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現代剣聖物語 モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います 外伝  作者: よっしゃあっ!


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53/98

53.私が一番年下なのに年上に見える不思議


 呆然とする私と先輩を見て、三木さんは苦笑する。

 咄嗟に私と先輩はハッとなり頭を下げた。


「す、すいません。会ったばかりなのに失礼な態度をとってしまい……」

「ごめんなさいっ」

「気にしなくていいです、慣れてますから。自分、こんな見た目なので、夜中とか一人で歩いてたり、バイクに乗ってたりすると、よく警官に職質受けるんですよ。たまに免許証とか見せても信じて貰えない時もありましたけど……」

「そ、それは大変ですね……」


 その光景が容易に想像できた。

 てか、バイク乗るんだ……。ますますギャップが凄い。

 すると先輩がずいっと前に出て、三木さんの手を掴む。


「分かるっ! その気持ち凄く分かるよ、三木さん! 私もこんなちんちくりんだから、私服で歩いてると小学生とかに間違われるし、同僚には全然年上として見て貰えないし。ホント、もうあと十センチ身長が欲しいって何度思ったか」

「そうなんですよね。何故か散歩してるとお年寄りに飴とかお菓子貰いますし、その度に説明するの面倒ですし……。てか、あのおじいちゃん、毎日会ってるのに……」

「あるある。買い物行っても『お遣いえらいねー』って何故かおまけ貰ったりするんだよね」

「ありますね。この間なんかも――」


 なんかすごく話が弾んでる。

 まあ、先輩も三木さんに負けず劣らず歳不相応な容姿だものね。

 お互いにシンパシーを感じたのか、先輩と三木さんの話はますます盛り上がり、その間私はすることが無いので、ハルさんとメアさんをモフモフしていた。凄く癒された。


「――なるほどー、じゃあ栞さんは『料理人』って職業にしたんだ」

「はい。自分、小さな料理屋で働いているんですが、次の日の仕込をしてる時にゴブリンに襲われたんです。包丁でなんとか倒したら、頭の中に変なアナウンスが流れて……。最初は夢か幻覚かと思ったんですが、町にモンスターは溢れてますし、スキルは本物だし、もう大変でした」

「分かるよー。私も最初はそんな感じだったもん。でもなんで『料理人』にしたの? 他にも選択肢はあったんだよね?」

「これが現実とは思わなかったので……。まあ、モンスターを捌いたり、目利きするのには便利なので結果的には良かったですけど」

「なるほど、結果オーライだね」

「はい。それにそのおかげでこうして九条さんや七味さんにも会えたので、自分は満足です」

「だねっ」


 ねーと手を合わせるロリ二人。

 名前で呼び合ってるし、完全に意気投合してる。

 いや、でも普通モンスターを捌いたり食べようとは思わないと思うけど、もうそこは突っ込まないでおこう。

 すると、ふと三木さんが私の方を見た。


「――ところで、ちょっと気になってたんですが、お二人はどこから来たんですか? 伊方町とは真逆――というか、海の方から来たように見えたのですが……」

「えーっと……」


 どうしようか?

 普通に話しても大丈夫かなぁ……?


「みゃぁー」

『ミャゥー』


 ちらりとハルさんとメアさんの方を見れば、「もんだいないよー」と言ってるように見えた。

 先輩の方も見れば、力強く頷いて見せた。

 まあ、確かにこの人なら話しても大丈夫そうだよね。


「えっと、実は――」


 私は三木さんに、私達がここに来た経緯を説明した。

 

「う、海を渡って来たんですか……?」

「はい」

『ミャーゥ』


 流石にこれには、三木さんも驚いたようで、口を開けて呆然としている。

 メアさんが首のない馬の姿やチョコ◯形態になると、更にびっくりした。


「猫ちゃん達がモンスターなのには気付いてましたが、この姿は流石に予想外でした。色んな意味で危険な姿ですね」

「……気付いてたんですか?」

「『鑑定』がありますから」


 あ、そうだった。

 この人もワイズマンワームを倒して『鑑定』を手に入れてたんだった。


「それにしてもベヒモスですか……。九州にはそんな強いモンスターが出現してたんですね……」

「正直、何度も死にかけたよねー」

「ですね……」


 今思い出しても、体が震える。

 勝てたのは、ボルさんたちの協力や、様々な奇跡と偶然が重なった結果だ。

 もう一度戦えば、間違いなく殺されるだろう。てか、絶対無理。


「どんな味だったんでしょうね。気になります」

「いや、気になるのそこですか」


 ブレないな、この人……。


「しかしこの状況で東京向かうなんて、ずいぶんと思い切った事を考えましたね」

「まあ、自分でもそう思います。でも……それでもやっぱり家族に会いたくて……」

「……その気持ちはよく分かります。自分も歳の離れた妹がいますから。この後の道のりは決めているんですか? 四国ココから本州に向かうとなると、瀬戸大橋を通って岡山県に入るか、大鳴門橋を通って淡路島から兵庫県に入るルートかと思いますけど……」

「そうですね。とりあえず淡路島の方を通って、本州に向かおうと考えてます」


 そのルートが一番いいって、検索さんも言ってたし。

 すると三木さんは顎に手を当てて、なにやら考え込む仕草をした。


「……うーん、となるとアレが障害になるかもしれませんね……」

「障害? 何かあるんですか?」

「ええ、向こうの海には少々厄介なモンスターが居るんですよ」

「厄介なモンスター?」

「はい」


 三木さんは少し間をおいて、


「――リヴァイアサンです」


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― 新着の感想 ―
[一言] そういえば、ベヒモスもリヴァイアサンも、ユダヤ伝承では終末にあたって食料とされることになっていたっけ
[一言] これリベルさんの召喚獣一通り出てきそうだな
[一言] 日本縦断神獣の旅(_’
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