彼女は僕の恩師
これは僕らの数年前の出来事。
僕らがまだ青かった中学生の頃のお話だ。
僕らの出会いは突然だった。
僕にとっては君は僕の何が好きになったのかはわからない。
しかし君は僕を好きになってくれた。
一目惚れだったらしい。
君は僕の為に色々な事をしてくれていたね。
だが僕はそんな君をもしかしたら邪険に扱っていたのかもしれない。
いや扱っていたのだ。
僕は恐かったのだ。
何故なら君という人は初めてできた「彼女」という存在だったのだから。
僕は君にどう接して良いのかわからなかったのだ。
それに当時、僕には小学生の頃から気になっていた女の子がいたのだ。
僕の身勝手な思いだった。
君の存在を認めてしまったら僕は憧れの「あの子」を諦めなければならなかったのだから。
勿論、あの子は僕の事など気にもしていなかったと思う。
ただの仲良し・・・それだけの関係だ。
「もしかしたら」・・・なんて淡い自分の身勝手な期待が君を遠ざけさせた。
僕は恐かったのだ。
初めてできた彼女という存在の扱いに。
憧れのあの子を諦めなければいけなかった心に。
それから再び数年経った。
僕もあの頃から大人になった。
思い返すと君は僕の青春の1ページだった。
僕の心の中には今でも君の存在が焼き付いている。
決してトラウマなんかじゃない。
僕の心をここまで大人にしてくれたのは君という存在なのだから。
だから今の僕は君にこう告げたいのだ。
「ごめんなさい、僕は恐かったのだ」
と。
今僕は恩師となった君が元気に暮らしている事を願う。
だから最後に君にこう告げたい。
「ありがとう・・・」
と。
嘘みたいな話ですが本当にあったノンフィクションです。
一目惚れされて「付き合ってください」なんて漫画やゲームの中のお話です。
でも本当にあった作者の青春中学時代の真面目なお話。
その頃の自分自身の心境などは今でも覚えています。
あれから数年経った今でも彼女の存在は僕の大きなウェイトを占めています。