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同じ高さの卓上2
「理由は、二つ考えられます」
フィーナは、
淡々と口を開いた。
視線が集まる。
「一つは、
こちらの出方を待っている」
頷きが返る。
「もう一つは」
彼女は、
言葉を選ぶように一拍置いた。
「自分たちの判断が
正しかったのかを
検証している」
空気が、
わずかに変わった。
「検証、ですか」
「はい」
フィーナは否定しない。
「ヴァルクは、
力を使えば主導権を握れると
信じてきた国です」
卓上に、
国境宙域の図が浮かぶ。
「その前提が、
一度だけ揺らぎました」
誰も、
言い返せなかった。
⸻
「……殿下」
軍の代表が、
慎重に口を開く。
「あなたは、
彼らに弱さを
見せたのではありませんか」
それは非難ではない。
確認だった。
「いいえ」
フィーナは、即答した。
「弱さは、
隠しました」
一瞬の沈黙。
「ですが」
彼女は続ける。
「使える力を
使わなかった事実は、
隠していません」
それが、
あの交戦の本質だった。




