっつーぐらい一緒にいようとした。連れまわされた結果、俺は人気者のアホどもと顔を合わせることが増えるわけで……。結果、オレも制裁対象になった。

 しかも、しかもである。マリモの取り巻き連中はなにをどうやってそう思ったのか、マリモを使って自分たちに近づこうとしてるなんて思ったらしい。

 そんなわけで、俺は取り巻き連中並びに親衛隊のやつらに睨まれている。まさに針のむしろ。


 そんな状況でもマリモに怒りをわくことはあれど、憎むことも恨むことも出来ないでいた。一緒にいれば情もわく。それに不本意ながらこのマリモの本質を理解してしまった。好きではない、ただ、嫌いになれないだけだ。

 

 なぜなら……。


 「怜史!」

 いつの間にか親衛隊の連中は消えていて、マリモ(珍しく一人)が、パタパタと駆け寄ってきた。

 「どうしたんだ!? びしょ濡れじゃないか!」

 「ああ、ちょっとな」

 「ドジったのか!? 怜史はおっちょこちょいだな! ほら、風邪引くから帰るぞ!」


 ――――俺の手を引きながら歩き出したマリモを、なにも知らない知らされない哀れなで無垢な子供を嫌えるほど俺は堕ちていないからだ。


 マリモを此処まで真っ白に育てた連中には少々恨みたい気持ちはあるけどな。


 少しずつでも教えてやろう。誰も教えないとういうのだからしかたない。

 それは他でもない、彼のために。


 (まぁ、もっとも、ここでやり直すには、学びなおすには、もう遅いだろうけど)

もう何話か続ける予定。

王道君が話数を超えるたびにヤンデレわんこになっていく予定。

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