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僕の四方の席は姫、勇者、賢者、聖女である美少女四人に囲まれている  作者: 睡眠が足りない人
吸血鬼の女王と囚われの姫君
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姫様は無事救出できました

本日二本目です


「マリア!」


あまりにも急にマリアが消えたので僕はビックリして大声を上げた。


(なんだこれは、転移系の魔法だとするとマリアと手を繋いでいた僕も転移されていないとおかしい。ならここに強力な認識阻害のある結界を張っていた?いや、結界魔法は維持に周囲の魔力を吸収して長時間発動し続けるから周囲の魔力が少なくなっていないとおかしい。なら、残るは……)


「影だ!『聖光(フラッシュ)』」


僕は周囲に魔法で大量の光を放ち、この辺りにある影を全て消した。そして、影が消えると気絶したマリア様が仮面を被った人物に抱き抱えられていた。仮面の人物は一瞬で自分の魔法が打ち消されたことに動揺したが、こう言った任務に慣れているのかすぐに僕から背を向け逃走をしようとする。


「逃すか!『聖光の鎖(フラッシュバインド)』」


僕はもう一度闇魔法で影に潜られたら面倒なので、反対属性である光の魔法で仮面の足を止めた。よし、これで拘束されている間は影に潜れない。だが、この魔法は氷や土といった自然界には存在しない物なので耐久性が他の系統で作ったものに比べ格段に低い。すぐに仮面の人物は鎖を引きちぎり手を僕がいた方向に手を突き出していた。


だが、その拘束から逃れるのにかかったほんのコンマ数秒で僕は間合いを詰めて


「『付与 (エンチャント ):斬撃(スラッシュ)』」


右手に斬撃を付与し、仮面の人物の突き出していた腕を切り飛ばした。


「ッ!?」


相手は切られた時点でマリアを抱えた状態での逃走は無理と判断したのかマリア様を投げ捨てた。僕は彼女が怪我をしないよう両手で受け止める。そして仮面はマントから煙幕を取り出し下に叩きつけた、どうやらこれに紛れて逃走するようだ。


「このまま追いかけるか!いや、マリア様を放っては……チッ、影に逃げたか」


僕がマリア様をどうするか悩んでいる隙に、仮面は闇魔法で影に潜り姿を眩ましていた。僕は奴が逃げた確証はないため僕は対策として『光球(ライトボール)』と『小風(プチウィンド)』を使い僕らの近くにある影と煙幕は潰したが、やはり逃走したようで炙り出せなかった。


「ふぅ、まぁマリア様が無事ならとりあえずは良いか。それにしてもあんなに近くにいたのに魔法特有の魔力の揺らぎに気づかないなんて魔道具で魔法を隠蔽していたか…」


僕はようやく戦闘が完全に終わったのを確認して息を漏らし不意打ちの原因を考察する。あれが多分今回の事件に関わっていると見ていいだろう。動き自体は暗殺者にしては稚拙な部分が多かった、まずマリア様を両手に抱えた状態での動きが鈍すぎるあれは訓練を受けたものの動きではない、そしてやけに魔法に頼りすぎている。僕が魔法を打ち消した時の動揺が抜けるのは早かったけどすぐにもう一度影に潜ろうとしていた。普通なら魔法が打ち消された時点でナイフか暗器を抜く。なのにあいつは咄嗟にナイフを抜かなかったつまり普段からナイフのような武器を使っていないということだ。これから考えられるのは、おそらく誘拐された人達は魔法の実験に利用されている可能性が高い。そう結論を出したタイミングでマリア様が意識を取り戻した。


「うっ、ここは」


マリア様頭を押さえながら周囲を見渡した。


「気づかれましたか。ここは公園ですよ。仮面を付けた人物がマリア様は影に引き摺り込んで気絶させたのを私が撃退して姫様を救出したという状況です」


「そうなのね、ふふっ、ならハルくんを護衛に頼んでおいて正解だったわね。ありがとう、助かったわ」


「僕は、こんなことになるなら受けたくなかったですよ。立てそうですか?」


「いえ、まだ軽く視界がぐらつくから立てそうにないわ」


「なら、護衛の人を呼んで運んでもらいましょうか」


「それは嫌よ。彼ら私が誘拐された時、何もしなかったのでしょう?彼らもこの事件に絡んでる可能性を考えたらハルくんに運んでもらった方が安全だもの」


「いやぁ、あれはどうしようも無いと思いますよ。僕でもマリア様が消えてから気付いたんですから、遠くから護衛しているなら尚更気付けませんよ、しかも仮面を見つけた時点でこちらに近づいてきてましたし今も、何人か仮面を追ってますから」


僕は護衛の人達が何をしてなかったわけではないと弁明をしておく。


「分かったわよ、でも一番今信頼できるのはあなたなのよ。だから寮までお願いね?」


一応マリア様は護衛の人達を信用してもらえたみたいだけど僕がこのまま寮まで運ぶのは確定事項なようだ。


「了解しました、マリア様」


「はい敬語はまだ禁止よ。まだ王都の中だからね。だからほらマリアって呼んでよハルくん」


姫様は僕に制服を摘んで、上目遣いでお願いをしてきた。うっ可愛い、そう思ってしまったが最後僕は折れた。


「ハイハイ分かったよ、マリア。じゃあ、姫様を僕が運んでいるのなんて見られたら大変だから速くなるけど文句言わないでよ」


「はーい」


僕は嬉しそうに返事をするマリア様の声を合図にマリア様をお姫様抱っこで抱え、夕暮れに染まった王都の街の屋根上を猛スピードで疾走するのだった。

















次は、敵側時点ですが結構短いです。

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