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現代剣聖物語 モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います 外伝  作者: よっしゃあっ!


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14.ステ振り完了、覚悟、感情


「よし、これにしよう」


 さんざん悩んだ挙句、私は初期スキルから11個のスキルを選び取得した。

 肉体強化、刺突、ストレス耐性、恐怖耐性、毒耐性、麻痺耐性、ウイルス耐性、毒薬生成、応急処置、番狂わせ、逃走。

 肉体強化や刺突は職業と相性がよさそうだし、取っておいて損はない。

 耐性スキルは全部取得した。だって、私メンタルもやしだし。

 実際、取得した瞬間、それまで感じていた不安や動揺がすぅっと治まった。

 耐性スキルの効果を身をもって実感した。

 やっぱりスキルの効果は本物だし、とって損はなかった。

 残りの四つは万が一に備えてだ。

 怪我をした時の応急処置、強いモンスターに出会った時の番狂わせ、逃走、毒薬生成。

 基本的にモンスターとは戦わない方針だ。

 だって怖いし。

 耐性スキルがあったって怖いものは怖いんだもん。

 

「残りの9ポイントはどうしよっかな……」


 一つのスキルにつぎ込めば一気にLV4まで上げられるし、まんべんなく4つのスキルをLV2にするってのもありかなー。

 

「やっぱり上げるなら耐性スキルかなぁ……」

 

 実際これを取得してから、気分がすごく楽になった。

 ストレス耐性と恐怖耐性をLV2にあげよう。

 あとは……逃走かなぁ。それと応急処置。

 この二つをLV2にあげる。

 残り1ポイントは何かあった時の為に取っておこう。


「あ、そういえばSPでスキルのレベルを上げれるってことは、ひょっとしてJPの方も職業のレベルを上げることが出来るのかな?」


 職業の聖騎士の部分をタップすると予想通り、JPを使ってレベルを上げれることが分かった。

 JPの方は9ポイントあるから、一気にLV4まで上げられるね。


≪聖騎士がLV1からLV4に上がりました≫

≪職業LVが一定に達しました≫

≪剣術がLV1からLV2に上がりました≫

≪纏光がLV1からLV2に上がりました≫

≪聖属性付与がLV1からLV2に上がりました≫

≪浄化がLV1からLV2に上がりました≫


 あれ? なんか一緒にスキルのレベルも上がっちゃった。

 へぇー、職業のレベルが上がればそれと一緒に獲得できたスキルのレベルも上がるわけね。凄くお得な仕組みだ。

 よし、これでポイントの振り分けは完了。

ステータスはこんな感じになった。



クジョウ アヤメ

LV10

HP :63/63

MP :50/50

力  :54

耐久 :52

敏捷 :54

器用 :57

魔力 :40

対魔力:40

SP :1

JP :0


職業:聖騎士LV4


固有スキル 検索


スキル

剣術LV2、纏光LV2、聖属性付与LV2、浄化LV2、肉体強化LV1、刺突LV1、ストレス耐性LV2、恐怖耐性LV2、毒耐性LV1、麻痺耐性LV1、ウイルス耐性LV1、毒薬生成LV1、応急処置LV2、番狂わせLV1、逃走LV2

 

パーティーメンバー

ハル 三毛猫LV9


 

 ステータスが全体的に上がってる。

 うーん、でも特に何か変わったって感じはしないなぁ。

 強いて言えば、耐性スキルのおかげで気持ちがすごく楽になったってことくらいかな?


(さて、それじゃあ私も一休みしようかな……ん?)


 なんか外が妙に騒がしいような……?

 発電機の音とかに交じって、何やら叫び声が聞こえる。


「ば、化け物だーー! 化け物が現れたぞー!!」


 その声を聞いた瞬間、ぶるりと背筋が震えた。

 ああ、この感覚は覚えがある。

 ここへ来るまでにモンスターと遭遇しそうになった時と同じあの感覚だ。

 どうやらモンスターたちは獲物を求めて、ここへやってきたようだ。


(詳しい数までは分かんないなぁ……)


 なんとなく外から嫌な気配はするけど、それしか分からない。

 きっと正確に把握するには、専用のスキルを取得しなければいけないのだろう。


(……どうしようか?)


 外に出て様子を確かめるべきか?

 それともこの場でじっとしているべきか?


(……ハルさん、ここでじっとしててね)

(みゃぁ……?)


