太陽の
白い雪が染み渡り
薔薇の花で道は埋まり
空っぽのトランク
路傍へ投げ捨て
僕は体もない伽藍堂の海へ(情報の)
バイブルは 燃えては赤く空を焦がし
太陽の陽射しさえ届かぬ
太陽の明かりさえ
太陽の眩しささえ意味なく
太陽の光さえも
巡る血もない偶像の
仮想空間での世迷言
トランクに詰めた
価値あるものは
体を得たその瞬間に 消え失せる
レリジョン あまたの神も 目を閉じ
太陽のフレアさえ無きものに
太陽の黒点さえ
太陽の消失さえ意味なく
太陽の限界さえ
太陽の届く場所さえ奪われ
太陽の脈動も
太陽の行く先さえ遮られて
太陽の永遠性でさえ
太陽の 誰も望まない宇宙観
太陽の そこへ行くのか
太陽の マッチ一本の灯だけが頼り
太陽の慟哭でさえ聞こえない
夜の街灯は騒めいて
仮想通過一枚で世界は変わる
昨日のアルコールは溶かしきれず
僕は体なき 刺激だけの空間へ
君に触れた手触りさえ失う
太陽の昇る場所は人知れず
太陽の跡形も
太陽の指し示す道さえなく
太陽の光も
太陽の 誰かが望んだのかもしれない
太陽の この領域
太陽の 蝋燭の火だけが頼りに
太陽の咆哮さえ届かない