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道中記

作者: 翠泉


 いつものように昨日も

 つまらない映画を流して眠る

 そのせいか血みどろの人たちを

 夢の中で見てしまった


 大人になってからは綺麗な星々を

 写真に収めることも無くなったし

 辛く悲しいことがあるたびに

 涙を流している暇はない


 星と星の間を行き交う飛行船

 狙いを定めて撃ち落としたのなら

 私も宇宙の果てを

 漂流することになるのだろう


 大人になってからは綺麗な星々を

 写真に収めることも無くなったし

 新しく夜を迎えるたびに

 昔を思い出して飛ぶよ


 空を見上げると滲む月

 あなたも同じなのかな

 帰る場所がなくても

 そうだとしても


 わずかに傾いて

 少し頷いてみせて

 帰る場所がなくても

 そうだとしても


 この世界が煩瑣い音を立て

 あなたのことを唄うから

 壊れるほど軋んでいる

 歪みが行き先を指し示す


 このまま流れる旋律を

 世界から消してしまえるのなら

 あなたの名前を忘れないように叫ぶよ

 どこへ行ったとしてもつまらない世界で


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― 新着の感想 ―
涙を流す暇もなく、過ぎゆく日々に、漂流するような気持ちを感じることがありますよね。見上げた空の月にも、その想いが滲むような描写が心に残りました。 タイトルも印象的ですね。旅の途中、それでも進む道で。…
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