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現代剣聖物語 モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います 外伝  作者: よっしゃあっ!


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21/98

21.鑑定スキルを手に入れよう!


 モンスターを探して、町を歩く。

 明るくなった分、町の様子がきちんと分かる。

 

「一晩でこんなに変わったんだね……」

「ですね……」


 どこもかしこも酷い有り様だった。

 いたるところからあの巨大な木が生え、道路や建物を我が物顔で占領している。

 それにモンスターに襲われたのだろ。

 死体があっちこっちに転がっていた。

 

(……キツいなぁ、これ……)


 こみ上げる吐き気を必死に抑える。

 先輩も口を手で押さえて、必死に我慢していた。


「意外と、外に出てる人は少ないね……」

「家に籠城しているか……。昨日のうちにどこかの避難所に避難したのかもしれませんね」


 それにしたって妙に人の姿が少ない気もするけど……。

 相変わらず木はごちゃごちゃしてるし、歩きづらい。

 まあ気にするほどでもないか。


「そういえば、私たちのスキルは一通り試してみたけど、猫――ハルちゃんのスキルって確認しておかなくていいの?」

「うーん、確認しようにもハルさん、猫ですし……」

「みゃぁ?」


 足元をとてとて歩くハルさんが反応する。可愛い。

 うーん、ハルさんのスキルかぁ……。

 ハルさんのステータスが見れれば一番いいんだけど、残念だが個人情報プライバシーなので、検索さんが検索してくれないのだ。

 今までの出来事から、持ってるのは間違いないんだろうけど……。


「うーんと、相手のステータスが見れる……えーっと、『鑑定』だったっけ? 検索を使えば、そのスキルの取り方とか調べれるんじゃないかな?」

「あ、成程、先輩流石ですね」

「ふふーん、もっと褒めるがいいー♪」


 ドヤ顔してぺったんこな胸を張る先輩マジ可愛い。

 頭をなでなでして上げると、凄く上機嫌になった。

 先輩、マジ先輩。


(えーっと、検索さーん、『鑑定』の取り方って教えてくれますかー?)


≪スキル『鑑定』の取得方法≫

≪初期獲得スキル欄、もしくは職業により取得。

ドロップボックス、ガチャのスキルオーブより一定確率で取得。

『ワイズマンワーム』、『クレイジーエイプ』、『パラディンゴブリン』等の『鑑定』取得モンスターの討伐の際、一定確率で取得、もしくは魔石の摂取。

『観察』、『検分』、『調査』、『速筆』、『書類作成』のいづれか二つをLV3まで上げる≫


 へぇー、色々と方法があるのね。

 初期獲得スキルに鑑定がある人とか居るんだ。いいなぁー。

あとスキルのレベル上げでも手に入るのか。でもどのスキルも持ってないし、これは無理かなぁ。

 ガチャは論外だし、ドロップボックス?てのは何だろうか?


≪ドロップボックス≫

≪カオス・フロンティアのフィールドに点在するボーナスアイテム。外見は宝箱のような形をしており、中にはスキルを取得できるスキルオーブ、ステータスを上昇させるアイテム、傷を治すポーションなど、様々なアイテムが入っている。ただし一度開けて、中のアイテムを取り出すと、ドロップボックスは消滅し、二度と同じ場所には出現しない≫


 宝箱……!

 そんなのもあるのかぁー。ほんとにゲームみたいね。

 ちなみにどこにあるかは教えてもらえますか?


≪ドロップボックスの所在は一定時間ごとに変化します。現在、クジョウ アヤメの周囲1000メートル以内にドロップボックスはありません≫


 無いのか。残念。

 でも、あれば教えてくれるみたいだし、そこは融通が利くのね、検索さん。

 いいね、サービス精神旺盛ですね。最高です。カッコいい!


≪…………≫


 あれ? 今なんか、検索さんが白けたような気配が……。

 き、気のせいだよね?

 ともかく『鑑定』が手に入る方法として、現状私たちが可能なのは――、

 

「モンスターの討伐かぁ……」


 検索さんが教えてくれた三種類のモンスター。

『ワイズマンワーム』、『クレイジーエイプ』、『パラディンゴブリン』のいずれかを討伐すれば、一定確率で『鑑定』が手に入る可能性があるらしい。

 検索さん、その三種類のモンスターはこの周辺には居ますか?

 あと、そいつらって、私たちでも勝てるモンスターですか?


≪『ワイズマンワーム』及び『クレイジーエイプ』はクジョウ アヤメの活動範囲に生息しています。どちらも現時点で討伐可能です≫


 おお、やった。

 どうやらこの近辺にその二種類のモンスターは居るらしい。

 しかも今の私たちでも勝てるレベル。

 

「先輩、『鑑定』スキルが手に入る方法が分かりましたよ。この近くにいるあるモンスターを倒せば、手に入るみたいです」

「おー、やったねっ」

「みゃぁー」


 というわけで早速、そのモンスターを探そう。

 検索さん、そのモンスターの特徴は?


≪ワイズマンワーム≫

≪レッサー・キャタピラーの進化系。巨大なミミズのような見た目だが、動きは鈍い。体表から繊維質を溶かす白い体液を出す。レッサー・キャタピラーが生息する場所に共に生息している場合が多い。肉質は柔らかく美味。また胴体にある白い部分を斬れば簡単に死亡する為、討伐は非常に簡単≫


 はい、却下。

 要するに虫じゃんか。肉が美味しいとか、そんな情報要らんし。

 無理無理、そんなの相手に出来ません。

 もう一体の方でお願いします。


≪……クレイジーエイプ≫

≪大型の猿のような見た目のモンスター。非常に知能が高く、群れで行動する。『鑑定』によって敵の強さを見極め、自分より弱いと思えば、『狂化』を使い襲い掛かる。群れはクレイジーエイプ、レッサー・エイプ、ルーフェ・エイプ、ホブエイプなど数種類、数十頭で構成されることが多い。クレイジーエイプ一体のみであれば討伐可能。群れであれば達成は困難≫



 こっちはこっちで中々面倒な相手だ。

 一体だけなら私たちでも勝てる可能性があるが、群れだと難しいと……。

 

(勝てる可能性で言えば断然ワイズマンワームだけど……うーん……)


 でも虫なんだよねぇ……。それもデカいミミズ……。

 うー、だけどハルさんのスキルや今後のことを思えば『鑑定』は必須。

 リスクと嫌悪感を秤にかけ、私たちは重い足取りで河原へ向かった。


≪ワイズマンワーム≫

≪体表から繊維質を溶かす白い体液を出す≫

大事なことなので、あとがきにも書いた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 賢者の虫なのは、白いのを出した後に賢者になるからなのか、なんやかんやあって賢者になるからか、すごいきになる(_’
[良い点] >体表から繊維質を溶かす白い体液を出す。 こ、これは本編では却下されたサービスな展開が!? ノクターンに移動しちゃう?!
[一言] これはワイズマンワームに期待()
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