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現代剣聖物語 モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います 外伝  作者: よっしゃあっ!


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95/98

95.レベルを上げて物理で殴ればいい



 シェルハウスを出ると、それまで感じていたダンジョンの気配がより濃密に伝わってきた。


「それじゃあ、ダンジョンに入りましょう」

「うんっ」

「ああ」

「みゃぁー」

『ミャァー』


 移動は私、先輩、上杉さん、ハルさん、メアさんだけだ。

 三木さんとリバちゃんはシェルハウスに、ボルさん、ベレさんはメアさんの影に待機して貰っている。

 何かあれば、すぐに出てきてもらう手筈になっている。


「……何か居ますね」


 渡月橋を進むと、橋の中央付近に何かが立っていた。

 一言でソレを表現するなら『鎧武者』だ。

 時代劇に出てきそうな仮面を被った鎧武者がまるで門番のように仁王立ちしていた。

 人の気配ではない。モンスターの気配がする。


≪迷宮武者について≫

≪京都に寄生するダンジョン『バージィス』によって生み出された疑似モンスターです。ダンジョンはその土地から情報を吸い上げ、その土地に適したモンスターを生み出します。迷宮武者は特殊なスキルは用いませんが、代わりにステータスが高く、対人戦闘に優れた強力なモンスターです≫


「気を付けて下さい、二人とも。あれはダンジョンが作り出したモンスターです!」

「あれが……」

「ほぅ……」


 私はすぐに検索さんの情報を二人に伝える。

 すると上杉さんが前に出た。

 

「対人戦闘に優れているか……。ならば九条、ここは私に任せてくれ。私にはアレと戦わなければならない理由がある」

「上杉さん……?」


 上杉さんは真剣な表情で迷宮武者を見つめる。

 でも戦わなきゃいけない理由って何だろう?


「なにせ私はまだ無職だ。さっさとレベルを上げて、『農業主』を取得したいからな」

「……」


 どうやら進化してもまだ無職のままの事を気にしているようだ。

 とはいえ、進化した上杉さんの力は私も気になる。

 天人になってステータスも上ってるだろうし。


『……』


 一方で迷宮武者は槍を構えて迎撃態勢を取る。

 ……確かに検索さんの言う通り、あのモンスターは相当強い。

 おそらくシャドウ・ウルフやジェネラル・オークといった上位種以上の強さ。

 だが――、


「遅い」


 そう言った直後、上杉さんの姿が消えた。

 ガラスが砕けるような音と共に。


『ッ!?』


 その動きに誰一人反応できなかった。

 私も、先輩も、目の前に居る迷宮武者ですら。


「はっ!」


 一瞬で、上杉さんは迷宮武者の懐に潜り込むと、その胴体目掛けて思いっきり拳をたたき込む。

 ズドンッ!! と凄まじい響きと共に迷宮武者は空高く打ち上げられた。

 その衝撃は凄まじかったらしく、胴体に穴をあけた迷宮武者はそのまま上空で花火のようにバラバラになった。

甲冑の破片が橋の上に落ちて、カランカランと音を立てて消える。

 ほんの一瞬で戦闘が終わってしまった。


「なんだ。もう少し弱く殴っても問題なかったな」

「「……」」


 私と先輩は開いた口が塞がらなかった。

 強い……強すぎる。

 これが天人に進化した上杉さんの力……!

 

 

ウエスギ ヒナタ

天人LV1

HP :1500/1500(2500)

MP :0/0

力  :450(6500)

耐久 :400(5000)

敏捷 :400(5000)

器用 :0

魔力 :0

対魔力:0

SP :0

JP :


職業 無し


固有スキル 無し


種族固有スキル

天力、天運


スキル

殴打LV5、気合LV3、忍耐LV3、毒耐性LV3、麻痺耐性LV3、危機感知LV1、絶戮LV10、修羅LV10、猛攻LV10、鑑定LV1

※()の数値は絶戮、修羅、猛攻を使用した場合



 これが今の上杉さんのステータス。

 特に猛攻、修羅、絶戮を加算した場合の数値は凄まじい。

 力の数値は脅威の6500。

 ベヒモスやリヴァイアサン相手でも殴り合いで勝つ事が出来るステータスである。

 攻撃力だけなら、間違いなく上杉さんは私達の中で最強だ。

 こんな人が仲間なんて心強い。


「ぬぁ!? まだレベルは上がらないのか! まだか! いつになったら私は『農場主』になれるのだ……! あー、無職はやだ。もう無職はやだよぅ……」

「まあまあ、迷宮武者は倒しましたし、先に進みましょう。数を倒せばすぐにレベルは上がりますよ」

「本当? 本当に私、定職に就けるの?」

「就けます、就けます。私達を信じて下さい」

「……うん」


 なのになんでこうも残念な気持ちになるんだろう。

 ともかく迷宮武者を倒した渡月橋を渡り切り、向こう岸についた。


「なんか見た目は京都の街並みって感じだね……」

「ええ、ですがだからこそ『異質』です。モンスターの気配がそこかしこからするのに、建物が全く壊れてないなんて」

「それにあの大きな木も見当たらないな」


 今まではどこにでも生えていたあの巨大な樹もどこにも生えておらず、建物も壊れていない。それに静かすぎる。

 その異質さが、より一層恐怖心を駆り立てた。


「どうする? 川沿いを行くか? それとも町の中を進むか?」

「……川沿いを進みましょう」


 検索さん曰く、空間を侵食したダンジョンはそれ自体が一つの巨大な結界になるらしい。

 正規の入口以外は出入りする事は出来ず、それ以外の場所から侵入しようとした場合、そのまますり抜けて、向こう側まで行ってしまうらしい。

 天龍寺ダンジョンの場合は、その入り口があの渡月橋という訳だ。

 それにしても上杉さんに一蹴されたとはいえ、入口にあんな強いモンスターを配置していたのがちょっと気になる。

 本命である『バージィス』ならまだしも、派生ダンジョンならあのレベルのモンスターは創りだせる数も限られていると検索さんは言っていた。

 それをあんな入口に配置している理由――中に居る生存者を逃がさないようにするため……? それとも――。


「いやぁあああああああああああ!」


 私の思考は遠くから響く女性の悲鳴に遮られた。


「行きましょう!」

「うん!」

「ああ」


 私達はすぐに悲鳴の聞こえた方へと向かう。

 するとそこでは数名の女子高生がモンスターに襲われていた。

 

「いやぁ! 来ないで! こっちに来ないでよぉ!」

「死にたくない……死にたくない……」

「駄目よ! 諦めちゃ駄目! 絶対に生き延びるのよ!」


 早く助けないと!

 それにしても彼女達が着てる制服、どこか見覚えがあるような……?


上杉さんのステータス計算式は

(元の数値×絶戮LV)+修羅LV×100+猛攻LV×100

となります。数値バグってるよね


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― 新着の感想 ―
[一言] メールのスキルはないけど取得するの忘れたな。
[気になる点] 妹?
[一言] 雨デバフ無しのルーフェンと上杉さんの真っ向殴り合いがすごくみたいw
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