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5.告白

「んー、正解のような……不正解かな。私が遺伝子を初めて調べたのは私の家族。母も家族や親戚関係調べていた。母、父、私、そして両祖父母、叔父や叔母、いとこと調べてさっきの研究室の三十人のデータとともに結果を残してくれていた。そして、私は家族の次に柏木君を調べた。今あげた親族全員が皆同じように遺伝子が違っていたわけではないんだけどね。叔父や叔母で私とは直接血縁関係にない人達の半分以上は違っていた。で、次に私は沢山の遺伝子を学校で手に入れて調べていった。これは私と同じ人を探したいからではなくて、柏木君あなたと話をするためによ。柏木君にいきなりこの話をしても、何の資料もない状態で信じろとか言われても聞く耳を持たないと思って」

「な、なんではじめから僕を……」


 ランダムに選んで遺伝子を調べた中にいた中の一人なんだとばかり思っていたのに。なんで……わかったんだ。


「わかってるくせに。柏木君。隠したいし、人に知られたら困る能力もってるもんね。でも、まさか遺伝子でわかるとは思ってなかったでしょ?」


 鏡野はぐんと話がしやすくなったとばかりに話しかけてくる。僕の頭はぐちゃぐちゃになっている。


「でも家族にはいない……」


 やっと出た言葉はそれだけだった。鏡野はキラキラした笑顔で言う。


「遺伝子的にはそうでも力をまだ持ってない人もいる。力が出るのは、強く何かを願った時、例えば自分や大事な人の命を救いたいと思った時や、欲望が強かったりした時とか、人によって違ってるみたいだけど……よほどの願いじゃなきゃ無理なのか私の家系では能力持ってるのは私だけ。しかもこの遺伝子の血が濃くないと能力がたいしたことないし、使ってても傍目にはわからない能力の人もいる。使うのが危険だと判断して自ら使うことをやめてる人もいるだろうから、本当に私だけかはわからないんだけどね。後は死んじゃって確認出来ないけど母も能力持っていたみたいだけど」


 と鏡野はすっかりおしゃべりになっているが、反対に僕はどう対応したらいいか迷っていた。


「柏木君の力は物を移動させる力だよね。瞬間移動」


 そんな僕を貫くように鏡野は言い放った。僕の力の事がばれてるなら、もう認めてしまって鏡野の事も聞いておかないと、不安でこのまま帰れない。


「なんで僕の力を知ってるんだよ。遺伝子でそこまでわかるのか? ていうか鏡野はどんな力を持ってるんだよ」

「遺伝子ではその力を持っている人間だということしかわからない。なぜ柏木君の力の事を知っているのか、さっきあの場でこの話をしなかったか、それは私の力で知ったことだから」

「何の能力?」


 いったい鏡野は何の能力を持っているんだ。


「昔から俗に言うところの千里眼だよ」

「千里眼……」


 ってことは、僕の能力を使っているのを見てるってことで、僕はずっと鏡野に見られてたってことだよね……うあああああ。なにした、俺。最近何かしたか……。思い出せない。てか、どこまで見てたんだろう。いつから見ていたんだよ。いろいろ想像して顔が赤くなる。


「あー、そんなに凄いとこ見てないから大丈夫だよ。多分。見てた映像の記憶消すと本当に抹消されるから、記憶にないし。私の頭いわゆるハードディスクみたいなものなの。だから、データがいっぱいにならないように消去するんだけど、消したものは完全に記憶の中から消去されるから。消さないとすぐに容量がいっぱいになるから、残してないのよ。柏木君が力を使ってるところ以外はね。それに早送りで見ないと沢山の人や場所を見張ってるから、すっ飛ばしでほとんどは確認するし。さっきの待ち合わせ場所もわざわざ橋の中間地点にしたんだけど、近くのマンションの屋上からいつも私を見張ってる奴が双眼鏡でこっちを見てたから家に移動したんだよ」


 そんなに凄いって、凄くないとこは見てるんじゃ……。えーい、もう仕方ない。消せば記憶に残らないならいいってことにしよう。このままじゃ話にならない。


「皆を見張ってるの? その中で僕を見つけたって事なのか?」


 いったい鏡野の頭はどうなってるんだ。想像しただけで頭が痛くなる。そんな僕に鏡野は始めて気恥ずかしそうに真剣な顔で言ってきた。


「それは私が柏木君を好きになったから」

「えっ! 何っ!? 佐々木先輩は?」


 鏡野の突然の告白。その告白は川原で聞きたかったよ。ていうかどういう展開なんだか、つかみきれず最悪な反応をしてしまったし。不意討ち過ぎて佐々木先輩のことまで聞いてしまった。だが、鏡野は全く気にした様子はなく、当然のように聞き流してるようだ。


「好きになるイコール能力を持つ者の可能性が高いってこと。さっき言ったでしょ? 父も母もこの能力の遺伝子だと。親戚も半分以下だけど能力の遺伝子を持ったものがいる。学校の生徒と母の研究室の研究者すべての人がこの遺伝子じゃないなら、人生で何回会うのかわからないぐらいの確率でしか会わないのに、結婚までしている。そう考えるとこの遺伝子は子孫の血を濃くするよう同種の者を惹き合っているんだと思うの。で、私は今まで好きになったのは二人。初めは佐々木桃李、次が柏木君あなたよ」


 僕が話をしようとすると鏡野はそれをさえぎってまた話し出す。


「あーと桃李とは付き合ってないよ。それから桃李はこの遺伝子を持ってるけど力はまだない。持ってない人にこの話しても話にならないから言ってないんだよ」


 ん? なんだかおかしい。学校には僕と鏡野以外見つけてないと言ってたのに、佐々木先輩が能力の遺伝子持ってるのになぜ鏡野は触れなかったんだ。ていうか、鏡野と佐々木先輩は付き合ってないんだ。いや安堵してる場合じゃない。順番もなぜ佐々木先輩から好きになるんだ。会ったのは僕が先だし……先輩にフラれたのか、それで僕を……。でもそれにしては最近まで仲が良すぎだろ。


「あっ!」


 鏡野は何かに気付いたらしい、手を口に当ててしまったという顔をしている。まだ爆弾があるんだろうか。


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