08話 主兵装発見 改造前でまだつかえません
昼ご飯はイルザ姉のお勧めの店らしい、歩きながら飲食店の多さに驚く、でも宿屋は1件だけ?何故なんだ。
「ヒルダは住む所どうする私と一緒にする、3部屋ほど余ってるから個室あるよ」
すごい戸建だと思ったら借家で家賃はタダ同然らしい、家が余りまくってる状態だから空家にするより入居して修繕してくれる方が有り難いそうだ、空家の管理は町がしている。
「イルザ姉ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
そしてお店についた、港町だもの当然魚を食べるよ1品目は焼いたやつ、うん新鮮で美味しい、2品目は煮たやつうん・・・3品目は貝の・・・全部塩味だけかい!まあ美味しいんだけど。
調理方法も焼く煮るのみ、飲食店開業できるなシナイけど、フレイ、俺この世界でも胡椒とか栽培できる?
[世界の狭間でやってた事ならネットやゲーム以外なら全て同じ事が出来るよ、あと豊穣神の使徒だから大地関連、土魔術もかなり使えるはず]
よしっ10年間のおさんどん生活のちから見せつけてくれるわ!ちなみに狭間生活では胡椒などは全て自家栽培、種なんか無くたって望めば生えて祈れば急成長だ勝ったな!イルザ姉っ後悔はさせぬ。
ダメだヒルダを見てしまう、華奢なプロポーションを引き立てるあの装備、装着は大変だけどその価値がある、私も見習い時代に同じ様な事を言われて装着してたけど今ならわかる、絶対に性能より見ため重視で選んだよね先輩。
それにしても表情が面白い、嬉しそうに食べて少し難しい顔して、ポケ〜としてニヤニヤして満面の笑顔で拳を握ってる、可愛いが何を考えてるんだろ?
昼ご飯の後は武器屋さん、ほとんど重すぎて持てないダガーが精一杯、これでも刃渡り20cm厚み1cmの鋼鉄製で結構おもいよ刃なくても鈍器としていける。
でもダメだ攻撃力が足りなすぎる、考えろ10年間ゲームだけでなくソレに出てきた武器や兵器をネットで色々と調べたろ思い出せ!灰色の脳細胞よ・・・。
魔術は強いよ問題無く、でも筋力はこの体では鍛えたところで性能低すぎる、何倍にも出来なけりゃ・・・倍?そう言えば・・・イルザ姉に声を掛けてちょっと外に、土をホジホジ、圧縮、加熱、溶解、結合、冷却、硬い石になれ、強度はなかなかアッ割れた、ふむ材質を変えたら行けるか。
「イルザ姉おまたせ、ダガー以外でもうひとつ買ってもいい、お金は稼いで返すから」
「いらないわよ、そんなこと言わないの、私も見習いの時は後見人の先輩に揃えてもらったのよ、ヒルダが後見人なった時に買ってあげたらそれで良いわ」
「親方っ短い弓で出来るだけ強力なヤツない?」
「嬢ちゃん短弓で戦闘なんて、アアたしかに長弓じゃその身長じゃ取り回し出来んな、でも短弓は狩猟用以外はネタ装備品しかねーんだわ」
「ネタ装備見せて」
「ちよっと待っとれ倉庫にあるんでな」
「ヒルダ短弓を使う気なの?私も短弓は使うけど牽制するくらいよ決定打にならないわ、それに余裕を持って引けるくらいでないと狙いが付けれないわよ」
「またせたなコレだ、材質はエルダートレントで威力はスゲーぞ、前の魔族戦争で持ち帰ったもんだが短すぎて杖にも出来ねえ、それで短弓なら作れるってんで全力で作っみたが強すぎて男でも狙いが付けれん、嬢ちゃんは引く事も出来んわい」
試してみたら10cmくらいしか引けない、イルザ姉でも半分くらいだ、全長100cmの弓をしげしげと眺めて考える、身長140cmの俺が取り回せるギリギリになるかな、カム外側直径10cm内側最小直径部分2cmうん行ける。
「イルザ姉これが良い」
「絶対使えないわよ、なんで?」
だよね説明しないと無理だよね、えっとあんまりこの知識は公開したらいけない気がする。
「親方この棍棒借りていい?イルザ姉ちょっとこっちに、のぞいちゃダメだよ乙女の秘密だから」
「別に良いけどよ、棍棒とはやけに物騒な乙女だな」
「私が太いほうを片手で持って回すから、イルザ姉は両手で細い方を持って回らないように止めてみて、回せると思う?」
「ヒルダが両手でも無理に決まってるでしょ」
簡単に回ってイルザ姉ビックリしてた、図面で説明できたら分かり良いんだけど、うなってるな?頭から湯気が出そう、まあ取りあえず力を何倍にも出来る方法を知ってると納得してくれた、よしこれで主兵装は何とかできる、改造後は見ただけでは真似できまい。
つぎは再び冒険者ギルドで見習い登録だ。
冒険者ギルドで手続きをしている、しまった胡椒と短弓で浮かれて俺がサキュバスである事をころっと忘れていた、種族記入欄とか有るのだろうか、虚偽の申告は有罪か?
