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公園に戻り、ベンチに腰掛けジンタくんが戻ってくるのを信じて待つ。
だけど、私がやった行為は間違っているかもしれない?と不安になる。
…………。
私は幽霊が存在している事を知っている。
でも生きた人間の正論には敵わない。
(オカルトだろ)とか、
(未練や後悔?だったら戦争で亡くなった人たちは?)とか、
(その心霊現象は科学的に証明できる)とか、
(じゃ幽霊が存在することを科学的に証明しろ)とかね。
…………。
私に幽霊のことを科学的に証明しろと言われても無理な話だ。
そんな幽霊と私は会話をして、ジンタくんを生きている人間のように扱って、家族にお別れをしてこいと言った。
生きている人間ならきっと涙腺崩壊の感動ものだろうよ……。
でも……幽霊の場合は、どうなるか予想がつかない。
私はただ……感情に任せてしまったのだ。
冷静に考えるとあまり良い事をしたとは思えない……。
最悪の事を考えると、後悔で頭がおかしくなりそうだった。
その時、ジンタくんの声が聞こえてきた。
「おねえさん?どこ?」
私は急いで公園の入り口に向かうと、入り口前でグルグル回っているジンタくんの気配を感じた。
「こっちだよ」
私はジンタくんに再び道を示した。
ちりぬるを〜