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妥協


 妥協。

 人生は妥協の連続で直樹くんより好きな人がいたかって言われたら私は従兄の真一お兄ちゃんが好きだった。でも真一お兄ちゃん(社会人成りたてほやほや二十三歳)には同じ年齢の彼女がいてそいつがもう癪に障る「わたし、一点の邪念も持ってません。性欲もありません。うんこもおしっこもしません」って感じの真っ白な笑顔で真一お兄ちゃんのこと見てて真一お兄ちゃんはお兄ちゃんで「俺はバカなのでこの人に夢中になってます。うっぴょぴょーん。このパーフェクトボディが俺のもんだー!」みたいなデレデレ顔でそいつのこと見てたからダメだこいつらと思って私は真一お兄ちゃんを諦めた。邪念がなくて性欲がなくてうんこもおしっこもしない女が現実に存在するわけねーだろ。って別に従兄カップルが実際にそう言ったわけでもなんでもないのに私は二人を内心で罵る。

 負け惜しみだ。だっせ。

 それで同じ大学でそこそこイイ感じになった直樹くんが私を好きだって言うから彼氏にして付き合ってみたら意外と好きになってきていまは直樹くんで妥協してる。ちなみに似たようなことを直樹くんが考えていたら私はキレる。暴れる。そのイルカ女 (妄想上の直樹くんの理想の彼女の仮称)をぶっ殺してはらわたを晒して直樹くんに付きつけて「これはね? 罰なんだよ。当然だよね? だって私の心を弄んだんだから」とかウルトラパーフェクトスマイルで言える。ほら、一緒に食べよ? ってそのイルカを料理できるかもしれない。ベルーガって美味いのか? どっかの民族は食ってるって話を聞いたことがある気がするし、クジラ食文化が日本にはあるんだから似た系列のイルカちゃんも別にまずくはないと思うが。

 でもいまのところは濃厚とんこつラーメンを食べたいと言った私のために店探して「ここ行ってみよう」ってネットで評判の店に連れてってくれて顔見合わせて「濃っ!」て大爆笑しながらその濃すぎてちょっとウってくるとんこつラーメンを一緒に食べてくれるから私はイルカ女を解体せずに済んでいる。


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