心臓バクバクしながら説明を聞いた、ギルドのメンバーになると等級に合ったギルドタグが発行され身分証がわりに使用する事が出来て等級は金・銀・銅・鉄の4等級で見習いは無い、後見人のカードに名前を追記するだけとの事、よかった新規作成じゃなくて。
そして重大な失敗や犯罪は後見人の実績としてに全てタグに刻まれるため、先輩に感謝し学び立派な冒険者となるよう教えられた、もちろん頑張りますよ。
その後軽く適性を見られた、イルザ姉は別室だ、まずは剣術教官との模擬戦、武器は木刀に布を巻き付けたやつ、重い持てない、せめてショートソードくらいの大きさでお願いします。
全速はマズいと思いギルド教官より1段階上の速度で応戦、全撃回避、余裕?・・・最初ボコにし途中からボコられた、ウルト◯マンに笑われる俺のスタミナは2分で息が上がる、無念、そう言えばこの体生まれて2日まだ戦闘した事ないわHP吸う訳にもいかないし。
かなり凹んで次は魔法教官による魔法適性、いろんな色付き水晶玉に手を当て魔力を込める、どうやって?素質があれば無意識で出来るとの事、ああ光るな熱帯魚水槽の照明っぽいこれはすぐに終わった。
簡易適性試験が終わりギルド教官とイルザ姉が別室に入る、今後の育成方針の相談らしい、ごめんイルザ姉、思った以上に何も出来なかったよ。
ヒルダの試験結果を聞かされ正直驚いた、ソードマスター アディルス剣術教官との模擬戦、最初は様子見で打ち込んでみたら、剣で受けるのでは無くギリギリで躱すらしい、しかも剣と教官をしっかり目で追いながら、3回反撃喰らったと苦笑いしてた、今は剣の型を学ばせるくらいで十分強くなれるようだ。
このまま成長すれば本登録する頃には期待の新人間違いなく逸材だから大事に育てるよう言われた、ギルドに連れて来たら剣の指導をしてくれるみたいだ、速さを生かし盗賊にしようと思ったのに剣士も素質十分だった、たまにギルドで剣を練習させよう。
交代して魔法教官だ、顔が強張っている何事かと思ったんだけど、適性は十分に有り土属性の魔法が得意そうで才能有りますよ、との事だったタダ強すぎて判らないことが多いらしい2人の教官はこれからギルマスに報告するようだ、お疲れ様さまでした、さてヒルダを褒めてあげよう。
ヒルダを探したら待合室で落ち込んでるみたいだ、ズーンと効果音が聞こえそう、どうしたんだろう。
「ヒルダ何かあった、暗い顔してどうしたの?」
「イルザ姉ごめん、せっかく後見人になってくれたのに試験で何も出来なかったよ」
何が不満だったんだろう予想以上に凄かったんだけど、もしかしてソードマスターに勝つつもりだった?危ういな急ぎすぎてる、彼の強さは言わない方がいいか。
「よく頑張ったよ、13歳なんだからゆっくり成長していこう、ヒルデは自慢の妹分よ」
背中をポンポンと叩いたら少しは気が晴れたようだ、さあ残りの買い物して家に帰ろう。