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06話 暴露と初めての仲間




少し眠っていたみたい、瞳を閉じたまま吸収を再開すると見張りをしているアスクさんの独り言が聞こえた。



「何者なんだろう、子供の速さじゃない」


「格好は、サキュバスなんだけどな」



心臓が止まるかと思った、イルザ姉様にはバレるかも知れないと思って気を付けていたんだけど、まさかアスクさんとは、もしかして普段の単純さは計算された演技、とてもそうは思えないけど怖るべし。



やはり男性に化けて早急に逃げるか、さすがはパーティーリーダーだ鋭アスクさんを隠してた。



色々と吸収しながらステータス画面内で幻術を使い男性体にバケてみた、まず顔を変えるのは無理だ死ぬほどMPつかうよ。



表情固定なら大したことないけど動かすのがむり、どうも表情というものは全身よりよほど複雑みたい、驚いた瞬間に気絶し解ける幻術では意味が無さすぎる。



そして体や身長を変えると全体の比率がっ!すごく気持ち悪い化け物になる、いかんトラウマになる前に記憶の海から消去しよう、まあ髪を短くし男装すれば良いか、それにしても膝まで伸びた髪は長すぎる本当に邪魔だ切ってすぐに再生したら凹むぞ。



さてそろそろ見張り交代のようだ、イルザ姉様が見張りを交代しアスクさんが眠った、抱きついて眠ってるアトリちゃんをそっと外して、ゆっく「ヒルデノートちゃん」



「うわっイルザ姉様、いきなり現れてビックリさせないでよ」


いきなり至近距離にいた、どうやって?


「ちょっと聴きたい事が有るんだけどいい?」


ヤバい終了っぽい狩られそう、フレイ聞いてた?



[たぶん大丈夫よ、幸運100まえに言った事覚えてない、あとツカサ名前が増えすぎ、ヒルデノート?これからは皆が呼んでいる方に合わせるね間違えるでしょ]



絶対じゃ無かったよ、なんでそんなに余裕なの?



[ヒルデノートの希望だったでしょ死ににくいって、魅了は常時発動してるしスキルで同性でも有効よ、隠しパラメータの魅力も100にしてるから効果抜群、本能的に男性は拒否してるみたい、好かれたかったら、意識して発動さ[絶対嫌だ]・・・まあ良いわこの二つの能力があれば女性はまず大丈夫と思うよ]



覚悟を決めるか。



「イルザ姉様なに?」


「ヒルデノートちゃん、カロレオンの町に行ったら何かやりたい事はある、それとも別の町に行きたい?」



ベルタニア帝国が一番安心して暮らせそうなんだけど、まだどこにあるのかも分からないし。



「ぜんぜん決めてない、何も分からないから」


「もし良かったら、冒険者見習いにならない?命の恩人だし、私が後見人になるよ」



どうも冒険者の登録は15歳からで、後見人がいれば12歳から見習いとして登録できるらしい、何かあれば後見人の責任になるらしいけど。



「今日会ったばかりだよ、なんで?」


「じつは私も良く分からない、これが運命的なものかな、直感?ヒルデノートちゃん可愛いし」



話しを聞くと冒険者見習いになれば稼げるし良い事ばかりだ、けどスキルで洗脳した状態じゃダメだ魅了よ止まって。



切れたマントを外し、再度覚悟してイルザ姉様の正面に立つ。



「イルザ姉様、俺を見てくれる」



ゆっくり幻術を解いを外してゆく、コウモリの羽のような翼、先端にスペードのマークが付いたような尻尾が徐々に現れる。



「俺は人間じゃないよ、驚いた?」


驚きでイルザ姉様の目が見開かれる、やはり不味かったか。



「おどろくわよ、ヒルデノートちゃんがサキュバスなのは予想できてる、幻術で隠しても翼は触れるの、それにその格好で本気でバレてないと思ってた?そんな事より女の子が俺なんて言っちゃダメ、私って言いなさいどうしたのいきなり!」



あれっ、狩られる覚悟もしてたのに別のことで怒られている、なぜに?



「イルザ姉様ごめんなさい、でも私は魅了の力で洗脳してるかもしれない」



ガッときつく抱きしめられた、嬉しいけど翼が折れそうですギブアップ、



「洗脳されて無いから大丈夫よ、まえに教会の巫女が耐性スキルが有るのを教えてくれたから、本当の姿を見せてくれて嬉しい」



安心して泣きそうになった、もしかしてノエルトリア王国に召喚されたのは俺が仲間=人間と思っていたから、いやこれを運命と思おう。



それからイロイロ話したよ、神様関連はフレイに止められて無理だったけど、そしてイルザ姉とヒルダと呼び合う事になった、魔族とパーティーを組んでバレたら罪に問われないか心配だったんで聞いてみたら。



「大丈夫よ、魔族のベルタニア帝国と人間のノエルトリア王国は休戦協定を結んでるし、こまかく管理なんて出来なくて、今回の誘拐だって個人の暴走みたいだし」


「人間だって奴隷目的で魔族を拐おうとする輩がいるんだ、ベルタニア帝国まで船で1週間もかけて、手に入るかどうかも分からないのに」



まあ魔族にも奴隷商人とかいるのかもしれない。



「だからノエルトリア王国には魔族奴隷がいるわ滅多に見かける事が無いけど、奴隷の首輪を身に付けているからすぐにわかるよ冒険者では聞いた事が無いわね」


「なら本当の姿でも奴隷の首輪が有れば大丈夫なんだ」


「拐われるから絶対にダメ、少女のサキュバスなんて聞いた事ないし」



気が付けば夜が明け朝日が登りかけてる、今日カロレオンの町に戻れるらしい。



仲間たちと共に冒険を・・か、ふと呟いてた、あまりに予想の斜め上を突っ走りすぎて苦笑いになってるケド、こういう物語りの始まりも悪くはないか。







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