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現代剣聖物語 モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います 外伝  作者: よっしゃあっ!


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80/98

80.魔剣ソウルイーターはパワーアップした!


 ソウルイーターの新しい機能は『魂魄召喚』と『魂魄武装』の二つ。

 何となく名前で効果が予測できるけど、検索さんに正確な効果を教えて貰おう。

 という訳で、検索さんお願いします。


≪『魂魄召喚』について≫

≪魔剣ソウルイーターに内蔵されている魂を召喚するスキル。召喚された魂は所有者の命令に従い行動する。会話も可能。但し、魂だけの存在の為、物質に触れる事は出来ないし、すり抜けてしまう。また魂の姿は所有者以外は視る事が出来ない≫


 へぇー、なんか霊能力者みたいなスキルだね。

 会話も可能なんだ。

 私以外に姿見えないのか……。

 周囲の状況を把握したり、偵察したりするのに便利そうだ。

 

≪『魂魄武装』について≫

≪魔剣ソウルイーターに内蔵されている魂を消費して、ソウルイーターの攻撃力、防御力を一時的に上げるスキル。消費する魂が多ければ多い程、能力は上昇するが、消費された分の魂はまた補充が必要になる≫


 こっちはソウルイーターの能力向上のためのスキルか。

 魂を喰らって力を上げる、か。

 確かに凄く魔剣っぽい……。

 あれ? 内蔵された魂はそのまま消費されるって事は、達成率とかも下がっちゃうのかな?


≪あくまで第二段階に至るために必要な数値なので、それ以降は消費しても問題はありません。ですが、第三段階に至る条件にも魂の捕食は必要なので無駄遣いは控えるべきかと思います≫


 なるほど、なるほど。

 使えば戦闘面では楽になるけど、その分魔剣の成長が遅くなるのか。

 ちなみに検索さん、次の条件ってどんな感じですか?


≪魔剣ソウルイーター 第三解放 条件≫

≪魔剣ソウルイーターと会話と同調を行う 達成率0%≫

≪魔剣ソウルイーターへの上質な魂の捕食 達成率0%≫

≪魔剣ソウルイーターの剣、盾を使った戦闘を100回行う 達成率0%≫

≪魔剣ソウルイーターに特殊な魂を捕食させる 達成率0%≫

≪尚、第三解放よりパーティーメンバーの戦闘行為は含まれなくなる≫


 新しい項目が増えてる。

 それに今までの項目も微妙に前回と違う。

 会話と同調、上質な魂の捕食、剣と盾両方を使った戦闘、そして特殊な魂の捕食……。

 しかもパーティーメンバーの戦闘が含まれなくなる。

 全体的に前回よりも条件が厳しくなっている。

 上質な魂ってのはなんですか?


≪進化したモンスターの事です≫

≪ホブ・ゴブリン、ジェネラル・オーク、シャドウ・ウルフ、ジャイアント・キャタピラー等、それぞれのモンスターの進化系に当たるモンスターが該当します。ちなみに今回は1匹につき1%になるので、100匹倒す必要があります≫


 つまり今までみたいに弱いモンスターばっかり倒しても意味ないって事か。

 厳しいなー。

 他の項目も気になるけど、先ずは実際に二つの能力を試してみよう。


「先輩、ちょっとお願いが――」


 検索さんとの脳内会話を終え、私は先輩の方を見た。


「もうヤダ……虫、嫌い……虫、怖い……怖い怖イ怖イ怖イ怖イ」

「おーよしよし、怖かったですねー。今日は美味しいモノいっぱい作ってあげるから元気出して下さいねー」


 あ、先輩がガタガタに震えてる。

 しかも服のあちこちがちょっと溶けてる。

 どうやら例の服だけ溶かす白濁液を少し浴びてしまったようだ。


「あ、その……」

「すいません。私と八島さんは一旦、シェルハウスに入りますね。流石にこの状態ではもう戦闘は無理でしょうし」

「もうヤダ……もうヤダ、もうヤダ、もうヤダ、もうヤダ、ふへ、ふへへへ……」


 流石にちょっと無茶させ過ぎたかな……。

 ……先輩。どうかゆっくりお休みください。

 

