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ケラサスの使者  作者: 岡倉桜紅
第二章
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1 墓参り

見渡す限り砂しかない。砂丘をコピーは一歩一歩上っていた。普段黒の塔にいるときと同じように足は裸足だったが、服は普段とは違う。白の白衣ではなく、シックな黒のワンピースを着ていた。長く、白い髪は丁寧に編み込まれ、アップにまとめられていた。ブラックスーツに身を包んだBb9もコピーの半歩後ろからついてきてはいたが、いつものようにコピーの歩行を手助けすることはなく、ただ歩調を合わせて歩いていた。

砂の丘の頂上には白い直方体の石が一つ立っていた。コピーはその前に跪き、手を合わせる。

目をつむってしばらくそうしていたが、やがて立ち上がった。丘の上からは遠くの王城と黒の塔が霞の向こうにぼんやりと見えていた。

「さあ、帰るか」

コピーが言って、Bb9は胸に手を当てて頷く。

二人はまた、一歩一歩砂丘を下って行った。

冬は終わり、春が来ていた。

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