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テーマ詩集:果樹園

リンゴ

作者: 歌川 詩季

 皮をむかずに、かじります。

 天には その姿で(こよみ)を刻み

 夜空を渡る月が架かるように


 地にも その赤さを季節が染める

 月が 豊かに実る



 満ち欠けを繰り返す 天の月とはちがい

 地の赤い月に

 ならんだ歯をたててやれば

 (とが)った(やいば)をたたてやれば

 欠けたその実が もう満ちることはない



 渇いた(ほお)を丸くする 天の月とはちがい

 地の赤い月は

 はちきれんばかりの果汁を その実にたたえる



 みずから燃えることなく

 太陽の光で薄化粧した 天の月とおなじに

 地の赤い月の

 その鮮やかな色も 皮一枚だけのもの



 そして

 天の月も 地の赤い月もおなじに

 耳の長い住人を()まわせる


 丸いリンゴも 切りようでウサギ

 梨だって、皮のままかじりたいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 先生、今日は、こちらも投稿されていました。ポイント高いですが、『詩集:青空なき獄中の記』は、これから、伸びますよ。  [気になる点] 無 [一言] 無
[良い点] おー! 天の月、地上の赤いリンゴ、素敵なとりあわせですね。 この詩を応用すれば、ニュートンはリンゴが落ちることを発見したわけでなく、天の月の軌跡も地上でリンゴが落ちるのと同じだいうことを…
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