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何もしない姫2
会議が終わると、
彼女はそのまま記録室へ向かった。
王家の奥にある、
古い裁定と戦争の記録が眠る場所。
先代が残した判断。
その結果。
そして、後に続いた被害報告。
フィーナが目を通すのは、
勝敗の欄ではなかった。
戦闘終了後の生活圏。
住民の移動。
復興に要した時間。
勝った戦争は、
たいてい簡潔に記録されている。
だが、
終わった戦争は違った。
そこには、
長い後始末が残っていた。
「殿下は、
本当に本ばかりですね」
随行官のミラが、
半ば冗談めかして言う。
フィーナは、ページから目を離さずに答えた。
「ここにしか、
確かめられないものがあるから」
「確かめる?」
「……私が、
何を引き継いだのかを」
ミラは、それ以上、何も言わなかった。




