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僕はただ成仏を望む  作者: ユメミココチ
諏訪 真奈美 編
2/17


 私の実家は古くからある有名な神社だ。

 その影響なのか幽霊を感じることができる体質だった。

 感じるって言うのは、幽霊が見えないからだ。

 

 でも感じる。

 

 私には確信がある。


 試しに除霊の儀式を行ったとき、スッと居なくなる感覚を覚えた。

 霊の感覚が年齢を重なるごとにハッキリ分かるようになっていた。


 だけど私の力を家族は全員信じていなかった。

 まあ確かに……家族と有名な旅館に行ったとき、幽霊の気配が近くにあったが別に害はなかった。

 それから何回も同じようなことがあったが、別に害はなかった。


 だから除霊も高校卒業と共にやめた。してもしなくても別に害が無いことがわかったからだ。

 神社の跡取りは二つ上の兄が継ぐことになっていたから、私は自由だった。


 それで私は今美容師として働いている。

 朝から晩まで忙しくもあり、でも充実した毎日を送っていた。


 ある日ネットで、とあるニュースが目に入った。


 「幽霊屋敷除霊成功者に一億円の報酬をお支払い致します」


 マジ?一億?

 その瞬間昔を思い出した。


 「今月使いすぎたからピンチだったし、やってみようかなあ」

 でも、もう何年も除霊なんてしてないし霊の感覚も数年感じてない……。


 (でも一億かぁ……うわぁ何を買うか悩むなぁー)


 顔のニヤニヤが止まらない。

 

 私は試しに除霊をやってみることにした。やるのはタダだもんね。

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