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005-007

「……おまえを、なんて呼べばいい?」

 おれたちは宿をとった。二人で、一部屋。

「あなたが、つけて」

 娘は悪びれず、こう言った。


「では……ノエル」

 これしか思いつかない。

 おれの愛する女の名は、これでなければ。


「ノエルと呼んでいいか」

「かまわない」


 かまわない、か。

 おれは苦笑した。奴隷らしからぬ、生意気な口のききようだ。

 それがまた似合うのだ、ノエルタリアの、この声には。


 その夜、おれの奴隷女は、おれの女になった。

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