なぜ俺は、流行ってるアレを書くのか
自分がいま連載してるのは、2作。
片方は、現世に還ってきた勇者が無双する話で、
もう片方は勇者パーティーを追い出されたおっさんが成り上がる話。
どっちも流行りのアレねって感じなのだが。
なぜそういうのを書くかというと、そういう作品を読んで面白かったからというのがまずある。
『S級バフの多重奏! ~幼馴染パーティーを追放されたバッファーは世界唯一バフを重ねがけできるスキル持ちでした~』も『被追放者たちだけの新興勢力ハンパねぇ~手のひら返しは許さねぇ、ゴメンで済んだら俺たちはいねぇんだよ!~』も『卑怯者だと勇者パーティを追放されたので働くことを止めました』も『勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す』も、めちゃくちゃ面白いよ!
で、思うわけだ。
おもしれーなー。
俺もこういうの書きてー、と。
更にいうと、自分で書いてみるとよく分かるんだ。
ランキング上位にいる作品が、いかに面白くて良く出来てるか。
どんな作品も、第一話の時点で、主人公の行動原理がはっきり語られている。
言い方を変えるなら、キャラが立っている。
パターンを利用してね。
その強烈さにヤられて、ブクマしてしまうわけだ。
だから、正直、なろう小説をバカにされるとムカつくんですよね。
なろう作家ってくくりが蔑称になってるのって、本当に嫌だと思う。
最近、セクハラ事件を起こした文芸評論家がいるじゃないですか。
あの人が言ってたんですよ。
『日本で小説家って呼べるのは金井美恵子と中上健次だけだ!』
って。
正直、その文芸評論家のことは全く尊敬してないんだけど。
この言葉だけはそのとおりだと思う。
金井美恵子と中上健次以外は、純文学だろうとエンタメだろうとラノベだろうとみんな同じようなもんだろ。
というわけで、俺は面白いなろう作家を尊敬するし、その人達みたいなものを自分も書いてみたいと思っている。
つまり、流行りのあれをね。
以上、勇者パーティー追放ものを連載開始した日に思ったことでした。