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My jewel  作者: ハル
4.乗用馬
12/12

乗馬クラブ


「はい!そのまま!駈歩続けて~!下見ないでね~!1・2・3!そう上手上手!」

大きな声が馬場に響き渡る。

私はよっこいしょという感じでクロスになっている横木(おうぼく)を駈歩で跨ぐと鞍上に指示されるがままに馬場の真ん中に集まっている他の馬たちのところへ合流し、停止する。

今日の私のレッスンの相手であるもえかと先生がなにやら喋っている。

まぁ私には関係ない話だから立ったままぼーっとしていると、先生の指導は終わったようでもえかが上でぶつぶつ言われたことを復唱している。

今日のレッスンはいつもよりお客さんが少ないのか、小頭数でレッスンだ。この調子だとあと2・3回は障害を飛ばなくちゃ帰れないだろう。早く帰りたいな、ご飯を食べたいなと思いつつ勝手に帰るわけにもいかない。他の馬と一緒に小さく輪乗りをしながら障害を飛ぶ順番が来るのを待つ。

私の前の馬が障害にむかっていった。跨ぐ、また帰ってきた。

「はい、次はもえかちゃん行ってみようか!さっき言われたことに注意して飛んでね!」

「よーしマイちゃん行こっか」

もえかが駈歩の指示を出してくる、私は言われた通りに駈歩を出す。

「もえかちゃん、逆手前だから巻乗りして手前を直して~!」

もえかが慌てて巻乗りをして手綱を引っ張り速歩に落とすと、手綱を強く握って私の首を曲げて内方姿勢を取らせ、外の脚で強く蹴ってくる。もえかは慌てると手綱を強く握りすぎるところがある。

今も正直口の角が痛い。

最初はブレーキなのになんで蹴って来るの?と混乱したが何度もペアを組むうちに、というかレッスンの内容を私が分かるようになったからなんとなく予測して私は動いている。

今もさっきと逆の手前で駆歩を出すともえかは安心したのかやや(こぶし)をゆずらせてくれた。

おかげで少し手綱が緩み、口のプレッシャーが弱くなった。偶然かもしれないけど。

「拳は上げない、下を見ない」

駆歩を続けながらゆっくりと障害に向かっていると、もえかが小さく言っているのが耳に入ってくる。もっと高い障害を飛ぶなら私もちゃんと集中するが、この程度の障害は私からすると飛ぶというよりただ跨いでいるだけだからこんなによそ耳していても大丈夫だ。

また、よっこいしょとクロスになっている横木を跨ぐ。


レッスンが終わり、馬装を解かれた私が厩舎の馬房にいると、もえかが近づいてきた。私は鼻を鳴らし、待ちきれずまえがきをする。

「マイちゃん今日もありがとうね!」

差し出したもえかの手に乗っていたのは白くて四角いものだ。口の中に含むと噛まずともじんわりと甘さが広がっていく。この白いものの正体は砂糖菓子だ。

この砂糖菓子が私は大好きだった。今でも人参やりんごは大好きだがここに来てから知ったこの砂糖菓子の味は特別だった。

もっと食べたくてまえがきをして、もえかに甘えてみる。

「マイちゃんこれ以上食べると虫歯になっちゃうから駄目だよ、また今度ね」

私の顔をたくさん撫でるともえかは満足したのか厩舎をあとにしていった。








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