4話 ロシア革命とアメリカの参戦
1917年
日本は千島列島と南樺太をユダヤ人に割譲しそのユダヤ人たちは東方エルサレム共和国として独立宣言をした。この国家は世界各国にすぐ承認されることになった。そして大量のユダヤ人が流こんだうえ資金の援助が大量に世界中から届いた。
東方エルサレム共和国は日本と安全保障条約を結びさらに医療などの多方面の技術協定を結んだ。
そして11月
ロシアでは二度目の革命で自由主義政府が倒れ共産主義と一党独裁を歌うレーニンがトップとなりソ連が誕生した。この時既にロシアにいるユダヤ人は日本ないし東方エルサレム共和国に脱出していた。
そして日本を含めアメリカや欧米列強はソ連を認めずにロシア領内に取り残されてるチェコ軍の救出を目指す名目でソビエト領内に押し入った。
日本は直ちに北樺太に進行占領したのちに東方エルサレム共和国に割譲された。さらに日本はウラジオストクに上陸してここを占領、アメリカや各国のシベリアへの進軍を手助けするかのごとくウラジオストクを開発した。そしてウラジオストクから沿海州の南半分を占領したところで日本軍は進軍を停止した。アメリカ軍はさらなる奥地を目指し進軍していった。
日本は陸軍の欧州派遣はトルコ戦線に出兵したことで回避できたが海軍は回避することができなかった。後弩級戦艦である扶桑型2隻と金剛型巡洋戦艦4隻を中心とした日本の連合艦隊の主力たちだった。
結果は散々なものだった。金剛型巡洋戦艦や扶桑型戦艦など的の大きいものはドイツの潜水艦作戦の良い的になった。さらにイギリス海軍と違い経験が少なく回避行動も下手だったためか日本海軍は各地で大損害を受けた。中でも金剛型戦艦の榛名は沈没し、霧島は大破してイギリスで修理することになった。
さらにその後扶桑型戦艦の2隻はイギリス海軍と共にユトラント沖海戦に参加した。その時扶桑型2隻は斉射を行うことができなかった。全12門の斉射には艦幅がたりなかったのである。さらに一番艦扶桑はたった一発の被弾で弾薬庫に引火して爆散することになった。これにより列強に日本の戦艦は欠陥品とのレッテルが貼られることになった。
欧州大戦はロシア革命により誕生したソ連による単独講和の影響で東部戦線にあった戦力を西部戦線に移動できたドイツに有利となっていた。しかしトルコ戦線から戻った英仏両軍の加勢もあり戦線は膠着したままだった。
しかしその後年が変わる頃には無制限潜水艦攻撃作戦を始めたドイツに対してアメリカが宣戦布告をした。アメリカの圧倒的物量に押されドイツ軍は劣勢になった。そしてドイツでもキール軍港の反乱を機に革命が発生した。革命が起きたドイツは瞬く間に崩壊していき皇帝ヴィルヘルム2世の亡命によりヴァイマール共和国が誕生。そしてヴァイマール共和国は協商側と講和を結んだ。
日本は直ちにドイツへ土屋と加藤外相を送った。この狙いは史実において日本がドイツへと渡った時にはアメリカとフランスとイギリスによりドイツの技術が吸われ切ったであったためだ。日本はドイツ製の各種火砲や最新型Uボートに加えて航空機用や自動車用のエンジンを戦利品として抑えた。
その後に結ばれたベルサイユ条約にて航空機と戦車を手に入れた。領土的には史実同様に南洋諸島の委任統治を任された。さらに青島の利権の日本移行も許可された。日本はウラジオストクと沿海州の南半分の日本領として既成事実化とした。これをイギリスとフランスは認めた。
ベルサイユ条約締結後土屋はヴァイマール共和国の中枢と密かに会談した。そしてドイツは新技術開発をフランスにより大きく制限されたが日本と技術同盟を結ぶことで兵器開発を続行できるようになった。そしてドイツ人技術者及び科学者は数多く日本に渡り研究することになった。
土屋は引き続きドイツの技術見学をしそのままイギリス訪問へむかった。加藤外相はその後モスクワに行った。モスクワでレーニンと加藤外相は会談した。そして日本とイギリスとフランスはイギリスに及びフランス植民地への不可侵と日本の北樺太、南沿海州及びウラジオストク領有を認めればソ連を承認すると言った。この条件は酷いものだったが一刻も早く国内情勢を安定化させ欧米列強からの国家承認のほしいソ連及びレーニンはこの条件を呑んだ。
場面は東京に戻る。
加藤外相は塩田、原敬首相、浜野、皇太子、土屋と今回の外務報告をしていた。
「…というのが今回の一連の動きです。皇太子陛下。」
「うむ。非常に良い働きだ加藤外相。」
「ありがとうございます。」
「加藤さんありがとうございました。」
「わたくしからも皇太子陛下に報告があります。」
と言ったのは土屋だった。
「申してみよ。」
「はっ!今回ドイツ視察後にイギリスに向かったのですがイギリスは大きく疲弊していました。今後大きな軍縮をし国内経済の回復を図るでしょう。おそらく軍縮会議が開かれるでしょう。」
「かもしれないな。伊勢型の就役と長門型の完成を急がせてくれ。」
「はい。わかりました。あと陛下、国内経済は大戦景気で沸いていましたがそれが終わり成長率が著しく低下しました。」
「仕方がないことだ。しかし今後が大事だ。さらなる経済発展のため策を練ってくれ。」