「みゃぁー」

『ミャァー』


「あ、ハルさんにメアさん、魔石もってきてくれたんだね。ありがとう」


 二匹の目の前には山のような魔石が置かれていた。

 これだけの数があれば、シェルハウスに『窓』や他の設備も追加することが出来るだろう。

 とはいえ、凄く食べたそうにしているので、いくつかはご褒美に上げるけど。


『で、魔剣ソウルイーターの方はどうなったのだ?』

「あ、はい。実は――」


 私はボルさんたちに新たに手に入れた二つの能力について説明した。


『成程。まあ、実際に使ってみるのが一番だろう。習うより慣れろだ』

「そうですね」


 周囲のモンスターは一通り片付けたし、練習に集中できる。

 私は剣を構えて意識を集中した。


「ではいきます。――『魂魄召喚』!」


 次の瞬間、黒い光と共にレッサー・キャタピラーの魂が召喚された。

 レッサー・キャタピラーは状況が分かっていない様で、首……いや頭? を傾げている。

 大きさは生きてた頃と同じだけど、姿は半透明だ。

 

「えっと、召喚できましたけど、ボルさんたちには見えてないんですよね?」

『ああ、見えぬな』

『気配も感じねぇ』


 私の眼にははっきりと見えているのに不思議な感じだ。

 姿だけじゃなく、気配もしないのか。

 検索さんは意思疎通ができるって言ってたし、色々試してみるか。


「えーっと、体を動かせる?」

『――』


 召喚されたキャタピラーはこくりと頷くと、その場でくるくると回転してみせた。

 わしゃわしゃ動く感じが凄く気持ち悪いです。 

 お腹見せながら、こっちをチラチラ見ないでほしい。

 

「スキルは何か使える?」

『――』


 今度は首を横に振った。

 どうやら動き回る事が出来ても、生前の様にスキルを使う事は出来ないようだ。

 あ、こっちに近づいてきた。いや、来ないで下さい。

 やっぱり虫は駄目です。

 

「ありがとう。もう戻っていいよ」

『……』


 私は急いでキャタピラーをソウルイーターに戻した。

 なんかキャタピラーは残念がっていた。

 検索さん、これって何度も召喚できるんですか?


≪ソウルイーターに内蔵された魂はいわばエネルギー体のようなモノです。召喚し、なにか命令する度にエネルギーは消費されます。レッサー・キャタピラー程度であれば、三回の召喚でエネルギーは尽きるでしょう≫


 回数制限付きか。

 確かにそう何度も使えるわけはないよね。

 

「じゃあ次は『魂魄武装』の方を試してみますね」


 再び意識を集中する。

 内蔵されてる魂を武器に宿らせるイメージだっけ?

 先程と同じくキャタピラーの魂を使わせてもらおう。

 すいません、使わせて頂きます。


「『魂魄武装』!」


 次の瞬間、ソウルイーターは真っ黒なオーラを放った。

 え、ちょ、なにこれ……? な、なんか凄い力を感じるんですけど……。


『へぇ、面白そうじゃねーか。おい、あやめ。その状態で、俺に斬りかかってみろや』

「え、いいんですか?」

『構わねぇよ。相手がいねぇと訓練にならねぇだろ』


 ベレさんが槍を手に私を手招きする。

 せっかくこう言ってくれるんだ。

 胸を借りるとしよう。


「では――行きますっ」


 私は地面を蹴ってベレさんに接近――って、あわっ!?

 一歩地面を蹴った瞬間、物凄い加速が起きた。

 地面が爆発して、私は碌な構えも取れないままベレさんへと向かっていく。


「う、うわぁぁあああああああああああああああ!?」

『は――?』


 そのままベレさんへ体当たりする形で剣がぶつかった瞬間――巨大な爆発が起きた。


 後から検索さんに確認したところ、どうやら『魂魄武装』による強化は身体能力も高めてくれるらしい。

 爆発の方は、文字通りエネルギーとなったモンスターの魂が爆発しているようだ。

 爆心地となったクレーターの中心で、私とベレさんはボロボロになっていた。

 検索さん、先に教えてよ……。

 

検索「だって聞かなかったじゃないですか」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 先程と同じくキャタピラーの魂を使わせてもらおう。 すいません、使わせて頂きます。 ハガレ○ ヴァン·ホーエン○イム「すまない、使わせてもらう」(賢者の○を地中に埋め込む)
[良い点] 追いつくまで毎日更新とはさすがっす!体に気をつけつつ毎秒更新頑張って下さい!(鬼畜)
[一言] 進化したモンスターや特殊なモンスターは雑魚と違って数が少なそうだから、百体も狩るために四国中の各地をまわることになりそうだ。
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