 舟を漕いでいたハルさんを床に下ろす。

 八島先輩の後ろに隠れていれば、暗いしそう簡単に見つからないだろう。

 私は一人、外の様子を確かめに向かった。




 外に出ると、校門の近くで消防隊の人たちがモンスターを相手に戦っていた。

 相手は巨大な蛇のようなモンスターだ。

 胴体は電柱のように太く、背中からは大量の棘が生え、ぱっくりと裂けた口からは鋭い牙が覗いている。


「死守しろーー! 絶対に敷地内に入れるなーーー!」

「「「おおおおおおお!」」」


 消防隊の人たちは鉄パイプやさすまたを手に取って戦っていた。

 長物を使ってるおかげで、蛇のモンスターを上手くけん制できている。

 数は一体だけのようだが、それでもかなり苦戦しているようだ。


「くそっ! なんて硬さだ、コイツ!」

「ゴブリンなんかとレベルが違うじゃねーか! ちくしょー!」


 見れば、消防隊の人たちに交じって、あの男子中学生と大学生の人も戦っていた。

 手には金属バットや木刀を握りしめている。

 言い争っていたクラスメイト達は居ないようだ。

 一緒に戦ってないのかな……?


「あ、居た……」


 ちょっと周囲を見回せば、グラウンドの隅に学生の集団を見つけた。

 全員震えて、動けないでいる。

 

(手伝わないの……? あんなに偉そうにしてたのに……)


 まあ、いざとなればそんなものか。

 口ではどうとでもいえるが、実際に動ける人間なんてそうそう居ない。

 そう考えれば、彼らは普通だ。

 あの学生や大学生が凄いだけなのだ。

 

(私は……どうするべきかな……)


 私もスキルを手に入れたし、モンスターとも戦える力がある。

 でも力があっても、それを使えるかどうかは別だ。

 

(やっぱり……怖い……)


 モンスター。

 日常の中に突然現れた異形の怪物。 

 貴方には力があるから戦って下さいと言われ、はいそうですかと頷くなんて出来るわけない。

 結局私もあそこで震えている学生たちと同じ穴のムジナなのだ。

 力があっても、私には――、


「――けて……」


「え……?」


 不意に、声が聞こえた。

 声のした方を見れば、戦ってる人たちのすぐ近くに小さな子供がいた。

 茂みの陰に隠れて、モンスターや戦ってる人たちからは見えていないようだ。

 頭から血が出ていた。転んで怪我でもしたのだろう。

 あそこから動けないでいる。

 ステータスが強化されたからだろう。

 私の眼には、その姿がはっきりと見えた。

 見えて――子供と、目が、合った。

 

「――ぁ」


 脆くて、小さな、でも死にたくないと切望していた。

 必死に、誰かの助けを求めていた。

 

「シャァァァアアアアアアアアアアアアアアッッ!」


 不意に、戦局が動いた。

 消防隊の人たちの戦い方に焦れたのか、蛇のモンスターが大きく体をしならせたのだ。

 全身を鞭のように弾ませ、その場にいる人たちを一掃しようとしている。

 駄目だ。あんな攻撃、あの子供も巻き込まれる。

 私以外誰も気づいていない。

 あのままじゃ、あの子は巻き込まれて――死ぬ。

 

「私は……」


 でも怖い。

 脚が震える。

 戦いたくない。

 出来るわけない。

 あんなモンスターと戦うなんて無理だ。

 力があっても、私に何かできるわけない。


「私は――ッ」


























≪――経験値を獲得しました≫

≪クジョウ アヤメのLVが10から11に上がりました≫

≪魔剣ソウルイーターが魂を吸収しました。能力が向上します≫


 体が勝手に動いた。

 ドサッと、蛇の首が落ちる。


「ハァ……、ハァ……ッ」


 息が苦しい。

 心臓がバクバク言ってる。

 さっきまで戦っていた人たちが、呆然とこちらを見ている。

 

「え……?」


 少年も、何が起きたのか分からない様子だった。

 だから私は何とか必死に笑みを作って、子供に話しかける。


「……大丈夫?」

「ッ…………うんっ」


 ああ、どうしよう。

 やってしまった。


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― 新着の感想 ―
[一言] ゲームで言えば常に攻略wikiを見ながら自分に最適なビルドを作れるってことだから早熟なんかよりも遥かにチートスキルですよね検索。固有ってことは五大チートスキルのひとつってことかな?
[一言] 惚れてまうやろ
[一言] あの~、全ステータスは身体能力値は15アップで魔力は10アップしてるけど、 身体能力が5上がる肉体強化LV1のスキルと聖騎士のジョブスキルをLV4に上げた際でのステータスの上昇値が合わないと…
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