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ケラサスの使者  作者: 岡倉桜紅
第一章
53/172

幕間

『九時になりました。中央楽園ラジオ、ニュースのお時間です。楽園位置情報をお伝えします。現在楽園は北緯33度10分、東経149度01分を西に向かって航海中です。楽園中央における外部地球気温は20度でおよそ平年並みといえるでしょう。……』

「?」

黒の塔の食堂はがらんとして、ラジオだけが流れていた。Bb9の気配もなく、イオはどうしようかと考えながらキッチンに行きかける。

昨晩はシグレのギモンを収め、街の片づけをしていて、先ほど黒の塔まで帰ってきたところだった。セトカは寮に戻って休み、サミダレはシグレとともにケビイシに話をして、そのあとシグレを山に送ってくるそうだ。

イオはかなり空腹だったので、何でもいいので腹に入れてから眠りたかった。

「なにこれ……」

長机のイオがいつも使っている席の下には大量のめちゃくちゃにつぶされた食べ物が落ちていた。

イオは説明を求めるように周りを見渡したが、人体模型と骸骨のハンティングトロフィーが見つめてくるだけだった。

「……寝よ」

イオはぶるりと身震いをひとつすると呟いた。

『……新たな王が昨日、就任しました。史上最年少です。王の名は、ファイ様です……』

誰もいない部屋にはラジオが流れ続けていた。


【第一部終了】

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